第二話「出会いそして別れ、そしてピッチャーでビール」
少年はメガネを片時も離さなかった。メガネだけが少年の友達だった。
恋愛の相談をしてた友人にその恋愛の相手の娘を盗られたときも、学校内でクラスの奴が
フリスク食った罪をなすりつけられて怒られたときもメガネだけは自分を裏切らなかった。
少年がロックandロールミュージックに興味を持ったのだってバディーホリーがメガネをかけてた
からだ。しかし、周りは彼のメガネを馬鹿にし、黒人奴隷をリンチするかの如く迫害した、あるときは
さとうたまおのヌードが載っている週刊誌を燃やされ、あるときは机の上に「祝新装開店」と書かれた
豪華な花束を置かれ、またあるときは普通にボコボコにされたりした。
メガネと音楽と部屋の壁にクレヨンで描いたケリーちゃんだけが彼の友達だった。彼はこのままでは 自分は黒いトレンチコートとか着て学校で自動小銃を乱射してしまうに違いないと思った。
そしてそんな自分を変えるためにサウスブロンクスの楽器屋で働いていたのだった。

店主はいよいよ怒り狂い、店主の鋼鉄のアフリカ像は今にもジーンズを突き破りそうな勢いだった。
「おいタカハシ、はやくあのイカレタ糞をコイツで粉々に吹き飛ばして来い!!」
と店主は喚き散らした。タカハシはNOと言えない男だったのでショットガンを片手にショーウィンドー 立小便をした反則頭突き野郎、イシハラを追いかけたのだがどうしてもウンコがしたくなった。
いよいよもれそうなのでタカハシは何も考えずにショットガン片手に一番近くのビルディングに駆け込 んだ。

三井住友銀行だった。

けたたましく鳴り響く防犯サイレンとその場にいた客と銀行員の悲鳴が響き渡る中、タカハシはもうほ んどウンコをもらしていた。

その頃イシハラは江戸川に帰ろうとおもってメトロの駅で財布を開けたが、金が足りないことに気付い た。
「しょうがない、金でも下ろすか。」
そういってイシハラは銀行に向かった。見え見えの展開だった。ATMがあるのに銀行に行く必要は ないにもかかわらずイシハラは銀行に向かった。 

つづく
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