とうとうリリィに出会ってしまった。後悔はしてないつもり。
映画「リリィ・シュシュのすべて」が公開された。
おじいちゃんが死んですぐの事。見に行く気力もなかった。
リリィシュシュっていうのは実在する歌手でいわく付きの歌手でもある。
スタッフの傷害事件があったり。ファンが自殺したり。
誕生日の記念ライブで男の子が何者かによって刺殺される。
犯人はいまだに見つかっていない。
その一連の出来事をネットリレー小説から映画に立ち上げた。
リリィの歌声はラヂオで何度も聞いていて、気になった。
そして映画を見た。そうだ。あたしもあの時14歳だったんだ。
あの子が中2の時、あたしも中2。
あの時の事は忘れたい。でも忘れられない何かがあって忘れられない。
そういう事を思い出させてくれた映画だった。
見終わったあとに、泣けて泣けてしょうがなかった。
その日の夜、ユメにおじいちゃんが出てきた。泣いて起きた。
リリイシュシュのすべてを見たせい?って一瞬思った。
リリイの熱狂的なファンは言ってる事も別世界のよう。
あたしなんかが語っちゃいけないんだ。
でも、リリィの映画から得たものが何かしらあった。
それは温かい何かととげとげの何か。
それから数ヵ月後。映画のサントラを買った。
どうしても「買う」っていう決心が長い間つかなかった。何でだろう。
リリィシュシュの特別の声。胸にドクドク入ってくる。
心のひだを全部逆撫でしてくれる。
そんな声で恋の事とか生きる事とかをエーテルと一緒に唄う。
「そもそも生きているというのは悲しい事件でしょ?
人間にとって最大の心の傷は、 存在」
戦争が始まってしまった今、リリィはドコで悲しんでいるんだろう。
わからない。
現実と、ネット世界が混同されて、どれが本物かわからない。
そういう錯覚に陥る感じ。
心地いい。心地いい。心地いい。
あたしの痛い記憶をこの映画によって背負っていこうと決めた。
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