
1971年7月1日発行。
「作品特集!ハッピーエンド」という特集。
作品紹介に先立ち松本隆と高田渡の対談あり。

松本&高田の対談は石浦信三も加わる。
二人の作品が「平易」「日常」という点で相似しているという石浦の考察、サンドバーグの「シカゴ詩集」への二人の共感など興味深い対談。
「春よ来い」についての考察や解説も面白い。
また、楽譜付きの曲紹介は「ゆでめん」全曲と「風街ろまん」の一部。
「愛餓を」は「あゐうゑをの詠」とされており、歌詞は3番まである。
そしてその作詞者は松本、細野、大瀧の連名となっている。*
「松本 やっぱりぼくは、ガラス箱の中で生活しているような、詩の空間が好きなんだ。例えばね、<お茶を飲んでる>なんて簡単に言っておいて、ふと気づくと、その言葉の背後に種々雑多な「生活の妖怪」がぶら下がってたりするのがいい。「春よ来い」がやさしいっていわれるけど、・・・内容的にはたいした歌じゃないですよね、確かに。でもあれを作った頃は、いわゆる暴力的なロックうんぬん論がはびこっていた時期でしょ。ぼくは、そういうのにはうんざりしていて、もっと、四畳半的な、何か生活の具いがプンプン匂ってくるようなロックが作りたくって、ああいう詩ができちゃったわけです。とげとげしいんじゃなくて、丸っこいでしょ、あの詩。技術的にいえば、<こたつを囲んで><お雑煮を食べながら>・・・という風に、「O」の頭韻で始めているわけです。」
「高田 (前略)サンドバーグのシカゴ詩集の中の」
「松本 マッグでしょ。(笑)あれはぼくも大好きでね。もしラヴ・ソングなんてものがあるとしたら、ああいうのをいうんだよね。」
「高田 ぼくもものすごく好きでね。(身を乗り出す)」
「松本 本当に、最高にまいったよね。(身を乗り出す)「霧」なんて詩があったでしょ。「霧がくる、。小さな猫の足つきで」って奴。」
「高田 あれもいいですね。ぼくは短い奴が好きだから。」
「松本 ああいうささやきみたいな叙情が下敷になってるんだよね、あの人の詩には。それでいて吐き出すような日常語でマッグとかマミーなんて詩を書いてみせるんだ。シカゴっていう大都市の片隅に置き忘れられたつぶやきってところかな、それも力強い雑草が吐いたようなね。」
*「風街」では松本の作詞とされている。
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2003.12.5.rev.2