魔法を教えて


1983年、山下達郎はfmのプログラムで、曲の製作過程をそのまま放送するという企画をもちました(録音は1982年)。
そこで、パートナーとして選んだのは大貫妙子でした。演奏は当時の達郎バンドです。
できた曲はとても出来がよく、その日のヘッドアレンジをほとんどそのままに歌詞だけを変え、のちに「big wave」となりました。
放送ではター坊の歌詞そして歌により、シュガーベイブ後日談とでもいうべき内容、仕上がりで、わたしにとっては最高の楽曲となりました。
間奏は「big wave」では達郎のギターですが、この演奏では野力氏のキイボードです。
この日の放送の最後で、ター坊が「これ、じぶんで使おうかな、詞。なんて、、、」といったのに対し、達郎が「きょ、曲はどうなの、曲は」「あ、あ〜、(沈黙)曲も」、、、
そんなやりとりもありました。

vocal:
大貫妙子
the band:
山下達郎、椎名和夫、伊藤広規、青山純、野力奏一


nhk fm「山下達郎ポップス講座 第5回」(1983.01.05.on air)

番組進行は達郎と遠藤京子。

「レコーディングの実際」ということで、作詞:大貫妙子、作曲:山下達郎、歌は23歳の新人歌手「ター坊」(実際は大貫妙子)という架空の設定。
ターゲットは大学生から社会人2年生位まで。

セールス目標は「新人としてはまあまあのデビュー」という設定での番組制作でした。(あまり関係ない感じでしたが)
製作は、曲が先、詞があと、という順番です。

達郎の作曲風景から番組進行します。

ピアノとリズムボックスでまず達郎だけで作曲を始めます。
aメロはマイナー7th(or 9th)とメジャー7th(or 9th)の繰り返し、サビはいわゆる循環コード。
スキャットでの作曲風景です。

「ピアノがあんまりうまくないもんですから、、」
とかいいながら。
ただ、曲はいきなり出来ていましたね。

その後、日音studioで達郎バンドでの音入れ。

野力氏がソロを担当します。
達郎の指示、
「ためたりくずしたりしないでon timeで」
グロッケンみたいな音は達郎のエレピです。

オケができたあと、ター坊が詞をもってきて合流。
「わたしを照らした、あなたの微笑み」の「微笑み」のところが「輝き」とどっちがいいか、というター坊に対し、達郎の「微笑み」がいいという意見で即決。

ター坊と達郎の会話がけっこうおかしい。
歌入れの時、「あなたの〜ほほえみ〜」のところメロディーをター坊が間違えてたのを、達郎が指摘。

「すみませんね。作曲しちゃって。」

一時間の歌入れのあと、ター坊、達郎、椎名和夫の三人によるコーラスのオーヴァーダブ
最後にトラックダウン。けっこう時間をかけてます。

終わった後の会話、

「大貫さん感想ををどうぞ」
「よくできました」
「よくやったよな。ほめてほしいよ、ほんとに」
「これ、じぶんで使おうかな、詞。なんて、、、」
「・・・」
「え、なに?」
「きょ、曲はどうなの、曲は」
「あ、あ〜、(沈黙)曲も」

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2003.8.23.rev.4