songs 
1975年発表、シュガーベイブ唯一のアルバム。
達郎のぶっきらぼうで奔放なヴォーカル、ター坊の孤独感を抱えた音楽性、上手くはないが疾走感のある魅力的な演奏、、、
このディスクは何度聴いたかわからない、わたしにとって最高の愛聴盤のひとつです。
1曲めの「show」や、シングル「down town」(銀次の歌詞も素晴らしい)、そして「今日はなんだか」にみられる達郎のひたすら前に進んでいくキラキラした感覚。
「蜃気楼の街」「風の世界」「いつも通り」でのター坊の孤独感と街を疾走するような感覚。
すこし斜に構えた村松氏の「ためいきばかり」。
達郎、ター坊、銀次の共作はほんとに「すてきなメロディー」だし、「過ぎさりし日々」のセンティメンタルな質感にはジーンとくるし、「sugar」のお遊び感覚も楽しい。
そして「雨は手のひらにいっぱい」はとりわけ素晴らしい*。
達郎の歌詞の良さ、曲の良さ、そして初期達郎のぶっきらぼうで魅力的なヴォーカルが印象的な作品です。
その後、達郎、ター坊をはじめ、このディスクに参加したメンバーのほとんどがプロとして音楽を続けていくことになるのですが、未完成ながらも若さ・勢いが込められ、メンバーのエゴがぶつかり合いつつ協同したこのデビュー作には「グループ」ならではの音楽が満ちあふれている気がします。
*ウォール・オブ・サウンドを意識したアレンジだと思いますが、あまり成功していません。しかしこれは最高の名曲です。今の達郎なら完ぺきなウォール・オブ・サウンドになるのでしょうが、そうならなかったからこそ「ヤング・ソウル」的な味わいのある曲に仕上がっている気がします(どうでしょう?)。
01.show
02.down town
03.蜃気楼の街
04.風の世界
05.ためいきばかり
06.いつも通り
07.すてきなメロディー
08.今日はなんだか
09.雨は手のひらにいっぱい
10.過ぎさりし日々('60's dream)
11.sugar
the group:
山下達郎、大貫妙子、村松邦男、鰐川己久男、野口明彦
●平田国二郎「「ショー」ではじまるこのアルバムは、聴きようによっては、その山下君と大貫さんの相聞歌のようにも思える。この大貫さんがウーマンリブなどとは口にしないが大変な自立心を持った人で、それは彼女が作りボーカルをとっている3曲の歌詞を注意深くみてもらえば、わかると思う。ロックで育った女の子なのだ。山下君も扱いかねているようなところもあって、そこらがとてもほほえましい。サウンドは、一部、通うけするような部分もあるが、メリハリも効いていて曲の構成も巧みである。カラっと仕上がっている。ボーカルが多少弱いような感じもあるが、何よりもベンチャーズから出発し、色んな音楽を聴いて成長してきた彼らの世代が感じられる。」(new
music magazine 1975.4)
●矢吹申彦「噂の若きシュガー・ベイブのデビュー盤。若いといっても、結成後、数年は経っている筈だし、百枚限定の自主製作のlpもある。実は、先日その自主製作のlpを手に入れて聴いたばかりで、録音は悪いが、徹底してビーチ・ボーイズに迫ったあたりは、やはり、ヤルナァと思わせたりして、さすが。さて、『ソングス』なんて、気取らない風をして、その実、凄いタイトルを付けてしまったアルバムだが、正直に言って、センスとアイデアは素晴らしく光っているが、完成度は低いなぁ、と言うのが第一印象。これは、プロデューサー大瀧詠一の甘い妥協が原因と見るが、どうか。それに演奏に各領域の重なりが少なく、サウンドが薄すぎる。又、大貫妙子の部分と、シュガーベイブらしさの空廻りも気になる。山下さん!センスでらしく終って満足せずに、クリエイターなら、完成度を高めなければ。もの凄い期待を隠して、苦言で終始したが。【81点】」(new
music magazine 1975.6)
●朝妻一郎「1975
わたしの選んだベスト・アルバムの一枚」に「songs」を選定。(new music magazine
1976.2)
●大貫憲章「メロディーと言えば、そう、曲の作りや流れと詞の流れとの見事な調和ぶりという点じゃ、シュガーベイブのアルバムは大変に素晴らしい。山下達郎くんと伊藤銀次くんのセンスは気持ちいいの一語。山下くんの曲作りやアレンジは、アメリカン・ポップスの受け売りと悪口言う人もいるけど、そんな風にしか見れない人は可哀そうだと思うね。そんなの関係ないよ。あのアルバムのオープニング・ナンバーの「ショウ」や2曲目の「ダウン・タウン」それにb面3曲目の「今日は何だか」なんて、ステキステキ。ぼくは、この初夏から秋口までの夕暮れ時をシュガーベイブと一緒に過ごすのが、一番の楽しみなのだ。」(new
music magazine 1976.7)
hirutanpage
2004.10.29.rev.5