第2回音協スターライズ・コンサート


「シュガー・ベイブの解散発表はいささか唐突に行なわれた。
2月24日、東京・赤坂の都市センターホールで開かれた第2回音協スターライズ・コンサート。
シュガーはこの日、センチメンタル・シティ・ロマンスと共に出演していた。
出番はシュガーが先だった。

演奏が始まってしばらくたってからのことだ。
ステージ中央に立っていた山下達郎が、その日のステージが最後になることを告げ、それに立ち会うことのできた聴衆を祝福したのだ。
山下は何でもないことのようにそれを行い、客席の反応は気にしないふうを装って、すぐ次の演奏にはいった。
でも、シュガーには、大貫妙子という素敵な女性がいたのだ(註1)。
彼女は歌えなかった。
ピアノに向い、客席に横顔を見せていた彼女の顔は、長い髪に隠れて、ほとんど窺えなかった。

しかし、彼女が、先の山下の発表に胸を詰まらせているのだということは、すぐわかった。
彼女はピアノに突っ伏してしまったのだから。
シュガーの他のメンバーたちは"しょうがねェな"、という表情を見せながら、"でも、これでいいんだ"という思いが、その時のシュガーにはあったように感じられた。
山下のそっけなさにはぐらかされていた客席も、このハプニングで、解散をきかされたあと持った感情を素直に出すことができたのだろう、拍手が起こった。
何とか歌い終ったあと、彼女は舞台のそでに駆け込んだ。

もちろんすぐ戻ったけれども。
そして、シュガーはアンコールに応えることもなく、消えた。
註1 笑うと目がなくなり、目尻に深いシワが刻まれて、実に愛すべき笑顔となる。)」
(工藤陽一、ミュージック・ラボ 1976.3.22 via 「all about niagara」)

「シュガー・ベイブが解散する。
その歯切れのいいサウンド、ポップなセンス、そしてなによりもステージでの爽やかな演奏態度に、すっかり魅せられてしまったファンも多く、またデビュー当初、"次の世代"のあらたな登場を聞く者に強く印象づけた彼らの"新鮮さ"を、3年あまりの活動を通してつねに失なうことのないグループだっただけに、その解散が惜しまれる。
メンバーの今後の動向はまだ明らかにされていないが、これからも見まもっていきたいところ。
なお、3月31日、荻窪ロフトでのステージが、グループとしては最後の仕事になる模様。」

(new music magazine 1976.4)

the group:
山下達郎、大貫妙子、村松邦男、寺尾次郎、上原裕

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2003.1.11.rev.0