クリスマス・コンサート
「開演から遅れてしまったうえに、途中から帰ってしまったぼくに、コンサート評をやる資格があるのかないのかわからないが、なにはともあれ印象に残ったことをメモしておこう。
このところぼくはずっとコンサート通いをしていないので、シュガー・ベイブのステージを見るのは、約3ヶ月ぶりのことである。
そんなぼくにまず目についたのは、今までの彼らのコンサートの場合とサウンドが大幅に変わっていたということである。
サウンドが変わったといっても、彼らの音楽の方向が変わったとか、アレンジが変わったという意味ではない。
ぼくは楽器やpaの技術の詳細についてはよく知らないので、はっきりココと指摘できないのだが、おそらくはpaからミキシングまでを含めて、各楽器の音の出し方に大きな変化が見られたのである。
これまで彼らのステージでの演奏はそれぞれの楽器の音が一つにならずに、平面上に一つに並んでいるだけという印象を少なからず与えるものだったが、今回はようやくサウンドが立体的に奥行きを持つようになってきていた。
特にパワーのあるドラム、ズーンと響くベース、シャープなリードギターの3人の音が、今までのコンサートとはすっかり違って聞こえたのがぼくには驚きだった。
以前からやってる曲については、アレンジも大幅に変えられていた。
だが、その多くはまだ十分に消化されていないような気がした。
彼らのようなタイプの音楽を最も魅力的にやるためには、スタジオ・ミュージシャン的な完璧なテクニックとプラス・サムシングが必要なようだ。
彼らにはサムシングはあるのだけれど・・・。
だからこの夜の演奏では、坂本君のピアノだけをバックに大貫妙子が歌った歌などのほうが、ぼくにはむしろ新鮮だった。
ゲストのセンチが、これまでぼくの知らなかったダイナミックなステージを見せたのも印象的だった。
いろんなことが変わりつつあるんだな。」
(北中正和、new music magazine 1976.2)
the group:
山下達郎、大貫妙子、村松邦男、寺尾次郎、上原裕
support:
告井延隆、坂本龍一
hirutanpage
2003.1.4.rev.0