BAMBOU(バンブー)

 

ゲンズブールの4番目の『妻』(正式には婚姻関係はなかったらしい)として有名になったBAMBOU。本名、カロリーヌ・フォン・パウロス。1960年にナチスの指揮官フォン・パウロスの甥と中国人の母の間に生まれる。パリでモデルをしていた1981年の春、ジェーン・バーキンとの離婚が成立したばかりのセルジュ・ゲンズブールと出会い、同棲生活を始める。

「彼女の首にはトゲだらけで、毒さえ混じっている首輪がかかっている」(『フィガロ』92年1月号より)

ジェーンとの別離でアルコール漬けの日々を送るセルジュの前に現れたバンブーもまた、麻薬中毒に苦しんでいた。傷ついた彼女を再生させるという役目を背負ったセルジュは同年、彼女の写真を撮り、『BAMBOU et les poupees』というタイトルの写真集を出版した。また、84年のセルジュのアルバム『Love on the beat』のタイトル曲ではバンブーのコーラス(というよりも呻き声)が収められている。

86年1月5日、バンブーとセルジュの間に男の子が誕生。セルジュは息子の名前を彼の本名と同じくLucienと名づけた。同年、セルジュは息子の誕生を歌った「Lulu」という曲をバンブーに歌わせ、シングルとして発表した(B面は「Shanghai」)。89年にはアルバム『Made in China』を制作。その中ではバンブーとの恋が物語風に綴られている。

しかし、89年、セルジュが肝硬変のため、肝臓の半分を切除するという大手術を受けた後、2人の関係は冷え込み、やがて別居することになる。

91年3月2日、セルジュと会う約束をしていたバンブーは、セルジュからの連絡がないことを心配し、彼の家を訪ねるが、何の応答もなかった。そこで彼女は消防車を呼び、家の窓を壊して寝室に入ったところ、セルジュはすでに息絶えていた。前夜はバンブーの誕生日を家族3人で祝ったばかりだった。

セルジュの死後、バンブーはカリブ海のマルティニーク島に息子のリュシアンと共に移住した。

 

★アルバム『Made in China』

1. Made in China

2. Ghetto blaster

3. Entre l'ame et l'amour

4. How much for your love baby?

5. J'ai pleure le Yang Tse

6. Hey Mister Zippo

7. Quoi toi moi t'aimer tu reves

8. China doll

9. Aberdeen et Kowloon

10.Nuit de China

1989年にフランス・ポリグラムから発売されたアルバム。バンブーにとってはこれが最初で最後のアルバムになる。音楽的にはセルジュの『Your under arrest』に似た雰囲気で、参加メンバーもほぼ同じである。コーラスで参加しているカーティス・キングJrとバンブーの掛け合いが楽しい「Ghetto blaster」「How much for your love baby?」など、全般を通して当時流行りのファンキーなダンスミュージック風に仕上がっていて、プロデューサーのビリー・ラッシュのギターも冴えている。9曲目の歌詞の中で、「mais dans ma jonque je chante gloomy sunday...」(でも私はジャンクの中で『暗い日曜日』を歌っている・・・)という歌詞があるが、「暗い日曜日」は実はセルジュも『Your under...』の中でカバーしているお気に入りの曲だったり、ラストに「Nuit de China」(中国の夜)を持ってくるあたり、『Your under...』で彼がエディット・ピアフの「Mon legionnaire」をカバーしたやり方に似ていたりして、構成の上でもこの2枚のアルバムは共通点が多い。欲を言えば、ゲンズブールとのデュエットを聴きたかったところ。
アルバムのジャケットに使われているバンブーがルシアンを抱いている2枚の写真は、チャイナ風に髪を結ったバンブーがとても美しく、歌の中で演じているアバズレ風の彼女のイメージからは想像がつかないほどだ。

※ 残念ながら本作はフランス・日本盤ともに廃盤になっているようなので、聴いて見たい人は中古で探してみてください。また、シングル曲「Lulu」はコンピレーション盤『Il les a fait chanter!』(パリの妖精たち)というアルバムのラストに収録されています。

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