Melting Snow

『もしもし?』
『斗真?何、どーしたの急に?』
『いや・・あのさ、明日空いてる?』
『明日?』
『明日・・夜に会えない?・・会いたい。』
『・・・ん。』
『じゃ、明日いつもの場所で待ってるから。』

彼女からの返事はなかった。

明日はの誕生日。

去年も一昨年も一緒に過ごせなかった。
それでも、あいつは「大丈夫」って笑ってた。


『寒ッ・・』
手に息を吹きかけた。
静にネオンが光る街を楽しそうに恋人たちが行き交う。


ふと との思い出が 頭をよぎる。

初めてを見たのは中3の時。
同じクラスの隣同士。
うるさい教室で静かに本を読んでた

「何、読んでんの?」

そう声をかけたのがきっかけだった。

「え?ああ〜。・・マンガ」
「マジで!?(笑)真剣な顔してるからてっきり難しい本読んでると思ってた」
「マジ(笑)」

カバーをはずし、マンガの表紙をちょこっと見せる。

「ああ〜それ俺も読んでる。えっと・・」
「ふふ。でいいよ。えっと・・生田くん」
「じゃ、俺も斗真でいいよ」
「・・じゃ、生田で(笑)」
「意味わかんね〜(笑)」
「だって呼びやすいんだもん」

それからすっかり意気投合した俺と

仕事で学校に来れない日が続いて、テスト前にいっつもに勉強教えてもらってた。

「生田、高校決めた?」
「ま、一応。」
「そっか」
は?」
「まだ悩み中〜」
、頭いいもんね。」
「どーだか(笑)」


はじめは「友達」としか見てなかったけど。
他の奴としゃべってるを見てなんだか腹がたつようになってきたっけな・・。

そんで、告白したんだよな・・。


付き合うようになって、は「生田」から「斗真」って俺のこと呼ぶようになって。

「斗真〜見てみて!!」
「ん?おおっ。ウエディングドレスじゃん・・。」
「キレイだね〜」
「そだね。」
「ねえ、斗真。いつか私にも着させてね?」
「何を?」
「これ!!」
「・・・・」
「ちょっと!なんでだまってんのよ!!」
「お前が着んの?・・似合わなそ〜。」
「斗真ーーーー!!!」

ささいな夢を語って 笑いあったあの頃。

「仕方がない。誰も着させてくれないだろうから、俺が着させてあげますか(笑)」
「うん!約束ね!」
「約束な。」



いつの間にか降り始めた雨は雪へと変わり街を雪色に染めていった。
かじかんだ手をポケットにつっこむと、へのプレゼントに手があたった。

『やっぱり・・来なかった・・か。』

空を見上げると、雪が静かに降ってきた。
斗真の目から涙がこぼれた。

キミがこないこともこうなることはわかってた。

ずっと前から気づいてた・・。この恋の結末に。

ただ 少しの希望にかけてみたかった。
もしかしたら・・。
そんなことを思ってた。


でも・・彼女が来ることはなかった。



あの日誓った約束は 今ではもう遠い記憶。

だけど、忘れてないよ。
同じ時を過ごしたこと。
もう2度もどれないあの時。
これからもずっと忘れない。

そしてまた・・雪が解け、春がやってくる。




「Melting Snow」 作詞・作曲 / 堂本光一


*END*



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アトガキ>>

光月、大好きな曲の1つ。
光ちゃんのソロでございます。
とってもせつない歌詞とメロディーが忘れられない(涙)

なんとなく斗真かな?なんて理由から彼が選ばれました(オイオイ)

2003.3.23  write by光月