第1章 平和憲法の運命を決める選挙です
〜 各党マニフェストを比較する 〜
最初に紹介する二党は、目標年次や手続きにまで踏み込んで憲法改正を公約しました。
自由民主党 http://www.jimin.jp/jimin/jimin/sen_syu43/sengen/09.html
「小泉改革宣言」宣言5 国の基本を見直します
●2005年、憲法改正に大きく踏み出します
2005年に自民党として「憲法改正草案」をまとめます。
九. 新しい憲法草案をつくる
・21世紀の新しい日本にふさわしい新憲法の草案を準備
●立党50年を迎える2005年に憲法草案をまとめ、国民的議論を展開する。個人のプライバシー、環境等新たな課題に対応するとともに誰もが自ら誇りにし、国際社会から尊敬される品格ある国家をめざし、あるべき国家についての理念を明らかにする。
●平和主義と基本的人権などの諸原則を踏まえ、「公共」の概念を国民全体で共有し、健全な常識が社会を律する国家の建設をめざす。
●憲法改正の具体的な手続きを定める「国会法改正」「憲法改正国民投票法」を成立させる。
保守新党 http://www.hoshushintoh.com/seisaku/to_seisaku.html
(5)21世紀日本の国づくりの基本となる新しい憲法をつくります
現在の日本国憲法が日本に殆ど発言権のない状態でつくられたことが、日本の自主独立の精神を弱め、日本のあり方を曖昧にし、日本人としてのアイデンティティーの喪失にもつながっております。21世紀日本の国づくりを進めていくには、広く国民参加の下に日本の歴史・伝統・文化を踏まえつつ、自らの国を守り、国際社会の責任ある一員として行動できる国づくりの根幹を成す憲法の制定が不可欠です。
新憲法の制定
2010年までに、21世紀日本の国づくりの根幹をなす新しい憲法の制定を目指します。
現行憲法の基本原理の維持・発展
現行憲法の基本的理念である国民主権、恒久平和主義、国際協調主義は維持・発展させます。
新憲法の主な課題
新しい憲法においては、緊急事態に対する危機管理体制の明確化、自衛隊の憲法上の明確な位置付けと集団的自衛権保持の明確化などを図るとともに、環境権やプライバシー保護の問題、世界有数の経済大国となったわが国の国際的責任と役割を明確にしていきます。
国民投票法の制定
新しい憲法を制定するため、現行憲法の改正についての国民の承認をうるための国民投票に関する諸手続きを定めた「憲法改正国民投票法(仮称)」の制定を図ります。
次の二党は「論憲」からさらに一歩先に進みました。「改憲」まではもう五十歩百歩です。
公明党 http://www.komei.or.jp/news/2003/10/24_07.htm
3、憲法改正問題
党内で「加憲」方式を検討対象に
○公明党の基本姿勢は、憲法のあり方について議論することを避けない「論憲」の立場であり、憲法は絶対に変えてはいけないとはとらえてはいないが、国民主権主義、恒久平和主義、基本的人権の保障の「憲法3原則」は不変のものと考えている。
○2002年の党大会では、「環境権やプライバシー権などを明記して補強する加憲を検討する時期にきているのではないか」としたが、衆参両院の憲法調査会で論議が進んでいる最中でもあり、党内論議を十分に行った上で、時期を見て、最終見解をまとめる。
民主党 http://www.dpj.or.jp/manifesto/03.html
憲法
「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という憲法の3つの基本理念を踏まえつつ、基本的人権の多様化、国際協調の必要性といった時代の要請にも即した憲法論議を積極的にすすめます。憲法を「不磨の大典」とすることなく、またその時々に都合のよい憲法解釈を編み出すのではなく、憲法が国民と国の基本的規範であることをしっかりと踏まえ、国民的な憲法論議を起こし、国民合意のもとで「論憲」から「創憲」へと発展させます。
国の政策は憲法にもとづいて行われます。私たちは、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という憲法の3つの基本理念を踏まえつつ、基本的人権の多様化、国際協調の必要性といった時代の要請に即した憲法論議を積極的にすすめます。地方分権に伴う中央政府と地方政府の関係再構築、環境権、知る権利、プライバシー保護など基本的人権の多様化、首相のリーダーシップ強化や国際協調、国際協力の必要性の高まり、安全保障問題などのテーマについて、時代の要請に応じた視点で、政権担当期間中に憲法論議と憲法にもとづく政策の創造的発展に努めます。憲法を「不磨の大典」とすることなく、またその時々に都合のよい憲法解釈を編み出すのではなく、憲法が国民と国の基本的規範であることをしっかりと踏まえ、国民的な憲法論議を起こし、国民合意のもとで「論憲」から「創憲」へと発展させます。民主党は、有権者から負託された政権において、全議員が一致して、約束を誠実に実行します。
次の二党は護憲を明確に打ち出しています。
日本共産党 http://www.jcp.or.jp/seisaku/2003/0310senkyo-seisaku2.html
憲法改悪に反対し、現行憲法をまもる
小泉首相は、自民党の結党50周年にあたる2005年11月までに憲法「改正」案をまとめるよう指示し、それ以前にも、改憲のために必要な「国民投票法」を制定すると明言しました。ときの首相が、改憲のための具体的な日程や段取りを指示することは、憲法制定以来はじめてのことです。
自民党の改憲のねらいははっきりしています。これまで、「戦争はしない、軍隊はもたない」と決めた9条の解釈をねじ曲げて、“自衛隊は軍隊ではない”“自衛隊は海外に行くが、戦争行為はやらない”といいわけをしてきましたが、もう、それだけではアメリカの注文に応じきれなくなったからです。9条そのものを変えて、海外で気がねなしに戦争ができるようにする――ここにいちばんのねらいがあります。
日本共産党は、現憲法のすべての条項を厳格にまもり、とりわけ平和的・民主的条項を完全実施することを要求しています。いまの憲法は――主権在民、戦争の放棄、国民の基本的人権、国権の最高機関としての国会の地位、地方自治――という大事な原則に立っており、この原則を政治・経済・外交・社会のすべての分野で生かす立場から、憲法改悪にきっぱり反対します。
とりわけ憲法9条は、日本国民が世界にほこる「平和の宝」です。アメリカの「一国覇権主義」の横暴勝手から国連の「平和のルール」をまもるうえでも、日本をアジアと世界の平和に貢献する国にするためにも、憲法9条の役割はますます重要になっています。「海外派兵国家」の道をひた走る小泉内閣の暴挙に、アジアをはじめとする世界中の世論が、かつての日本軍国主義による侵略戦争・植民地支配と重ね合わせて、「日本は、戦争をしないと誓った自国の憲法に反する道を歩んでいる」と痛烈に批判しています。
日本共産党は、戦前の侵略戦争と植民地支配に命がけで反対をつらぬいた日本で唯一の政党です。こうした歴史と伝統をもつ党として、憲法改悪の計画を中止させるために全力をつくします。
社会民主党 http://www5.sdp.or.jp/central/topics/03sousenkyo/hazime.html
社会民主党は、旧来型の自民党利権政治と小泉構造改革路線のどちらでもない、これらへの対抗軸として、新たな社会への変革を提言します。そして、目指すべき新たな社会の基礎に、平和主義・国民主権・基本的人権の尊重を理念とする日本国憲法を置きます。
憲法の前文は、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とうたっています。平和のうちに生存する権利=平和的生存権は、不戦・軍備の不保持を明確にした第9条とあいまって、20世紀の二度にわたる大戦という大きな犠牲の上に獲得された人間の英知であり、すべての基本的人権を保障するための最も根源的な権利です。
第2章 自衛隊のイラク派兵への方針を見分ける
〜 「国連の旗の下に」に気をつけよう 〜
各党のイラク問題への対応を見分ける際のポイントになりそうなことを書いてみます。
1.米英のイラク攻撃に対する評価が書き込まれていますか?
2.米英によるイラク占領に対する評価が書き込まれていますか?
3.米英占領下での自衛隊のイラク派兵に対する姿勢が書き込まれていますか?
4.国連やイラク人の手による政府から自衛隊派遣要請されたときの対応について書き込まれていますか?
5.イラク復興支援のあり方について、支援の分野・方法まで踏み込んだ提案がされていますか?
6.イラク復興支援に言及する中で、エネルギー安全保障に言及していますか?
7.イラク復興支援で税金を投入する範囲について言及がありますか?
8.「平和協力」なる美名で、自衛隊の海外派兵法(恒久法)づくりが提案されていませんか?
9.イラク問題と北朝鮮問題の比率で、後者に偏重した政策になっていませんか?
自由民主党 http://www.jimin.jp/jimin/jimin/sen_syu43/sengen/07.html
日米同盟を基軸に国際協調を重視しつつ、イラク・アフガニスタン復興支援、人類共通の敵であるテロ撲滅等、国際社会と協力した平和外交を推進する。
解説・自民党重点施策2004「日本の再生と発展をめざして」 からも紹介します。
イラクの復興については、通常国会でイラク人道復興支援特措法を成立させました。イラクへの自衛隊派遣については、現地情勢の把握に努め、自衛隊員の安全に十分配慮しながら派遣を検討していきます。
わが国としては、国際社会に貢献するため、PKF本体業務の凍結解除を行いましたが、今後は、テロ対策特措法やイラク人道復興支援特措法といった国際協力のための臨時法(特別立法)ではなく新たに恒久法を作成して、より安定した安全保障環境の構築に積極的に貢献していきます。
民主党 http://www.dpj.or.jp/manifesto/03.html
戦闘が続くイラクへの自衛隊派遣は行わず、イラク特措法は廃止を含め見直しを図ります。被災したイラク国民に対して、医療・教育・経済分野等の人道・復興支援について積極的にとりくみます。イラク国民による政府が樹立され、その要請にもとづき安保理決議がされた場合には、わが国の主体的判断にもとづいて憲法の範囲内でPKO、PKFの派遣基準を緩和し、自衛隊の活用も含めた支援にとりくみます。
[3] 改めてイラクへの復興支援のあり方を見直します。
米国等のイラクへの武力行使は、国連憲章など国際法に違反するものであり、容認できません。戦闘が続くイラクへの自衛隊派遣を規定しているイラク特措法については、戦闘地域と非戦闘地域との区別もつかないこと、実質的に米英軍による戦闘・占領行為を後方支援することになることなどの観点から、これに基づく自衛隊の派遣は行わず、廃止を含め見直しを図ります。しかし、政権崩壊に至った現状の下、被災したイラク国民に対して、医療・教育・経済分野等の人道・復興支援については、積極的に取り組みます。すみやかにイラクに主権を委譲していこうという国連等の取り組みを支援し、復興支援を目的とする国際的な取り組みに対しても、その拠出先・使途・運用などに照らした適切な財政支援を含め、積極的に関与します。イラク国民による政府が樹立され、その要請にもとづき安保理決議がされた場合には、わが国の主体的判断にもとづいて憲法の範囲内でPKO、PKFの派遣基準を緩和し、自衛隊の活用も含めた支援に取り組みます。
民主党政策集―私たちのめざす社会― からも紹介します。
イラク戦争
民主党は、イラクの大量破壊兵器開発問題について、国連安保理等を通じた国際協調体制が重要であり、武力行使によらない平和的解決を訴えてきました。イラクに対しては、累次の国連決議の履行、特に大量破壊兵器の完全廃棄を強く要請し、米国等に対しても、国連憲章に定める武力行使に関する国際法の原則に基づき、単独主義的な行動の自制を促しました。2003年3月、米国等が国連安保理での問題解決を放棄し、武力行使に至った際、国連憲章など国際法に照らし問題があるとして、民主党は対イラク攻撃に反対しました。ただし、戦争が事実上終了し、政権崩壊に至った現状においては、被災したイラク国民に対して、人道的見地から、医療・教育・経済分野等において積極的な復興支援を行うべきと主張しています。
イラク特別措置法
民主党は、与党に先駆けて派遣した民主党イラク調査団の報告も踏まえつつ、現地ニーズ、占領軍への協力という性格や海外での武力行使の可能性といった憲法上の問題、対イラク・中東政策に関する戦略性等の総合的観点から検討した結果、イラク特措法について、自衛隊の活動に関する項目を削除した修正案を衆議院に提出しました。また、対イラク攻撃支持の根拠とした大量破壊兵器が発見されず、米英両国での情報操作疑惑が深まる中、参議院においては関係大臣等の問責決議案を提出するなど、廃案を目指した取り組みを強化しました。米兵を狙った襲撃などが絶えず、「戦闘地域」と「非戦闘地域」を峻別することが困難であるほか、連合国暫定統治機構(CPA)と統治評議会の関係に関する問題等、民主党は、特別委員会等の場で自衛隊派遣にまつわる問題点をあげ、政府提出法案に反対しました。しかし、現在議論されている国連によるイラクへの速やかな主権委譲の努力や人道・復興支援活動は重要であり、積極的に関与します。また、イラク国民による政府の要請に基づく国連決議によって多国籍軍が編成された場合には、憲法の範囲内で支援活動に取組みます。
公明党 http://www.komei.or.jp/news/2003/10/24_07.htm
1、イラク問題
人道面を中心にイラク復興支援を積極的に
○イラクへの復興支援は国連決議に基づく要請であり、わが国も、先に成立した「イラク復興支援特別措置法」を軸に、イラクの「平和と安定」へ向けて、人道支援、技術支援、インフラ整備等、積極的かつ重層的な対応をしていく。
○自衛隊の派遣は、戦闘地域と一線を画した地域での活動であり、現地の治安状況など政府の調査報告を分析し、その時期、活動内容、活動地域等について十分に見極めて判断する。
○イラクへの当面の15億ドル支援は、国連決議に基づく、わが国相応の負担であると考える。また、その支援金は米英など特定国ではなく、世銀・国連その他の機関によるイラク人道信託基金へ拠出するもので、イラク国民の生活基盤再建のため、電力、教育、水・衛生、保健、雇用等、わが国が指定した使途に限定して支出されるものである。
日本共産党 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-10-09/00_01.html
(1)イラク派兵に反対し、「海外派兵国家」の仕組みづくりをやめさせる……アメリカの不法なイラク占領支配を支援するために自衛隊派兵を強行すれば、イラク復興支援に結びつくどころか、混乱をさらに長引かせ、日本はとりかえしのつかない道に足を踏み入れることになります。イラクへの自衛隊派兵はきっぱり中止すべきです。アメリカの占領費負担もやるべきではありません。
日本共産党は、憲法9条をまもる立場で、「海外派兵国家」の仕組みづくりをやめさせ、有事法制・海外派兵法の発動を阻止するために、国民のみなさんとの共同をつよめます。
(2)国民の利益と世界の公理にかなった自主外交に転換する……イラク戦争は、国連の「平和のルール」にたいする正面からの挑戦であり、破壊です。アナン国連事務総長も、米英の先制攻撃を「国連憲章の原則への根本的挑戦」だと批判しています。巨大な軍事力にものをいわせるアメリカの横暴勝手な世界戦略を許さず、「国際紛争の平和的解決」「武力の行使・威嚇の禁止」という国連の「平和のルール」にそった国際秩序を築き上げる課題は、国際政治と国際世論が直面する重要課題です。
日本共産党は、国連憲章の「平和のルール」をまもり、自民党政府の「アメリカいいなり」の外交から、日本国民の利益に立った自主・平和の外交に転換します。
〈11〉イラク派兵と先制攻撃戦略への参加に反対する
(1)自衛隊の海外派兵に反対する
小泉内閣は、アメリカのイラク戦争に、世界中のきびしい抗議の声を無視してまっさきにもろ手をあげて賛成し、国民の反対の声を踏みにじって、自衛隊をイラクに送り込む法律を強行しました。米英の軍事占領にたいするイラク国民の不満と怒りが日増しに高まり、占領政策そのものがゆきづまり、戦争の口実とされた「大量破壊兵器」も見つからず、米英国内でも疑問と批判が大きくなっているいま、この法律を発動して、戦後はじめて地上軍を外国に派兵しようとしています。
アメリカのイラク占領に自衛隊を送り込むことは、イラクの復興に結びつくどころか、混乱状態をいっそう深刻にし、イラク国民をますます苦しめるだけです。さらに、わが国もまた、無法な占領支配の共犯者として、アラブ・イスラムの人びとの全体を敵にまわすなど、とりかえしのつかない道に踏み入れることになります。小泉首相が、「殺し、殺されることがありうる」とのべたように、イラクの民衆に発砲し、自衛隊員が殺されるということが現実になる危険もあります。憲法9条とあいいれないことは明らかです。イラクへの自衛隊派兵はきっぱり中止すべきです。
数千億円から1兆円にのぼるといわれる巨額のイラク占領費の負担はやめさせます。
日本共産党は、アメリカの戦争に自衛隊を参戦させ、国民を罰則つきで強制動員する有事法制や海外派兵法の発動を阻止し、自衛隊のイラク派遣を具体化させないために、広範な国民のみなさんと共同を広げることに力をつくします。
社会民主党 http://www5.sdp.or.jp/central/topics/03sousenkyo/s3.html
[3]軍事行動を目的とする多国籍軍等への自衛隊の参加は、憲法が禁じる武力行使そのものであり、強く反対します。
[4]イラクへの自衛隊派遣に反対し、自衛隊の海外派兵のための恒久法の制定に反対します。
保守新党 http://www.hoshushintoh.com/seisaku/to_seisaku.html
イラクの復興支援
イラクへの政府調査団等の調査に基づき、日本にふさわしい協力のあり方を決定するなど、米英の同盟国として支援・協力する体制を早急に整えます。
第3章 二大政党で少数意見はどうなるの?
〜 衆院比例80議席削減で起こること 〜
定数80削減時の議席配分シミュレーションに数値の誤りがありましたので訂正しました。謹んでお詫び申し上げます。
民主党の「マニフェスト」 <「脱官僚」宣言 民主党 政権政策> に
4. 国会議員の定数と公務員の人件費を、それぞれ1割削減します。(4年以内)
とあります。 http://www.dpj.or.jp/manifesto/01.html
詳しくは、こちらにありますが、大事なことなので引用します。
[2] 一票の格差是正をめざすとともに、
衆議院の議員定数を80議席削減します。
勾留中の国会議員について、歳費等の支払いを凍結し、有罪判決が確定した場合にはこれを支払わないことを内容とする改正案を提出し、成立を期します。衆議院小選挙区の一票の格差是正をめざすとともに、衆議院比例議席定数を80議席削減する法案を国会に提出します。平成16年中に法案を提出した上で、与党として各党会派に呼びかけ、国民監視のもとでの議論による合意を図り、実施に移します。
衆議院のブロック比例の定数を今の180議席から100議席に減らそうという民主党の政権政策。これが実現した場合、国会の姿はどうなるのでしょうか?
3年前の総選挙の得票数をもとに、ブロック比例の定数が100となった時の国会の勢力をシミュレーションしてみました。
<前提条件>
1.比例100議席を1995年国勢調査人口(要計表)をもとにブロックごとに配分しました。配分方法は、わが国が採用している「最大余剰法」(日本の全人口を比例代表の全議員定数で割って得た値で、各ブロックの総人口を割る。得られた値で整数部分をまず議席配分する。最後に余った議席を、小数点以下の大きい順に割り当てていく。)を用いました。
2.得票数は、2000年総選挙の各党の得票数を使用しました。そして、ドント式を用いて議席数を確定しました。ただし、自由党と民主党の得票数は、小選挙区、比例代表とも合算しています。
3.2000年総選挙以降の環境変化は、民主・自由両党の合併効果を除いて考慮していません。
下表がその結果です。
衆議院ブロック比例代表
定数100のときの政党別議席配分(2000年得票数)
1.自民党が過半数に迫っています。2000年の総選挙では過半数に8議席足りなかったのですが、この試算ではあと2議席で過半数です。民主党+自由党合併効果で小選挙区で11減らしたにもかかわらずのこの結果。比例の4割強の削減がいかに大政党に有利に働くかを示しています。
2.民主党は政権を奪取できません。2000年の総選挙は、内閣支持率が低迷していた森内閣のときに行われ、民主党には追い風が吹いていました。その獲得票数で計算しても、なお、政権には遠く届きません。
4.以上から、民主党の衆院比例定数の80減案とは、自民党の延命に手を貸し、少数意見を国政に反映させる道を閉ざすものと言えます。民主党はこれを4年以内に実現させると、政権政策で明言しました。したがって、民主党が政権の座に着いたら、必ずこれは実行されます。
経済同友会は、昨年(2002年)10月22日に出した提言「首相のリーダーシップの確立と政策本位の政治の実現を求めて」で、「各政党は政権政策(マニフェスト)を示して総選挙を戦う」「真の政権交代を可能とする『単純小選挙区制』を導入する」ことを各政党に求めました。
第4章 政党で選ぶ? それとも候補者個人で選ぶ?
〜 「だまされた!」とならないための判断方法は 〜
これはよく問題になるテーマだと思います。
「この政党は支持しているんだけど、この人はどうも好きになれない」ということや、その逆は、あると思います。政策に賛成かどうかと、その候補者に好感が持て
るかどうかとが一致しないことは、人間だからこそあり得ます。
ですが、政党が掲げている公約と立候補者個人のいうこととが違っていたら、これはどう考えればいいのでしょうか? これは、上のこととは全く話が別です。なぜ
なら、先に党内で話し合って方針を決めたものが公約であるのに、有権者の前で違
うことを言ったら、どちらかに対して責任が取れないからです。
そんなとき、どっちを信じて投票したらいいのか。判断に失敗しないためにおそらく一番いい方法は、その政党が、過去にいろんな法案に対してどういう態度を取っ
たかを見ることです。それをみるとわかりますが、政党は普通、一つの政策に対し
て賛成か反対かを党として決め、議員個人が勝手な判断をすることを許していませ
ん(党議拘束)。いろんなことを言う議員が一つの政党にいても、採決の時には一致した態度を取っています。
その実績を見れば、議員個人が違うことをいっていても、実際の採決ではどうする
かが想像できるのではないでしょうか。
「でも、この議員を当選させれば、その政党がいっていることの歯止めになってくれるんじゃないかなあ。もし歯止めになる議員を当選させなかったら、もっと大変なことになると思うよ」
その可能性もないとはいえませんが、普通、私たちが候補者に入れた一票は、その政党の公約や、法案に対する態度を支持するという意味に取られます(少なくとも、いままでの法案に対する態度は支持が離れるほどまずくはなかった、という証拠になります)。党の公約を掲げて当選した議員は、歯止めよりもむしろ、その公約を誠実に実行することが、支持してくれた人への責任であると考えられるのが当然です。
ですから、ある候補者を支持できるかどうかは、その候補者が政党に属している場合には、その政党が過去の法案にどういう態度を取ったか、今回の選挙の公約でなんといっているか、で判断するのがいちばん失敗しない方法だと考えられます。
ここでは、それを調べるためのサイトをいくつかご紹介します。
参考ページ:
第5章 この制度で自分の一票を生かすということ(いわゆる「死に票」について)
〜本当の民主主義、選挙制度のありかたを考えていくために〜
自分が投票した票が意味あるものであってほしい、というのは、投票する人の共通の思いでしょう。しかしいまおこなわれている「小選挙区制」という選挙制度では、一つの選挙区で当選する人は一人だけ。そのため、トップの候補者が低い得票率で当選した場合は、大量の、いわゆる『死に票』がでます。
1996年の衆議院選挙では、有効投票数のうち、『死に票』が70%をこえた選挙区は10にものぼり、中には78.5%が『死に票』になったところもあるそうです。
また、ある程度高い支持率のある政党であっても、どの選挙区でも一番になれなかった場合は議席が全く取れないことになります。
このやりかたでは、「投票に行っても無駄」という感じが強くなり、投票率が低くなります。さらに、投票する人には、『死に票』を避けるという選択の動機が強く働くことになります。
「一番いいと思う政党はある。でも、その党の候補者が当選に届くとは思えないのにその人に投票するのは無駄にしかならない。当選に届きそうな人の中からいいと思う人に投票する」
「どうしても当選して欲しくない人が当選しそう。仕方がないから、当選圏に
いる人の中で少しでもましだと思う人に投票する」
このような投票行動に出る人が多いのもうなずけます。けれど、支持できる人ではなく当選しそうな人を選ぶという行為は、私たち自身が自分から、少数意見を見限って、多数意見の中のどちらかを選ぶことを意味しています。
せっかく政策の選択肢があるのに、中身でなく少数であるという理由でその選
択肢を切り捨てて、多少合わなくても2大政党の中から選ぶという行為をして
いることになります。
(もしも今後、たとえば比例代表選挙の議員定数が減らされて、いまよりも小選挙区制に偏った選挙法になれば、大政党2つを残して、あとは殆ど議席を取れなくなります。そうなったら次は、「議員が○○人以上いない政党は、政党とは認めない」などという法律ができるかもしれないのです(政党法)。そうしたら本当に、2つの大政党以外は殆ど存在できなくなって、自分の意見と合う政策が行われる可能性は閉ざされてきます。その方向に自分から入りこんでいくことは、そういう未来を準備することになる気がします。)
ですから、『死に票』を避けるために投票する候補者の政党が、『死に票』が少なくなる選挙制度をめざしているなら矛盾はないかもしれませんが、もしその反対なら、そこに投票することは長い目で見れば、自分の本心の1票を、ずっと『死に票』にし続けることを意味するでしょう。
「自分の1票が意見として反映されて欲しい」という当然の願いは、『死に票』を避けて投票することによってではなく、票が反映されるような選挙制度にすることによって実現されるべきことです。
「政権交代を狙うならきちんと政策協定してから」
また、「はじめに多くを求めるのではなく、とにかく政権交代を」と考えて大きい野党に投票するということもよく聞かれます。まずそうすることが、自分が望む政策が行われることに近づく、初めのステップだと考えてのことだと思います。
しかし、肝心のその大きい野党は、自分が支持できると思うほかの野党と、政策協定を結んでそれを有権者に示し、判断材料として提供しているでしょうか。もしそうでないなら、一票を投じた相手から裏切られる可能性が高いことを考慮しておく必要があります。ただ自分が勝手に期待して投票するだけでは、その方向にすすむ保証は全くありません。過去の実例にもあるように、選挙後に現与党と手を組む可能性だってあるし、もっと別の、望まない方向へのステップである可能性も高いのです。
ところで、自分が投票した候補者が当選しなかった時、その票の力はゼロなのでしょうか。これは、もう少し考えてみる余地があると思います。
たとえば、どの政策がどれだけの有権者に支持されたか、また支持されなかったかを立候補者たちに知らしめることは、無意味ではないのではないでしょうか。当選しなかった他候補に投じられた有権者の思いは、実は当選した候補者のその後の政策にも、影響を与えるのではないでしょうか。
そしてもうひとつ、議席に結びつかない有権者の思いがどれほどあるかという数字は、この選挙制度の理不尽さを、雄弁に物語るのではないでしょうか。
そう、その票は、死んでいるのではなく、本当のことを伝えていると思います。
今はまだかろうじて多数の政党があり、かろうじて個人でも立候補できる時代です。私たちにはまだ、かろうじて選択肢が与えられているのです。この選択肢を自分から捨てるのではなく、自分の票に、自分の思いを雄弁に語らせることを、私たちは試みるときではないでしょうか。本当に自分の票を生かすとはどういうことなのか、考えるときなのではないでしょうか。
資料:
小選挙区制のマジック
<現政権は、どれだけの国民から信任を得て成立したのか>
自民党の小泉純一郎代議士が、首相になる資格を獲得した選挙は、
2000年6月の衆議院選挙ですが、
この時点での自民党の支持率を、
仮に比例代表選挙の得票数でみてみると、16,943,425票で、
有効投票総数 59,844,601票のうちの 28.31%です。*1
これは、有権者 100,492,328人の何%かというと、*1
わずか 16.86%になります。
*1)第42回衆議院議員総選挙結果 (総務省HPより)
http://www.soumu.go.jp/news/000625a.html
ちなみに、赤ちゃんまで入れた国民の総数は、126,925,843人ですから、*2
この中でみれば自民党に投票した人は 13.35%です。
このわずかの意思に基づく政権が、すべての国民、日本で暮らす人の生活に
否応なく影響を与えるのです。
*2) 2000年の人口 (国勢調査より)
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2000/kakutei/index.htm
政党法について、1984年に甲府市議会で行われた議論から
http://www.city.kofu.yamanashi.jp/gikai/gijiroku/1984/8406_t/840702.htm
ところがいま自民党が公金による政党への援助を行うため政党を法的に公認するなどを口実に制定を目指している政党法は、政党の定義や要件を定めることによって特定の政党を排除、規制することをそもそもの本質としています。
すでに作成された自民党の政党法要綱――吉村試案と申しますけれども、この要綱においても政党を法的に承認する要件として革命の防止に役立つこと、所属国会議員数35名以上、または一定の得票率以上であることなどを挙げ、さらに特殊目的や利益の達成を意図する結社は政党でないとするなど、二重三重の政党を規制する重大な内容を含んでおります。