イギリス園芸視察報告
9月8日







 今日はThe Cider Houseを出発する日です。5、6、7日と、それぞれ1泊ずつのB&Bで・・・毎日移動が大変でした。

 朝7時15分に目が覚め・・・荷物をまとめて、スーツケースを車に積み込んだのが7時40分。

 この時の気温は・・・なんと5℃。寒いです。車のドアが・・・冷凍庫で凍らせたように冷たくなっていました。

 9月に入ったばかりですが・・・朝の気温はこんなに低いのです。日本では・・・猛暑が続いていると、メールで知りました。

 



 朝食は8時から始まり・・・9時前にB&Bをチェックアウトして出発しました。

 今日もものすごい大移動です。旅も終盤で・・・ロンドン方面へ向かいます。

 3時間を予定していますが・・・今日は直接B&Bに行くのではなく・・・Garden&Nurseryを1つ寄ってから・・・B&Bへ移動することになっています。

 果たして無事、たどり着くことが出来るでしょうか・・・。



 出発して2時間30分ほど経って、かなり近い場所までやってきました。

 この間、ずーっと運転し続けで・・・しかも時速150kmで走っているので、心まで疲れてきます。アクセルを踏む足も疲れてきたので・・・休憩を入れました。ガソリンも入れて・・・昼食。Little Chef(まぁ、ファミレスみたいなもんです)で、ベジタリアンメニューを注文しました。

 約1時間ほど休憩して・・・出発です。



 かなり近い場所まで来ました。ここからは・・・注意深く周りを見ながらの運転になります。

 鬱蒼とした道路を通り・・・広大な畑の中を通り・・・

 

迷わずに、やってくることが出来ました。重厚な感じで・・・歴史があります。


 

ここが、今日の目的でした。The Place For Plantsというところです。ガーデンとナーセリーが一緒になっています。


 このThe Place For Plantsは、草花のガーデンではなくて・・・樹木のガーデンです。デンドロニストにはたまらなく興奮する場所です。

 早速中に入って見ます。

 

 樹木園だけあって・・・すばらしい樹木がたくさんあります。日本では、小さな苗木でしか手に入らない樹木が・・・ここでは大木になってお出迎えです。

 歴史を感じる・・・と書いたのは、ここにあります。即席ではなく、時代と共に歩んできた樹木がここに、生き生きと育っています。

 これは・・・Heptacodium miconioides(スイカズラ科)

 1属1種の植物で、中国に分布しています。夏から秋にかけてが、開花の時期で・・・とてもよい香りがあります。

 花後に、ガクが残り・・・これも観賞価値があります。

 とても魅了ある樹木です。


 続きましては・・・遠くから見ると、何にも変わったことは感じられないかもしれません。また、葉ばかりに注目していたら、そのまま通り過ぎるかもしれません。

 ところが・・・幹に注目してみると・・・・

 樹皮が紙のように剥がれているのがお分かりでしょうか?

 Betula nigra ‘Wakehurst Form’(カバノキ科)

 シラカバの仲間です。Betula属の植物の中には、数種、このように樹皮が剥がれるものがあり、幹に観賞価値を持っています。同じく、Acer属(カエデ属)の中にも、このように樹皮が剥がれるものがあり、人気です。

 こういった樹木は、こちらイギリスでは重要なウィンターガーデン素材で、庭に好んで植えられます。落葉にした時、幹に観賞価値をもつ植物を植えることで、違った華やかさの演出をすることができます。

 日本では、園芸といえば「花」。日本でも、最近はカラーリーフプランツという言葉が用いられ、葉を鑑賞する植物が出回ってきましたが・・・イギリスでは、樹皮を(幹を)鑑賞するところまで来ています。

 日本で使われるウィンターガーデン素材といえば・・・樹木ならサンゴミズキ(Cornus)でしょうか。


 一通り、樹木園を歩いて・・・プラントセンターに入りました。

 

 入ったところは・・・正面ではなく、裏からでした。

 手前にある石の階段を見てください。苔むしています。

 長い年月が経っていることが分かります。

 こういう重みのあるナーセリーは、日本ではなかなか見つけることが出来ません。

 日本でも、昔ながらの園芸店は、いくらでもありますが・・・このようにキレイなところはあまりないかもしれません。


樹木園があるだけあって、樹木は豊富に揃っています。特にPrunus属(サクラの仲間)とMalus属(リンゴの仲間)は豊富に揃っていました。

 樹木園で見つけたものを1つ紹介しておきましょう。

 

 プラスティックのバンドが付けられた、木の棒があり・・・このバンドで樹木が留められています。

 樹木の幹の太さによって、自由自在にバンドが変えられます。

 この下には、かん水用のパイプが渡され、ポットの中に確実に水が届くようになています。

 イギリスは、庭作りだけでなく、こういった販売の方法までじっくり考えれらています。こういった方法は、日本でも十分できるので、今後取り入れていくべきものだと思います。

 初期投資はいるかも知れませんが・・・植物が転がったり、水が届かなかったりで枯れてロスが出る率は少なくなるでしょう。そのことを考えれば、最初にこういったものを作る方が賢い方法だと思います。

 ちなみに・・・ここに写っている樹木は・・・Prunus serrula(バラ科)

 これもウィンターガーデン素材で・・・幹が非常に美しい植物です。


その他・・・Malus属の樹木もコレクションが多く・・・面白いものもあります。

 

 左が・・・Malus ‘Adirondack’

 右が・・・Malus transitoria。こちらは紅葉が始まってきれいな色が出ています。

 どちらも葉の形が面白いですね。リンゴのお仲間とは思えない葉の形です。

 こういった樹木の素材がたくさん手に入ります。

 本当にうらやましい。日本では、おそらく手に入らないでしょう。

 みな、180cm近くある樹木で・・・7号ポット程度の大きさで販売されています。平均£20で・・・4000円もしない計算になります。
 安いし、種類があるし・・・・困った困った・・・どうしましょう。


 今度はシェードコーナーです。

 

 実は・・・ブドウ棚の下に、シェードコーナーが作られています。このブドウも・・・銅葉の品種、葉の形が面白いもの・・・など、Vitis属のコレクション兼シェードの棚なのです。

 もちろん冬は落葉して・・・サンサンと太陽の光が降り注ぐようになっており・・・実にすぐれた棚となっています。

 HostaHelleborusなどが販売されています。


 こんなのも見つけました。

 Ceratostigma willmottianum ‘Palmgold’

 属名だけではピンと来ない方のために・・・・これは日本では、ブータンルリマツリという名前で売られています。実にメチャクチャな適当な名前です。こんな名前で呼ぶのはやめてあげましょうね。
 今日からは、属名で呼びましょう。

 キレイな黄金葉です。この黄色い葉に・・・ブルーの花が咲くので・・・コントラストは鮮やか。

 






 たっぷり楽しんで・・・そうですねぇ・・・2時間30分ほどいたでしょうか。

 それから・・・ちょうど近くで開催されていたアンティークフェアに寄って・・・それからB&Bに向かいました。

 



 今日のB&Bは、The Old Guildhallというところです。

 少し道が分からなくなったのですが・・・近所の人に聞いて、解決しました。

 どのB&Bも不便なところにあります。

 

 画像を見てお分かりでしょうか・・・。

 天井がものすごく低く・・・頭すれすれです。こんな背の低い私でギリギリですから・・・こちらの人は大変でしょうね。




 B&Bについて・・・それから近所をお散歩してみました。秋の夕日に照らされて・・・どのお庭もきれいに輝いています。

 

 このパンパスグラスの穂を見てください。一体、何本の穂が上がっているのでしょう。

 家の周りは、Irex(ホーリー)の生垣でした。そういえば、日本ではホーリーの生垣をみませんねぇ。

 葉が尖っているので、防犯上有効ですし、なんと言っても、葉に斑が入っていたり・・・赤い実がなるので・・・1年を通して楽しむことが出来ます。

 こういうアイディアって・・・なぜ日本では実現されないのでしょうか。



 

 



 今日もよく走りました。

 345.6km走りました・・・。ものすごい距離ですね・・・・。

 
 

 この地域は・・・ベスチャトーガーデンに近く・・・今年もベスチャトーへは足を運んで見たいと思います。

 またその様子はアップできるでしょう。