イギリス園芸視察報告
9月12日






 予定通りのフライト時間で・・・朝9時に到着しました。

 9時25分に飛行機から降りて・・・

 アッチィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!暑いよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

 なんだ?このじっとりする暑さは・・・・。

 



 到着ゲートで、預けたスーツケースを受け取り・・・何も申告するものはないので・・・さらっと終わりました。

 ここから1時間半かけて・・・家まで帰ります。電車に乗って・・・。

 



 11時30分前に家に着きました。

 家に帰るまでが・・・イギリス旅行なので・・・無事到着してよかった。これから現実生活に入ります。

 



 イギリスでは、19ヶ所のガーデンセンター、ガーデン、ナーセリーを回りました。レアプランツフェアでは・・・10箇所のナーセリーが出店していたので・・・合計28ヶ所に行った事になります。

 

8月31日 Farnborough Garden Centre & Harefuurlong Nurseries
Bridge Nursery
9月1日 Smith's Nurseries
Avondale Nursery
Univercity of Leicester Botanic Garden
9月2日 Creative Landscapes
Stone House Cottage & Nursery
9月3日 Cotswold Garden Flowers
9月4日 Compton Lane Nursery
Batsford Arboretum The Garden Centre
Mill Dine Garden
9月5日 Kaminskis Home & Garden Centre
9月6日 タヴィストック・朝の花市
Farmoy's Garden Centre & Farm Shop
Bramley Lodge Garden Nursery
9月7日 Malmesbury Garden Centre
9月8日 The Place For Plants
9月9日 The Beth Chatto Garden
9月10日 Cambridge University Botanic Garden

 今年はよく動きました。地元の園芸好きが「ここのナーセリーが面白い」と言ったところにも行きました。さすが園芸好きが面白いと言うだけあって、変わった植物がたくさんありました。

 また、面白ナーせーリーのオーナーが、ここが面白い!と言うナーセリーにも行ってきました。ナーセリーが推薦するナーセリーだけあって、ここもやっぱり面白かった。

 今年は非常に、貴重な体験が出来ました。イギリス人に名刺を配って渡り歩いたので・・・日本に帰ってみると・・・面白ナーセリーから種子が送られてきたり・・・ホームページを持っていることで、輪が広がったみたいです。イギリス人も見る【茄子のご陽庭】。ただし日本語Only。写真と学名が載っているので・・・そこだけは分かるでしょう・・・・。

 


 さて・・・イギリスのガーデンセンターやナーセリーを回り、いろいろなことも分かってきました。

 イギリス人は、日本の樹木に興味を持っています。樹木に限らず、草本類にもです。

 樹木だと・・・特にJapanese Maple、すなわちカエデ類(モミジ)に強い関心を持っています。

 

   

 

 コーナーまで設けられていて・・・それほどの関心があるのです。大半のガーデンセンターでは、コーナーが設けられていました。

 右写真は、販売されている苗木です。高さ100〜150cm、6〜7号ポットで価格は・・・

 

 なんと・・・約£50。日本円だと・・・約1万円です。相当高価な植物と言うことになります。

 イギリスで・・・£50もするような樹木は・・・ちょっと見当たらないでしょう。高さ2〜3mのカラーリーフ樹木類で、£20〜25(4000円ほど)ですから、それに比べると、メチャクチャ高額な樹木になります。

 確かに・・・葉の形にバラエティーがあり・・・特に細葉の品種は、イギリスで販売されている樹木に欠けている「繊細さ」があります。また、葉の色は、様々なものがあり・・・‘出猩々’などの赤い葉の品種もあるわけで・・・また、マーブルカラーの品種もあり・・・これも非常にバラエティーがあります。
 特に黄色や赤色の混ざる複色の品種などは、高さ30mにも満たないもので・・・£60(約1万2000円)ぐらいで売られています。

 日本では・・・モミジと言えば「紅葉狩り」しか人は反応しないのですが・・・こちらでは年中大人気。

 他にも要素はあり・・・樹形も豊富です。直立、枝垂れ、這い性・・・など、これもバラエティがあります。英国人の園芸熱に十分フィットする植物、それが日本のカエデ類なのです。

 またしても日本の植物が、海を越えて大人気です。


 草本類では・・・特にArisaemaの類が人気です。

 花は・・・と言っても、ホウを楽しむものですが・・・Arisaemaとは・・・テナンショウ(サトイモ科)です。

 これは、花後に赤い(朱色)の実が出来るのもポイントのひとつで、高く評価されているようです。

 日本でArisaemaの種子が手に入るところはないか?と、ナーセリーのオーナーがしきりに聞いてきます。

 あることはあるけれど・・・・○○とか・・・・、と言うと・・・

 植物の名前が日本語で書いてあるから・・・どの種(しゅ)なのかが分からない。・・・と返してきました。

 確かに・・・日本の山野草業者では、Arisaemaの類は、数多く扱われていますが・・・みんな和名だけで・・・山野草業者で学名表記をしているところなど、私はあまり知りません。

 イギリス人の好む日本の植物を調査中に、学名表記がされていないから、日本の植物が入手しにくい・・・という事実もハッキリわかりました。これは漠然と思っていたことだったのですが・・・やはり、現実のようです。

 



 日本でも、少し探せば、いろいろな植物が手に入るようになってきました。その扱う量にイギリスと差はあるものの、植物の幅という面では、イギリスと日本にその差はあまり感じられません。

 ならば・・・何がどう違うのか?

 それは・・・その植物の使い方です。イギリスと同じ植物が日本でも数多く手に入りますが・・・使い方の提案がないので・・・我々は見逃していることが多いのです。その植物が上手に使われているかいないか・・・ただ、それだけの差です。

 この差が・・・次第に「イギリスではいろんな植物があるのに、日本では出ていない。だから日本の園芸はダメなんだ・・・。」と曲がった解釈につながっているように思います。決してそうではありません。扱っている植物の差に、イギリスと日本は、さほど差がない。差があるのは使い方。ただそれだけです。

 



 また、イギリスでは変わった植物や珍しい植物、品種が、簡単に手に入ると考えている方が多いようですが・・・これも間違った解釈です。日本でもそうですが・・・少し面白い植物、品種を手に入れようと思ったら、それなりに労力を使い、いろいろなところを当たってみます。これはイギリスでも同じです。

 変わった植物、品種を手に入れる、コレクションするには、それなりの労力を使って・・・しかも「集めよう」「手に入れよう」という意思で動いています。バッタリ出会った・・・というのではなく、「こんなのが欲しい」という、意思がそこには存在していました。

 いっぱい流通しているから、いろんなものが手に入る・・・というわけではないのです。このあたりは正しく理解して欲しいと思います。

 「こんなのが欲しい」という意思があるからこそ、民間の「育種」が進んでいるのかもしれません。これって、重要ですね。



 こうして、イギリスの園芸を見ていくと・・・自分の行っている寄せ植え等の講習会が、植物に通じた、学問に通じた・・・新しいタイプの講習会だな、と改めて思いました。

 寄せ植え講習会にしても、仕入れてくるのは自分です。仕入先に行って・・・たくさんの植物があるわけですが、そのたくさんの中からピックアップするのは自分です。時間をかけて選んできたいろいろな植物を、講習会でみなさんに使っていただきます。

 植物の持っている1つ1つの魅力、良さが最大限に引き出されている寄せ植えの講習会だと、強く思いました。また、寄せ植えが主体ではなく・・・植物学という観点から講習会を行っているという点も、他にはない面白い試みだと強く思いました。

 寄せ植えの講習会で・・・植物を学名で喋る人など、まずいないでしょう。これは○○科の植物で・・・などと説明する人などいないでしょう。土の三相とは・・・?などと説明する人もいないでしょう。そういう点で、前例のない講習会を開催していることになります。

 ・・・こんなことを帰りの飛行機の中で思っていました。

 日本もイギリスも、園芸熱のある人とない人がいる、という点では同じです。熱のある人は・・・さらに進んで行っているというのも同じです。ただ、進んで行った先で・・・石につまずいてこけた時・・・それをサポートする人(園芸店など)がいない・・・というのは日本の特徴でしょうか。

 石につまずいて、じっとしている人がいたとき、それにそっと手を差し伸べてあげることが・・・私のこれからの仕事だと・・・そう思いました。

 今年は、こんな結末で終わりたいと思います。


 またいつかお目にかかれますように。

 最後まで愛読していただき、ありがとうございました。

 2002.9.13 完