水管理 1

 コシヒカリは、作り方がむずかしいのです。「おいしい」という評判ですが、作り方がほかの品種と比べて大変むずかしい。つまり、他の品種より、茎が長く、細いのです。したがって、秋の収穫前に、茎が倒れてしまいます。そうすると、コンバインでは刈り取りができません。手で刈ることになります。
 そればかりか、コシヒカリは、収穫がよいと、味がおちる、といわれます。コシヒカリの評判を保つのには、やはりおいしさが大切です。食べる人の気持ちを考えると、多くとるよりも、おいしい米にしたいと考えます。
 そのために、肥料だけでなく、水の管理も大切になってきます。
 一言でいえば、コシヒカリを上手に作るには、はじめの10日は水をたっぷり、あとは水を少なめにします。
  
たっぷりはられた田の水。おたまじゃくしが泳ぎます。

 
茎をのばすより、根を育てます。でも、水が少ないと、土が乾燥し、表面にひびがはいります。すると、水がたまりません。
 水の管理は、いつも神経をつかいます。
 ほかに、もぐらの被害をよくうけます。もぐらは、畦にいる虫を食べます。そこで、畦に自分の道をほり、虫をとるのです。すると、せっかくたまっていた水が、その道から流れでてしまうのです。農家の人は、いろんな工夫をして、もぐら退治をします。また、へびザリガニもよく穴をほります。困ったものです。だから、ザリガニは地方によっては、「害虫」と呼びます。

 7月になると、1週間に1度の水入れで十分です。足水(あしみず)といって、田にできた足型に水がたまっている程度でよいのです。水をためすぎると、稲が弱くなったり、病気の発生をまねきます。
 水路から水をとります。年によっては、水不足のときもあります。そうなると大変です。
 神戸では、西区や北区の一部で、圃場整備(ほじょうせいび)が行われています。これは、田の形を四角に、大きく広げ、機械仕事をやりやすくするための大工事ですが、それとともに、水入れも簡単にできるようにつくりかえています。
   田の脇に田水の水利がある

水道の栓をひねるように、簡単に水入れができるようにしてあるのです。でも、その工事ができているのは、ほんの一部の地域だけです。あとは、水路をつくって、ため池から水をひっぱってくるのです。そのため、年に1,2回、近くの人たち全員で、水路の掃除や草刈り、道の整備の作業を協力してします。

 8月にはいったら、ほとんど1週間に1度の水入れ(潅水)でよいのです。入れては干し、干しては入れるのくりかえしです。こういうことを間断潅水(かんだんかんすい)といいます。
 ただし、水不足になると大変です。どうしようもありません。かれてしまうこともあります。
 8月の仕事でたいへんなことは、草刈りです。汗をいっぱいかいての仕事です。