オドリコソウ属の葯と種子

(写真提供:矢追義人さん)

ヒメオドリコソウ、モミジバヒメオドリコソウ(別名キレハヒメオドリコソウ)、ホトケノザはシソ科の中の、「オドリコソウ属」に分類されています。この属の中で横浜市金沢区で身近に見られるこの3種について較べてみました。

ヒメオドリコソウ モミジバヒメオドリコソウ ホトケノザ

10倍ルーペで気が付いたときは「新発見!」とワクワクしたのですが、長田武正先生の本にはちゃんと書いてありました。さすがです! 
それにしてもこの繊細な毛には一体何の役割があるのでしょう?

あまり小さくて、私が撮ったのはボケてしまい、矢追さんに撮って撮ってと、お願いしました。
こちらに葯の大きな画像があります。

ヒメオドリコソウ モミジバ
 ヒメオドリコソウ
ホトケノザ

種子

ヒメオドリコソウ モミジバヒメオドリコソウ ホトケノザ
ヒメオドリコソウ モミジバヒメオドリコソウ ホトケノザ

写真のスケールはそれぞれの画面の幅が1.5cmです。ホトケノザが一番小さかったのは、私には意外でした。
こちらには種子の大きな画像があります。

全ての種子には、細い方に白いものが付いています。これがエライオソームという、蟻の好む物質です。花が終わると雄しべ雌しべをつけたままで、花はポトンと萼から抜け落ちます。花が無くなった萼を覗いてみると、重箱に4個のお饅頭を並べた形で緑の種子が見えます。
エライオソームが付いている方が奥にあり、反対側の三角形になっている側が外から見えるのです。
季節的には、モミジバヒメオドリコソウが一番早い時期から順次種子を作ります。その次がホトケノザで、半月くらいおくれてヒメオドリコソウが熟してきます。(花が咲く時期がこの順なので当たり前ですが)

ホトケノザは熟して茶褐色になった種子が花の下にある台座になっている葉の上にいくつかは残っているので、集めやすいのですが、モミジバヒメオドリコソウと、ヒメオドリコソウは葉が受け止めてくれず、すぐに地面に落ちてしまいます。それで、4個の内のいくつかが落ちてしまって残っていたものを集めるしかありませんが、この段階ではまだ茶褐色にはなっておらず、薄汚れた緑色をしています。
季節が進んで、蟻がたくさん出てくるようになると、種子を探すのは至難の業になります。種子が熟して落下しても良いくらいになると蟻が萼の中に入り込んでいます。自分で引き出すわけです。種子を探すのは、蟻と競争ということになりました。

(2003.04.18)

オドリコソウ属の代表選手(?)のオドリコソウは川の岸などやや湿ったところに生えています。ここに取り上げた3種に較べるとずっと大きくがっしりしていて、まるで大人と幼児くらいに大きさがちがいます。
残念なことにオドリコソウは私の住む横浜市金沢区にはありません。私は横浜近辺でずっと薄いピンクの花を咲かせるオドリコソウを見ていたので、北岳の登山口、大樺沢で薄いクリーム色のオドリコソウに出会ったときはとても悩んでしまいました。帰宅してどちらもオドリコソウだと知ってびっくりしました。
図鑑によると、オドリコソウの葯にも毛が生えているそうです。

(2003.06.01追加)

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