連続放火の謎に迫るミステリー。主人公とその弟の理屈っぽい会話が結構楽しい。個人的には主人公の兄弟よりもその親父と探偵の黒澤がかっこよかった。自分の子ではない子供を育てた親父の人生に感動。
計算通りの人生なんてまっぴらだ、と思いながらも人は計算をやめない。
「そっちこそどうして」質問を質問で返すのは無作法かもしれないが、時には有効である。
「安定とか不安定なんていうのは、大きな川の流れの中ではさ、些細なことなんだよ。向かっていく方向に大差はない。好きにすればいい。」
人の一生は自転車のレースと同じだと言い切る上司もいれば、人生をレストランでの食事に例える同僚もいた。
「会社は会社、家族は家族、プライベートはプライベートだよな」という同僚もいる。「会社なんてさ、給料貰うためだけに来てるんだからさ」と社長を煙たがる。そういう彼らに限って会社に多くを望み、愚痴を垂れ、リストラが始まると親に裏切られたような形相で怒り出すのは、不可解でも合った。
「何かわかった?」
「こんな写真を見たところで大事なことはわからない、ということだけ分かった。」 |