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植物の名前の覚え方(発展編)

 ある程度植物の名前に詳しくなったり、頻繁に図鑑で絵や写真を眺めていたりしてると、ふとその辺の草花を見て“これは○○に似ている”、“これは◇◇科だ”というように、始めて見た植物でも科名やその近種が分かるようになってきます。これと同時に“俺ってすげ〜”とひそかに思ってみたりします。それをきっかけに花や実、葉の特徴をもとに図鑑の記述と検索表をよく読めば、その植物の名前が分かります

 このように植物を同定(図鑑を読んで知らない植物の名前を明らかにすること)するとき、実際に植物図鑑を開いてみると難しい植物用語がたくさん出てきます。これはほとんど植物の形態的特徴や部位を表す専門用語です。例えば葉っぱの縁のギザギザを鋸歯(きょし)、枝に葉っぱが交互についていることを互生、などといったりします。
 でも臆することはありません。図鑑の巻頭や巻末を見てみましょう。おそらく植物体の各部位の説明と解説図の記載があるはずです。初めのうちはこれを見ながら同定していきましょう。そのうち徐々に覚えていきますよ。

しかし植物は必ずしも図鑑に書いてあるとおりの姿では野外に現れません。

 葉の形は若木と老木、大木の下枝と上層の枝、生育条件の良い所と悪い所とでは違ってきます。また人間と同じように植物にも個体差はあります。ヤマグワなんて最悪です。全く違う形の葉が一緒についてるんだから。やれやれ。というように植物には特徴に少しずつ差があり、この差を覚えることが重要です。この差の幅を超えた場合には、品種、変種と言った区分分けがなされるわけです。ところで品種や変種といったレベルでの植物の差は、枝葉にある毛の有無や形質の違いといったことはざらにあります。またよく似た葉を持つ植物を見分けるときも毛がポイントになることが良くあります。こういったときは肉眼では無理なので、植物観察にはルーペは欠かせません。


ヤマグワの写真:両方とも同じヤマグワなのにこんなに形が違う・・・。

 こんなふうに自分で植物を調べられるようになると、名前を調べて覚えるという行為がどんどん面白くなってきます。そうして自分の家の周りや植物園といった身近なところからも興味の幅が広がっていくでしょう。するとあなたはいつのまにか、ちらっと人に教えられるくらいの物知り君になっているはずです。もうここまでくれば僕には教えられることはありません。これからは自分なりに楽しみながら情熱を持ってがんばってみてください。

::POINT::
・図鑑を使いこなせ!
・特徴の差をつかもう
・ルーペと自然を楽しむ心は基本装備

(文/鈴木 祥之)


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