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遊学の道Project2001/11月活動報告

11月10〜11日

 10日(初日)。昼過ぎにコテージに集合。森は紅葉、部屋にはストーブ。季節の移り変わりを感じる。外は相変わらずの雨。まったく止む気配なし。今日はどんな活動になるのかとそわそわしていると、屋外作業は無しとの事。ボランティアとはいえ林業に携わるのだ、晴耕雨読とはゆきますまい。と思っていたが、さにあらず。ほっとした表情を悟られないよう席に着く。

 コテージにこもってのミーティングが始まる。参加メンバーの自己紹介も終わらぬうちに様々な話題が飛び出す。YMP活動について、日本の林業の変遷、森林インストラクター、ボランティアのあり方、プロジェクト発足の経緯、田中さんほかメンバーの人となり…その他もろもろやまほど。作業中止となる恨めしい雨ではあったが、おかげで初参加の身には、感じる所の多々ある貴重な時間となった。以下、私なりに気になった話題と雑感。

 まずは林業について。森の機能、木の特性をコントロールする技術に驚く。樹木密度や枝の張り具合、下草の量などを巧みに操り、山の保水能力から、年輪の刻みまでをもコントロールする。森を生かし、操る技術。うーむ、まさに日本的職人芸かな。林業のイメージが変わる。

 今ひとつは林業家に対する新しいイメージ。プロとアマの共生を計るネットワーク作り、ボランティア団体のコーディネート、啓蒙活動。いまどきの林業家はプロジェクトリーダーも務めなければならない。厳しい環境下で生きる田中さんのもう一つの顔がそこにはある。

 そしてYMPとボランティア活動について。森に入るだけが森林ボランティアではない。木を伐るだけが森林ボランティアではない…。これはどんな組織でも同じだろう。個々が全体の目的を理解し、自分を最も生かすことの出来る役割に付く。個々が全体を意識することで生まれる一体感。小さなグループでは案外簡単な事だが、大きい組織では難しい。そこにリーダーの存在意義がある。話の端々から、YMPにはそんな一体感と素晴らしいリーダーの存在があることを感じた。

 田中さんが立ち上がる。12時を回った。各々就寝の準備。静寂が訪れる。雨は既に上がっている。明日の天気は如何?期待して床に就く。延々11時間、昼に始まった自己紹介はついに終わらず。

 二日目。快晴、青空、紅葉、森、朝靄。山の端が金色に輝き、日が朝靄を貫く。周辺はもう冬の空気。身が引き締まる。道具の準備。鎌、鉈、鋸。そこに鍬と木槌が加わる。道作りのための道具。YMPでは道作りを含めて山仕事が一通り経験出来るという。おまけにプロが手ほどきをしてくれる。恵まれた環境だ。

 遊学の森に初めて足を踏み入れる。しっかりと手入れされた庭のイメージ。下刈り!それほど茂ってはいないが、かなりの急斜面にてこずる。岩を刈り、下草にはそっぽを向かれ、斜面をずり落ちる…。かなりの精進が必要だな、これは。

 下刈りが一段落する。すっきりとした斜面を見て鬚をなでる。休憩!そして鎌研ぎ。木々の間から空を見上げる。北斜面での作業なのか正午近くでも日が差し込まない。下刈りした辺りはカタクリの群生地らしい。春にはどんな景色になるのだろうか。

 昼食は尾根の巨大な倒木にて。初顔にも分かりやすいランドマーク。

 午後はカヤの岩路の補修。沢で橋崩れがある。朽ちかけている土留めがある。早速補修に掛かりたいが資材が不十分。頭数も不足。そこで、まずは材の切り出し、運び出しを行なう。何気なく歩いている道の大切さ、そして道作りとその維持の大変さに思い致す。

 3時。下山。研ぎ。清掃。片付け。わずか半日の実作業であったが、刈り方、歩き方、研ぎ方、落ち方、洗い方、休み方、さまざま学んだ。ふうと一息つく。日が陰ってくる。風がひやりとする。心地良い疲労感と達成感。さて今夜はどんな夢がみられるか…。

(文/谷川 睦)


発行日:2001/12/01

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