「車のない買出しなんて、いつ以来だろう?」ふと、そんなことを考えてみる。
頼みの綱だったやぐマーチ号に、「午前中用があるから」と断られ、奈津子姫と共に、久々にバスでの買出しになった土曜日。提案される食材に文句を言いつつ、買出しを終えて、上町のバス停へ向かう。到着したバスは、思いの外混雑していた。「ヤだなぁ、観光客がいっぱいいて……」そんなことも思わなかった頃だろうか。今回の作業は、カタクリの下刈り……と思っていたら、田辺さんから、アサダの眺め路の補修という話があがり、初日はそちらの作業になった。作業で、眺め路に入るのは久々……いや、路の完成以来かも知れない。伸びた枝に、行く手を阻まれる。鎌を持ってくればよかった、と後悔しても遅い。
展望広場の手前の崩れを補修しようにも、材がない。目につくものは、遥かな昔、広場にベンチを作ろう!という野望の元、運ばれたまま放置されていた間伐材のみである。これを使ってもいいものだろうか?あの日の苦労を思い、多少の罪悪感に苛まれながらも、杭の長さに切っていく。が、まだ足りない。土留めを嵌めなおす男性陣、杭を作る女性陣を置いて、材探しに出かけた。
広場手前のカーブの下の広葉樹林は、今年の冬伐ったばかりだから、いい材があるだろうという読みは当たり、宝の山だった。が、杭材くらいの長さに切ってしまえばまだしも、土留めになりそうな、ある程度の太さのある長い材を持ち上げるのは、自分ひとりの力では到底及ばない。腰を痛めかけ、救援隊を呼ぶ。女性4人で、土留め材を2本運び、補修にもある程度のキリがついたところで、この日は引き上げた。
コテージに戻ると、遅れたやぐっちが野菜を切っていた。すぐさま、カレーの準備に取りかかる。おかげで、夕食時間は、いつになく早い。
夕食後、以前から話だけは挙がっていたものの、なかなか実現できなかった、作業の感想&ヒヤリハット報告会を開いた。今回の報告としては、
・作業中の接近戦があったので、お互い周りの状況に注意しよう
・材を運ぶ時には、自分が山側に立つ基本を守ろう
といったところ。これは、来月以降も継続していく予定である。
少人数でおとなしめな交流会は、惣次さんの登場と共に、活気を取り戻す。惣次さんを中心とした輪で、久しぶりにゆっくりと話をする。たまには、こんな雰囲気もいい。夜、千葉に行っている惣一くんからTELが入る。「多少は気にしているんだなぁ」惣次さんのそんな言葉に、田中家の親子関係を垣間見る。その後も、のんびりと、ゆるやかな時間は流れ、いつもよりは早めの就寝となった。
翌朝は慌ただしかった。朝食のコーンスープに予想外の時間がかかり、9時までに出発準備ができるか?!と焦ったのだが、やる気になればできるものである。定刻どおり、準備完了。ただ、この日に来る下平さんを待つ都合上、実際の出発時間が、30分後だったのは、また別の話である。
この日こそは、この季節の恒例作業。春に咲く、カタクリのための下刈り。広路のケヤキの横から一列に入り、上に向かって刈り上げる。同じアジサイでも、夏に刈るのとは、手ごたえが違うことに、植物の季節を感じる。
昼には、あきおジャンクションに到達し、午後は、カタクリの路を更に上に向かう。前かがみの姿勢を続けているせいか、昨日痛めた腰に響く。やはり、作業は身体が資本。正しい姿勢を守ることは大切である。
作業時間も終わりに近づいた頃、重大なミスを発見。刈り場所指示の誤解により、群生地右側の、針葉樹林との境が刈り残されている!気付いた姫は、舞い戻ったが、ほどなく惣次さんから、「そろそろ戻ってこいよ〜」というTELが入り、尾根まであと1/3ほどを残して、多少早めに山を下りた。
コテージに戻ると、裕子さんから差し入れ。冷えた身体に、あったかいお汁粉がしみわたる。いつもながらの心遣いに感謝しつつ、おいしくいただく。ごちそうさまでした。
今回は、早めに帰りたい人が多いということで、まったりモードは排除して、手早く片付けをし、しばらく管理が放置されていた、在庫整理を終えて、コテージを出る。車が1台しかなかったため、乗り切れないメンバーを、惣次さんが五日市まで送ってくれた。
「みゅーが代表になって、何が変わったんだ?」
最近、そんな言葉をよく耳にする。説明するのは、易いようで難い。結果はすぐに見えるものではないけれど、言われる前に、変わって見せよう。変えて見せよう。そんな負けず嫌い魂が、頭をもたげ始める。全ては、ここからがスタートである。見てろよっ!!