「活動内容:道づくり」
YMPホームページのスケジュールに書いてあるのは、ただそれだけだった。「もうちょっと説明することもあるだろ・・・」と思わなくはなかったのだが、「道づくり」という言葉には何かこう僕の魂を揺さぶるものがあった。早速みゅーみゅー*1に申込みのメールを出したのであった。
<1日目>
大雨だった昨日と違って、今日は雨もなく、かつ暑すぎず、ちょうど良い天気だった。今日は昼から遊学の森の道刈り。どうやら「道づくり」は明日のお楽しみのようだ。
1人に1丁ずつ、草刈用のカマが配られる。カマの柄は自分の身長ほどの長さで、でかい刃がついていた。ちょうど死神が持っているカマみたいな感じだ。子供の頃やらされた草むしりのようなのを想像していたが、あれに比べて大幅に頼もしい。元剣道部だけに振り回してみたくなったが、大人なので我慢する。
カマを研ぎ終わり、3人1組になって草刈りを始める。ソリ残しなしのヒゲソリと同じ、3枚刃方式。僕のチームはみゅーみゅー→北川→菅野さんの順。
カマをひと振りすると、草が気持ちいいようにスパスパと切れて宙を舞い、同時に鮮烈な緑の匂いが立ち上る。そして、登っていくに連れてその匂いは変化していく。こんな風に、視覚以外の感覚で植生の変化を感じるのは新鮮な感じだ。休憩の度に、みゅーみゅーが山の植物についての一言トークをしてくれる。どれも面白い話ばかりだ。さすがYMPの生き字引*2。
2時間強ほど刈って、尾根に出る。今日はここまで。
<2日目>
いよいよ今日は道づくり。
どんなものかと思っていたら、文字通りの道づくりだった。水土里の橋たもとから8月の大刈りイベントで使用する植林地まで行ける道をつくるということだ。手順はこんな感じだ。
(1)ルートを決めて、地面をつるはし、トンガでざくざくやって大体の道の形を作る。
(2)丸太を使って「土留め*3」をしたり、階段を作ったりして、道を整える。
(3)仕上げに地均しをして、完成。
・・・これに土留めや階段の丸太を固定する為の杭作りのグループを加えた、4グループで作業を進める。
山道を歩くたびに、「いったいどうやって道を作ったんだろう?」と思っていたのだが、さっきまでただの森だった場所に、目の前でどんどんどんどん道が形づくられていく。「おおっ、おおっっ」と思っているうちに、最後の地均しチームが作業を終えると、最初の状態からは想像できないような歩きやすい道が出来上がっていた。
朝から始めて昼食をはさみ、15時過ぎに作業終了。途中ていねいにやりすぎたのか、目的地までの1/5程度しか仕上げられなかったのだが、先ほど自分が作業した作り立ての道を通って作業開始地点までらくらくと戻ると、充実感が込み上げてくる。ブヨと蚊の攻撃にも気に留めることなく作業に没頭して汗をかきかき道づくりした甲斐は十分あった。
何もないところに新しく何かを作る、というのは、とても哲学的な気がする。哲学を学んだことも哲学書を読んだこともないのだが、とにかくそんな気がした。この出来立ての道が、これから何人もの人に踏み固められて、さらに歩きやすい道になって行くのだろう。そして、さも当たり前のように森に溶け込んだある日、また僕のように「いったいどうやって道を作ったんだろう?」と思いながら歩く人が現れるのだと思う。そうやって時間の流れに思いをはせると、やっぱり哲学的だなあ、と思ってしまうのであった。
それはさておき、昼休みのおにぎりのうまいことうまいこと。
これはまた参加するしかなさそうだ。
*1 YMP代表石山恵子氏。
*2 一応断っておくが、みゅーみゅーはバーサンではなくきれいなお姉さん。
*3 道沿いに丸太を置き、土が崩れないようにすること。