MDRYD7報告
8/15(Fri.):事前準備
武蔵五日市駅には、内野君が愛車で待っていた。備品などを購入し、桧原入りしたのは夕刻。既に食材の買いだし、備品運搬は完了しており、今回のスタッフルームの2階で資料の取り纏めをしていた。
スタッフとの半年ぶりの再会。なかでも、岡田さんは、この夏ヨーロッパアルプスへ2度目の旅行をされたとのこと、その時の「一番の写真」を私に、と用意してくださった。感謝。湖にその雄姿を映す標高4,478mのマッターホルン。氷河の浸食を受けた岩肌は、生命の息吹を全く感じさせない。そして突きぬけるような青色の空。今回のMDRYD7も負けないくらいの晴天になることを望む。
・・・でもそうは問屋が卸してくれない。一昨年のMDRYD3も参加して大雨だった。再び雨を呼ぶのだろうか。
本日最後の仕事として、木製名札30個を準備する。材を電ノコで輪切りにし、ドリルで穴を空け、麻紐を通す。
夜になり、スタッフ全員集合。内野君は急用により前日の準備だけして帰っていった。ご苦労様。残ったスタッフで打ち合わせ。雨のためにできなかった準備として、道具出し、布団確保が明日一番の仕事。惣次さんの指示で、朝の天気を見て作業実施の判断をすることに。雨天プログラムの打ち合わせ。いつも少なめになってしまう自己紹介を充実させたい、という今泉君の案を採用。自己紹介の後に惣次さんのお話ということで落ち着く。
ミーティングも終わったところで、再会を祝したり、森づくりフォーラムの坂井さんと歓談したり、大学院生の中西さんと議論をしたりするのであった。脳細胞の活性が落ちてきたので、おもむろに布団に向かい、晴れ男定着を願いつつ就寝。
8/16(Sat.):MDRYD7第1日
願いもむなしく雨は降る。加えて、この寒さはいったい・・・夏はどこへ?
石山代表と岡田さんが作業現場の下見に行く。天気が回復すれば作業は可能とのこと。朝早くからご苦労様です。
朝食をとり、道具準備に取りかかる。30人分の大鎌・砥石・砥袋・ヘルメット。さらに受付準備。様々な準備を進めるも、自分の動きがスムーズでない。ブランクなのか?
昼食時、いっこうにやみそうにない雨に観念、雨天プログラム決定。夜の勉強会で話す予定だった惣次さんのお話がメインとなる。夜の勉強会は、大刈りの説明(田上さん)、作業等の説明(今泉君)、そして惣次さんのお話の代替として、石山代表が西多摩地域の森づくり活動グループ紹介、私が林業の話をすることに決定。
午後、参加者の皆さんが続々と到着する。集金、名札・ヘルメットの記名を各自に済ませてもらう。このとき、パンフレット・資料・領収書を渡し忘れる。大失態。
そして開会。主催挨拶や講師紹介、スタッフ紹介を終え、A・B・C各班に分かれて自己紹介。時間にゆとりのある自己紹介は面白い。参加者同士は当然初対面だし、スタッフだって初顔合わせの場合が多い。今泉君と私はA班担当。まずは自分たちの自己紹介、いつもより突っ込んだ話をする。次に参加者の自己紹介。それぞれの自己紹介に質問タイムを設ける。これが効果的で、互いに話すことや性格の一端が把握できることで、安心感が生まれる。今後の活動でも自己紹介時間は有意義なものになるだろう。自己紹介にゲーム性を持たせる(*1)など工夫したらどうだろうか。
スケジュールは進行、惣次さんからは林業全体や青梅地域の林業のこと、フォレスティングコテージに併設されている「もくもくギャラリー」の案内、コテージ周辺の植物のお話、また、コテージにいらしていた草間さんからは炭焼きのお話。
続いて夕食準備に取りかかる。夕食担当はA班。カレーとご飯はスタッフで準備していたので、サイドメニューのシーザーサラダ作りと食器の準備。ここで田中家から採れたて胡瓜の差し入れがあり、これをスティックにして味噌を付けて食すことにする。いつもありがとうございます。ご飯が炊けたところで、配膳。みんなで協力して準備完了。
おいしい夕食でおなかも一杯。B班担当で片付け、夜の勉強会へ。大刈りの説明、作業の説明の後、九州の林業の話へ。私が勤める仕事のこと、九州の特色、福岡県における林業の問題点(シカ等の獣害と放置竹林の問題)、二酸化炭素と森林のことを話す。資料を用意できなかったのが残念だけれど、それはまた機会があれば。最後に西多摩地域の森づくり活動グループ紹介。今回参加の皆さんが林業や森林の心強いサポーターになりますように。
第1日目は雨用メニューをそつなくこなして、交流会へ。明日への期待を込めて各々の床に就きました。
8/17(Sun.):MDRYD7第2日
やっとの想いで天気を回復させることに成功した第2日目。午後の天気は下り坂だけど、午前は作業が出来そう。
さっそく朝食を摂り、C班のみんなで片付け、その隙に他のみんなで昼食のおにぎりを握り、集合。
今泉君の指示で準備体操。いつも使わない筋肉がノビをする。身体もほぐれたところで、鎌研ぎ。惣次さん筆頭にスタッフが配置につき、研ぎ方の指導。いよいよ出発。

大鎌はしっかり研いでから使います。
ところが、作業現場への移動中、大変なことが起きてしまう。参加者の一人が突然倒れ、帰らぬ人となる。(*2)
催しの最中に人が亡くなることは、西多摩地域で隆盛してきた林業体験の様々な催しを通じて初めてのこと。スタッフ一同、最善の対処をしたのだが、このような結果になったことが残念でならない。
急遽、作業を中止し、スタッフは参加者をコテージに誘導し、事態を随時説明。シャワー時間を設け、昼食をとってもらったあと閉会とする。
帰りがけの参加者の方々から頂いた「ありがとうございました」の言葉に、一人の人を失った痛みと、参加者の皆さんの優しさが複雑に絡み合い、胸に沁みた。
おわりに
今回のことで、私たちは改めて気づかねばなならいことがある。
・私たちのフィールドは、常に危機と隣り合わせであるということ。
・主催者であれ参加者であれ、自分の身体を守る「第一の人」は自分であるということ。
・(少なくとも主催者側は)重大な状況に直面したとき、必要最低限の対処が出来なければならないこと。
事故を防ぐことばかりに専念するあまり、活動を縮小し、その意義を希薄化させることを考えるのではなく、発生した出来事に対していかに対応できるかを考えることが重要なのだと思う。今回の一件で落ち込むだけではなく、これを活かし「これから」に必要なことを模索する必要があるだろう。森づくり活動に関わる全ての人に私たちの経験を伝え、互いに学び、「これから」を見つめ合えないだろうか。
--
*1:福岡県の青年の家で「アイスブレイク」を体験したことがある。参加者相互の理解を目的にミニゲームを行ったりする。今回試みた自己紹介がアイスブレイクといえるかどうかは別に、それに近い効果があったと思う。今泉君の「自己紹介時間を多めに」案は大成功。
*2:出来事の詳細については別途報告に預けることとし、この報告書では筆者の視点から見た活動の流れと所感を中心に述べることとした。ご了承ください。
註:この活動報告書では、参加者に限り、名前等、個人を特定できる内容は意図的に記載しませんでした。これは、MDRYD7において悲しい事故が起きたこと、この文書がWEBに掲載されることを考慮し、筆者が判断したものです。