3/12-13
1日目
今回は中野区の小中学生の団体"ZEROキッズ"を受け入れることになった。この団体と関わりがある青年の家の北見さんが、一緒にやらないかと持ちかけてきたイベントだった。どんな子達なんだろう?何人くらい来るんだろう?どういうことするんだ?と情報は来ないまま空想は進んでいった。
当日みゅー、ドラえもん、なっちゃんが9:00のバスで、とーますと僕は電車に乗り遅れタクシーで檜原に向かった。コテージに着くと北見さん、つんつん、しおりん、たくみが前泊して準備をしていた。"ZEROキッズ"は総勢42名、内少年4、少女30(内中学生8人)、大人7という構成で、かわいい女の子に囲まれ楽しくなるはずだった。"ZEROキッズ"が到着して、開会式、自己紹介があるが、42人の名前を一遍に覚えようとして2、3人目で記憶回路は溢れ出、決壊し終わったころには、すべて流されてしまって残っていなかった。
開会式の後、子供たちはどのコテージに泊まるかの部屋決めをするが、そんなことに30分くらい費やし真剣に悩み、考え決めていた。これが第一の楽しみだという。僕にとっては、部屋決めなんかどうでも良いことで、とても理解できなかった。その間、スタッフで昼からの「遊学の森探検隊」を学年ごとに班割りし、リーダーを決めた。小学5〜6年生頃から言うことを聞かなくなり自己主張をし出すという。僕は難しいと言われる小6をあえて選んだ。
「遊学の森探検隊」の集合で子供たちが班ごとに分かれた。小6の人数がすくなかったため中学生が分けられ一人入れられた。みんな楽しそうではなかった。みゅーが作成した「ゆうがくのもりたんけんビンゴカード」が各自に渡され、マスのなかにあぶないところ、さわるといたいはっぱ、顔に見える木等を見つけ、印を付け列を埋めて並べて遊ぶゲームをする。ゆうたは、遊学の森に行く前に印を付け始め、森に入ってよく見てから印をしろという注意も無視してビンゴカードに夢中になっていた。
まだ3月、早春のこの時期、里の野ではタネツケバナ、オオイヌノフグリが咲き始めたが、遊学の森内では、春の野草が地中から少し出、広葉樹の冬芽も膨らみ始めたところであり、目立つわけでなく、ひっそりしていた。植物、動物がじっと春を待つ時期に、初めて山に入り、閑散とした中を尾根まで上がることは子供達にとって決しておもしろいとはいえないだろう。もう一月するとカタクリ、スミレも咲き、萌える葉を見られ、カエルや蛇も動きだし、森の息吹を感じられて楽しいのに。日程の関係もあっただろうが、そんな時期に来てみて欲しかった。
夕食は子供達がカレー・ポトフを作り、つんつんととーますが、手伝うことになった。夕食係ではない子供達には夜のキャンプファイアーを組んでもらうが、なかなか1時間火を持続させるようなものができない。やり直しを繰り返し、最後は大沢さんが土台を作り、その上に薪をのせ完成。北見さんとみゅーとたくみと僕は明日のサバイバルゲームのための準備を行う。まず川に掛ける竹橋を渡し、土台を固め安定させた。通るルートを決め、10mくらいごとに赤のビニールテープで印をつける。一通り準備を終え、コテージに帰ってくるとまだ夕食が完成していない。今回は子供達に自分たちで作ることを覚えてもらうため、スタッフが手を出さないことに決めていた。途中アドバイスをするが、適切ではないのかあまり変わらない。
夜はキャンプファイアーを囲み、レクリエーションを行った。まずはつんつんが寒い中、笛吹童子として篠笛を披露。伝言ゲーム、猛獣狩りにいこうなどを行った。ダチョウ、牛などのジェスチャーをして当ててもらうゲームはぜんぜんうまく出来なかった。頭の中で牛を思い浮かべ演技しようとするが、客観的に自分の動きが表現できているかどうかまでは考えがまわらなかった。「翼をください」をみんなで歌い、終了。
2日目
サバイバルゲーム。5〜6人の班に分かれ、4つの難関を突破してタイムを競う。まず、広場で火を起こしを行い、次に川に下り、渡した8mくらいの竹橋を一人一人渡る。川に落ちないように北見さん、僕が両岸に、たくみが川の中に入りガードを固める。不安定で動くたびに左右に揺れる竹橋に怖じ気づいて渡れないんじゃないか、と心配した。が、子供達は揺れながらも緊張した表情で、ゆっくりゆっくりと一人一人、励ましながら渡っていった。すべてのグループが渡り終え、僕らも一安心して少し休んだ後、次の難関の様子を見に遊学の森に上がっていった。その途中、ZEROキッズの付き添いスタッフの方から、2班が道の分岐点から下へ行かず、山の方へ向かっていったけど間違ってるよね、と尋ねてきた。通り道に案内として赤いテープを10mぐらいおきに張って置いたが、間違えた分岐点からは次のテープが見えづらかった。向かったという方向の道を見たが、人影はなく、声も聞こえない。さあ出番だ、遊学の森の道を知り抜く僕が、子供達の救出に向かうしかない。道に迷って泣いていないか、事故にあってはいまいか、と思い巡らせた。向かったという方向へ辿るルートを考え、山道を声を出し駆け上がり、物音が聞こえないか耳をすませ、遠くまで見渡し探した。遠く声がして、人影が動く。アサダの眺め路とソロの奥路の分岐点当たり、随分奥まで入っていった。スピードを上げ向かうと、何も印がなかったから進んでいった、という。このまま見つからなければ本当のサバイバルが起こるかもしれなかった。班全員を確認し、次の難関まで案内する。せせらぎの広場で丸太切りを行い、水土里の橋横で林床のなかにカモフラージュされたグッズを探し当て、無事にみんな難関を突破して終了。
昼食は子供達がバーベキューをつくる。まず、炭で火を起こすことから始まるが、火力を出すまでが大変で、うちわで扇げど、容易に火が回らない。悪戦苦闘でどうにかこうにか焼くことができた。
午後は片づけの後、田中惣次さんへのバースデーケーキ大小3つをみんなで食べ、閉会式を行い、ZEROキッズを送った。
子供達は今回の合宿で何を掴んだんだろう。ゲーム、作業、生活を通し、子供同士の横の関係(同学年)、縦の関係(学年間)がうまく行き、良好な人間関係を築くきっかけになってくれれば喜ばしい限り。また少しでも森の良さを感じとり、出来ればまた訪れて欲しいのがどうだろうか。大人になって何かの折りにふと思い出すことがあれば、それでもよいが。