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遊学の道Project2005/8月活動報告
(MDRYD11)

8/20-21

 前日の朝俺は畑の中にいた。大きく育った胡瓜をもぎながら、久しぶりのMDRYDに心を躍らせていた。今回のMDRYDは俺にとって何年ぶりだろうか。米国留学、就職活動などのために、しばらく参加できなかったのだ。はたして自分にスタッフが務まるのだろうか、それ以前になまりきってすっかり肥えた自分に作業ができるのであろうか。数々の不安が頭をよぎるが、そんなことは言っていられない。MDRYDは明日からスタートする・・・いや戦いはすでに始まっているのだ。

 15時に買出し組は五日市駅に集合。五日市駅に着くと、すでに来ていた。思い出話や参加者の話などで盛り上がったが、もっとも驚いたのは、今回の自分の役割だ。なんでも、A班のリーダーをやるらしい。正直、リーダーなんか務めるガラではない。その旨をみゅうさんに伝え、変えて欲しいと懇願するも、「いやなら、勉強会係か、全体の進行ね」といわれ、自分が断れない状況にあることを知った。

 一日目参加者が到着し、ついにMDRYDが始まった。今回俺はA班リーダーで、A班は田中さんが講師で山本さん、富弥さんがスタッフ、そして参加者は真瀬さん、安部さん、渡辺麻由さんだ。安部さんは2日目の朝からの参加なので、A班の初日は参加者2人だった。簡単な自己紹介、体操を終え、そしていよいよ山に向かう。作業場所は小坂志川上流。俺はこの現場は始めてだった。途中までは車に分乗して行き、そこからは田中さんのトラックと奥山さんのRVしか入っていけない。田中さんのトラックの荷台に揺られて30分くらい走っただろうか。ドナドナの売られていく仔牛気分を堪能したころ、トラックは止まった。どうやらそこでUターンするらしい。しかし、どう見てもUターンできるスペースはない。トラックはゆっくり下がっていく。荷台から声が上がる。「え〜無理だよ」「恐い恐い」しかしトラックが止まることはない。立っていたミズキを倒しさらにバックする。「大丈夫だろぅ?」まったくいつもと同じ口調の田中さんの声が聞こえる。もちろん田中さんの運転は信用しているけど、恐い物はこわいのだ。「ガタン」ついに後輪が落ちた。「ムリムリ」「おちる〜」みんな口々に叫ぶ。そこから切り返しのため前進しようとするが、タイヤが空回りして前に進めない。「ヴォーン」エンジンの音が鳴り響く。何度か挑戦し、荷台組がいよいよ精神的に追い込まれた頃、トラックはゆっくり前進した。なんとか危機は脱した。あとから田中さんにお話しを伺うと「ちょっと前過ぎちゃったね。さすがに四駆じゃないと厳しかったな〜まぁいざとなればユニックがあるから、大丈夫なんだよ」と案外余裕そう。でもやっぱりこわかったですよ〜。

 そんなこんなで現場に到着。今回は8年生の杉の下刈りを行う。鎌研ぎを終え、早速作業に入る。始めのうちは、人と人との間が狭く、作業がしづらかった。しかし、上に上がれば上がるほど広がり作業しやすくなっていった。杉は下草に負けないくらい十分に大きかったが、ツルがからみ、苦しそうになっている木もあった。本当はツルを根元で切ればそれでいいらしいのだが、絡んだツルをとってやると心なしか杉が喜んでいるようにみえた。刈る刈る刈る。やっぱり下刈りは気持ちがいい。自分が作業した後と、これから作業をするところの違いが目に見えてよく分かる。達成感のある作業だ。しかし、そんなにいいことばかりではない。奴がやって来たのである。そう、スズメバチだ。スズメバチは真瀬さんと山本さんをターゲットにした。2人の周りを飛んだり、背中に止まったり。実は真瀬さんと山本さんは同じ蚊取り線香を使っていた。2人が使っていたものは、蚊やブヨには効くがスズメバチには効かない…どころか、引き寄せていたらしい。2人とも蚊取り線香を腰からはずし、少し離れた所に置くとスズメバチは、蚊取り線香の周りを飛び回っていた。初日の作業は3時間程度で終わり、また、仔牛気分を味わいながらコテージに戻っていった。

 夕方は前日の朝採ってきた野菜でのカレーを食べ、勉強会を行った。一番印象に残っているのは、作業風景の絵を見てどんな危険があると予想できるかを考えるプログラムだった。絵を考えていた時には思いもよらないような意見も出てきて面白かった。また、田中さんの話では、「みんな蜂を恐がり過ぎている」っていう言葉は非常にためになった。たしかに、作業中に蜂が現れた時に必要以上に恐がっていた。必要以上に恐がると、刺された時のショックで倒れてしてしまう事もあるようだ。スズメバチ以外なら刺されてもたいしたことないという気持ちで望まなければいけなかったと反省した。

 勉強会後はもちろん交流会。俺は囲炉裏小屋でお酒を飲むのは始めてだった。福島県から参加してくれた渡辺麻由さんのお土産の笹かまぼこは非常に美味しく、お酒も進み、話しも弾んだ。風情のある部屋、美味い酒、美味しい肴を触媒に交流会は大盛り上がりし、予定より30分以上も延びて終了。体内にアルコールを感じながら、ミーティング、就寝となった。

 二日目の朝スタッフは6時半起床。最近こんなに早く起きたことがあっただろうか。眠い目をこすりながら起き出すと、すでにみんな仕事をしていた。すごいな〜と思いながら、仕事を始める。朝食のやきそばパンを準備しているところ、日曜のみ参加の安部さんが到着した。朝食をとり、おにぎり作りを終えたら、また作業現場に移動し、作業が始まる。前日よりさらに上を目指して刈る。今日は防蜂ネットを用意したし、蜂に刺される覚悟もできた。昨日よりいいペースで刈りつづける。汗だくになりながら作業をつづける。山がどんどんきれいになっていくのを感じる。そして、昼食をはさみ、さらに刈りつづける。そして30分遅れで予定していたところまで刈り上げることができた。最後の一本は、A班7人の鎌を重ね、刈る。草刈十字軍式の儀式でMDRYD11の作業は終了した。あたりを見まわすとまさに爽快である。すっかりきれいになった山は気持ちがいい。心地よい疲労感と、爽やかな風。これだから山作業はやめられない。

 今回のイベントは蜂に刺された人は多数いたものの、大きな怪我もなく、大成功だった。参加者の方の満足度も、悪くなかったようだし、なにより自分が大いに楽しむことが出来た。何年ものブランクを経ての参加だったが、スタッフとしても、リーダーとしても、そして、作業者としてもいい経験ができたと感じた。就職活動で少し歪んだ山への思い、考え方を原点に戻すことができたと感じた。

(文:清水暁央)

活動写真はこちらから。(撮影:奥山)


公開:2005/10/16

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