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遊学の道Project'99 文月活動報告

杉林に咲くアジサイ

 田中さんが「杉林に咲くアジサイって綺麗なんだよ。」ときりだした。
遊学の森には成熟した杉の人工林がある。そこにアジサイを植えようというのだ。遊学の森には、ヤマアジサイやコアジサイ、タマジサイが自生している。これらのアジサイは私たちが一般に知っているアジサイのような華やかな色の花をつけない。それぞれが静かに個性を表現している。杉林に咲くアジサイを僕はまだ知らない。しかし、箱根登山鉄道の沿線に美しく咲いているアジサイの風景を思い浮かべてみると、なんだかわくわくした。
 田中さんは以前からアジサイの植樹を計画していて、すでに苗木を植樹する準備は整っていた。こんな経緯で、今月はアジサイの植樹を行った。

植樹

 僕は、大学で林学を専攻(しかも、3年も)していながらまだ植樹の経験がなかった。植樹は簡単な事のように考えていたのだが、それは甘い考えだった。
 植樹される樹は、今まで育ってきた苗畑と呼ばれる畑から山の斜面に移されるため負担がかかる。特に根にとっては、接する土壌が変化するのだから大変な変化だ。根は自分の生命を維持するために水を吸収しようとする。しかし、このとき周りの土が乾いていたら水を吸い上げることが出来ずに枯れてしまう。植樹するときの重要なポイントがここで、根を包む土に枯れ葉や落ち葉を混ぜてはいけない。混ぜてしまうと、その付近の土が乾燥してしまう。それから、根に土壌を密着させないと根は水を吸うことが出来ないから、しっかりと踏み固めることが必要だ。最後に固めた土の表面から乾燥しないように、ふかふかの状態の土を少しかぶせることも忘れてはいけない。つまり、最も大事なことは、当たり前のことなのだが、植樹する樹を枯らさないということだ。

作業

 作業はアジサイの苗木をコテージ近くの苗畑から遊学の森に運ぶことから始まった。これが重い・・・。運ぶだけで汗だくだ。運び終えたところで、植樹場所設定部隊と植樹部隊にわかれ、植樹開始。植樹場所は歩道沿いに約10m間隔で道の左右交互にした。鎌で草を刈り、苗木を置いていく。そこに植樹部隊が先ほどの要領で植樹するのだ。
 なんとか昼までに道沿いの一通りの植樹を済ませたのだが、午後の「田中さんチェック」で、半分くらいのアジサイが引き抜かれていく。急遽、再植樹部隊が編成され、ひたすら植え直し・・・。ようやく、コツをつかみ、川側の斜面と看板近くの「まとめて植えようポイント」にさらにひたすら植える。みんな慣れない作業で悪戦苦闘の様子だったが、いい経験になったのでは?

期待

 今年のアジサイシーズンはもう過ぎていたため、遊学の森に咲き乱れるアジサイの花を見ることは出来ないが、来年以降どんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。これで4月上旬のカタクリに加え、初夏のアジサイという楽しみが増えた。
 春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景・・・、楽しみは尽きない。

(文/佐々木紀之)


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