| 覚醒・至高体験の事例集
普通の人々の場合-1 |
ガンガジは、アメリカ人女性だが、ラマナ・マハルシの弟子パパジとの出遭いによって覚醒を得たという。ガンガジの『ポケットの中のダイヤモンド―あなたはすべてをもっている この本のレビューは、ブログ『精神世界と心理学・読書の旅』を参照されたい。 この本の冒頭に、彼女が覚醒に至るプロセスが書かれている。そのすべてを掲載するとあまりに長くなるので、前半は要約したい。 彼女は、その師となるパパジと向き合うことになる前、すでに自分を高める努力を重ねていた。心理療法、アファメーション、瞑想、数々のワークショップ、チャネリング、占星術、ダンス、向精神薬等々――苦しみを軽くしようと様々な方法を試みていた。しかし何ひとつ、効果はなかった。もちろん素晴らしい瞬間を体験したこともった。天啓、喜び、至福感、そして平安に満ちた瞬間。それでも、そのすべてを、苦しみの糸が貫いていた。頭の中にネガティブな考えや敵対心は湧き起こり続けた。 その時点の彼女の人生は、一般的なものさしで測れば素晴らしいものだった。二人目の夫を心から愛しており、娘は自分の人生に満足していた。健康状態もまずまずで、経済力は人並み以上であった。自分の仕事を愛し、その価値を信じていた。それでも、彼女はそれ以上のものを探し続けていた。自分が持っているものを失うのを恐れ、将来に希望を馳せたり、将来を恐れたり、を繰り返していた。 「私はクタクタでした! 私は、自分自身にも、日々自分を改善する努力に充てる、絶え間ない注意にも、すっかり幻滅していたのです。私は、自分がある周期にのっとって自分との関係を持っていることに気づいていました。その周期の一端には、自分に満足し、人生はうまくいっている、という感覚があり、反対の端には、迫り来る破局、人生の底に流れる惨めな経験、そして、宇宙全体の状況は絶望的である、という確信がありました。」 「私の心の中と外面の生活の出来事のほとんどを、悲しいほどにロマンチックな物語が覆っていることに私は気づいていましたが、この物語が現実でないなどとは夢にも思わなかったのです。」 「どうしたらいいのかわかりませんでした。比較的幸せで、ときには深い充実感さえ感じながら、名づけることのできない何かを強く切望するなどいうことがあり得るのでしょうか? この、心理的な苦悩のもつれを解きほぐすために、私は知っている限りの手を尽くしていました。」 『ポケットの中のダイヤモンド』において「物語」という言葉が印象的に繰り返し語られる。自分とは、こういう人間で、こういう人生を送ってきた、これからこういう生き方をしたい等々。自分が重ねてきた経験の自分なりの解釈、これからの人生への希望。それがどのようなものであろうと、それは「物語」に過ぎないとガンガジはいう。そして、たった今、自分の物語を語るのを止めよ、という。今、物語を語るのを止めるということはすなわち、どんな物語も超越して存在する真実に気づくのを先送りにするのを止めるということなのだ。 ガンガジ自身は、どのようにして彼女の「物語」から解放されていったのか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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