第1話 ケナフなハナシその2

2月某日、今日はメイも元気に学校へ出かけていきいました。

たっだいまぁ〜ただいまぁ〜。ふぅ、やれやれ。
おかえり…よお。学校はどうだった?あいつらちゃんと勉強してたか?
うん。とりあえずね。うん。とりあえずね。結構笑えたわ。
(笑えた…?)漫才でも見てきたみたいだな。いったいどういう授業参観だよ?
あははあはは、下手な漫才よか、よっぽどおもろかったわ。国語の授業でね、自作の物語と詩の発表だったんよ。子どもの考える事っておもろいわ。
ところでさあ、下駄箱のとこの掲示板にケナフについていろいろ掲示してあったわ。ケナフの茎とか、ケナフの種とか、ケナフの皮のところで作ったコースターとか。ケナフの種って何かアサガオの種みたいな形やね。
ふ〜んふ〜〜ん。ほかには?
たしか、学年発表会でケナフの発表したやつのビデオ見るとか言ってなかったか?
あ〜・・・あ〜、それね、見逃した。弟の方に行ってる間に・・。
まぬけ!あ゛〜肝心なところを〜〜!!ちゃんと見てこいよなっ。
何かこの間の話、消化不良起こしてんだから。よくわかんねーことが残ってると、すっきりしねーんだよ。ったく、、、
まあまあ、本人に聞いてみればいいんじゃない。そんなおこんなくても。
・・・当のご本人は、と〜〜〜っくの昔に遊びにいっちまってるぜ。相も変わらず遊んでばかりで、あいつの頭ん中にそんなこと残ってんのかよ。
むむっそんなぇ、おちょくらんといちゃって!あれでも成績は(そんなに)悪くないんだから。
本人が聞いたら、気ぃ悪するで、ほんま。(金魚ごときにおちょくられたら……)
・・・むっ・・・今、金魚ごときって言わなかったか?金魚ごときってどーゆーことだよっ。

・・・まあ、いいや。ところで、ケナフの話だけど、この前、野生化したら困るって話してなかったっけか?種ができてるって事は、、、
そうなんよそうなんよ。種ができるということは、和歌山では繁殖可能やって事になるかな。K小学校ではほとんど枯れてしまうまで露地でほっといちゃあるし、種がこぼれてるかも。
 それが雨で流され、どんぶらこどんぶらこと、紀ノ川の河川敷に流れつきました。気が付けば、河川敷にそれはそれは立派なケナフ畑ができました・・・ってなことにならないかなぁ。ちょっと心配。
でもさぁ、ちょっと調べたんだけど、ケナフって連作障害があるんだって。同じ畑で2年連続で作れないってゆう、、、。結構人手がかかる植物みたいよ。たぶんK小学校の校庭で来年、勝手にケナフが生えても、花がさいて種ができるほどには育たないっちゅう事みたい。でもねぇ、もし河川敷だったら、川によってどんどん栄養分が補給されるし、生き残れる可能性って全否定できへんように思うわなあ。
う〜ん・・・そりゃそうだ。何ごとにも100%ってことはないよな。
もし仮に野生化したとしたら具体的にはどのくらいの影響が出ると思う?
難しい問題やな難し問題やな。どの程度はびこるやろ?
もしもセイタカアワダチソウみたいに一面に広がったら、そら影響大きいで。普通はヨシとかが生えてるとこやから、がらっと環境が変わることになるしなあ。ヨシ原をすみかにしてる小動物には一大事やで。でもセイタカアワダチソウはめちゃめちゃ繁殖力が強いし、秘密兵器も持ってるやん。(参照:道端見てある記1999年10月号)ケナフはそこまで図太うないわな。生えてもちょこっとだけかも。ちょっとぐらいやったら、大丈夫かな?
大丈夫って・・・ 大丈夫と大丈夫じゃないって境界線はどこにあるんだ?少なくとも、今までの生態系の中に、新たに侵入した種があると、生態系はある程度のストレスを受けることは間違いない。それが在来の生物を絶滅に追いやるほど大きくなければ、ほんとに問題無しと見なしていいんだろうか?微妙にずれたバランスが思わぬところに影響が出たりすることはよくあるだろう。普通はいろんな要因が重なって問題が生じるので、このことの影響がここに出た、というふうに因果関係を証明できない場合の方が多い。でも、少なくとも要因のひとつになっているだろう事は予測できる。もし、ケナフが野生化して、後々何らかの環境の悪化みたいな事が起こったとして、『ケナフだけのせいでこうなったんじゃないんだから』ということで、ケナフの野生化の問題を解決しないでほっといてもいいものかどうか・・・。
そうだよねぇそうだよねぇ。いくつかの要因が考えられて、それらひとつひとつについて、『ケナフだけのせいじゃないんだから』 『○○だけのせいじゃないんだから』 『××だけのせいじゃないんだから』……とお目こぼししとったら、何にもなれへん。少なくとも、そんな要因になる可能性のあるものは小さな芽のうちにつみとっといてもいいんちゃう?
 幸い、ケナフは一年草だし、種さえできなければはびこらないんやろ?種ができる前には必ず収穫するとかって配慮を徹底的にすればいいんちゃうん?もし自生してるのを見つけても、結実する前に抜き去ってしまえば次の年にはもう生えない。駆除……って言い方が適当かどうかわわらへんけど、セイタカアワダチソウとちがってケナフは自生しても駆除できそうな気もするわなあ。とにかく、環境には出さへんようにすればいいんや。
そこなんだが・・・ そこなんだが、一般的に農作物の場合、収穫するのが最終目的だよな。畑に植えられたものは必ず刈り取られる。今、ケナフが問題視されてるのはまさにこの点じゃないかな。つまり、収穫され利用されるところのシステムがまだできあがっていない。そして主にケナフを栽培しているのが、学校とか、市民団体とか、個人とかで、とにかく栽培はしているものの、確実に全部次のステップである収穫そして利用までつながっていない。当然、管理に問題がある。”普通の農作物と同様に安全”とは言えない。だって、普通の農作物と同じような栽培環境にないんだから。
う〜〜んそうやね。ほんとの意味で、ケナフを日本で栽培しながら、環境に役立てようというのなら、まだ時期尚早のようやね。まだまだ解決しなきゃなんない問題がある。栽培、管理、加工の技術もそうだけど、二次的、三次的に派生してくるであろう問題もね。生態系に対する影響は、比較的考えやすいリスクなんじゃない?
 だいたい環境問題に関心のある人で『帰化植物』という言葉を知らない人はいないはずだと思うんだけど、改めて指摘されなきゃ、結構気が付かないもんだねぇ。
 確かに、ケナフ自体がセイタカアワダチソウのように猛威を振るって生態系に大打撃をあたえるほど蔓延してしまうとは考えにくいかもしれないけど、最初から野生化させないための配慮さえしていれば心配する必要もない。その配慮がそんなに難しいことだとは思えないんだが…。
う〜〜〜んどうやろなぁ。農家とちがって、市民レベルでの栽培って、そういうの徹底できひんとおもうで。とにかく、普及団体とかタネ屋さんとか農協とか教育委員会とか、みたいなところから指導でもあらへんかぎり無理やろなあ。案外こういう情報は伝わりにくいもんやで。
 
まったく!まったく、人間てやつは、なんでこう、自分でもどうにも解決できない問題を次から次へと持ち込むんだ。そんなもの最初からやめとけばいいんだっ!
最初から!最初から……!そうや!もと断ちすればいいんやんか!
い〜〜い事思いついちゃった(^_^)
これから日本に植えるケナフは、みんな”種なしケナフ”にする!
そしたらぜ〜〜〜ったいに野生化しない。
あ〜〜すっきりした。これで問題解決や。
種なしケナフ?種なしケナフって何だ?
だからぁだからさ、種なしぶどうとか、種なしスイカとかがあるんやから、ケナフも種ができないように品種改良しちゃえばええんや。種ができない一年草は絶対野生化できへんやんか。
簡単簡単。
つくづくのーてんきなやつ……な・なるほど。理屈ではそうなるかな。でも、おまえって、それで簡単と言い切るところが怖いぜ。
で、その種なしケナフは誰が作るんだよ。いつできんだ?
・・・・・えっ、あっ、そ、そ、そ、それは〜……わかんない……。
元から断つならそら見ろ。理屈こねるのと実際に実行するのとの間には大きな隔たりがあるんだよ
もと断ちするなら、最初から何も持ち込まなきゃいいんだ。ケナフだろうが何だろうが。
できへんにきまってるやろそんなこと、できへんにきまってるやろ!そうすると社会が成り立てへんのやって。
それになあ。今や、そんな消極的なことではどうにもできへんとこまで環境は悪化してるんかもしれへんで。新しいものや技術使って、積極的に取り組まなあかんのや。
もちろん、それには、いろんな配慮は必要やで
。ケナフブームはその配慮にちょっと欠けてたんかもしれへんし、どうやったらどのくらい環境保全に役立つかも未知数のまま草の根活動的な栽培がちょっと先行しすぎただけやんか。まだ取り戻せるんちゃう?
草の根活動ねぇ…草の根……ねぇ。日本の野生動植物から言ったら、ゲリラ的と言った方がいいぜ
確かにケナフみたいな性質の植物なら、まだ取り戻せるかもしれない。
だけどなあ、これから先、第2、第3のケナフブーム*4……『環境に優しい植物』ブームがきたらどうするんだ?またみんな飛びつくんじゃねーか?それが多年草だったら?種以外でも株で増えたり、伸ばしたツルから根を下ろしてどんどん増えたりするような植物だったら?
う〜〜ん、、、う〜〜ん、そうやなぁ。そりゃ困るわなぁ。
ケナフ栽培について、なんで反対の声があがったのかって事、また本当に環境保全に貢献するためには、どうすればいいのかって事をもっと広く知ってもらう必要があるよね
とにかく何か、行動を起こすときには、ありとあらゆる可能性を検討しなくちゃなんないし、リスクについて隠しちゃいけない。むしろ、もっとリスクの部分について詳しい情報を出してリスクを限りなくゼロに近づける努力はしなくちゃならないよね
あたりまえだそれが当たり前のはずだろ。生き物を扱うなら、それが動物であれ植物であれ、責任を持ってやってほしいもんだ。おれ達動物は、死んだらかわいそうとか何だとか言って結構配慮してくれてるかもしれないけど、人間ってば、ものを言わない植物に関しては責任って事を感じることがないんじゃないか?同じ生き物だぜ。
 ケナフがいいの悪いのって論争してるのも、ケナフにとっちゃいい迷惑だ。ケナフはただあたえられた環境の中で生きようとしてるだけ……問題は人間の行動にある
ほんとだねぇそうだよね。
ケナフのことでいろいろと勉強になったわ。ちょっとは環境に優しい人間になれるように努力するわ。
軽々と……ほんと、わかってんのかよ!軽々と”環境に優しい”なんて言うんじゃねー!

ケナフはちょっとおいとくけどなぁ、おまえ、玄関前に生えてるヤツやったらはびこってるぜ。
あれも外来植物じゃねーか!?
えぇっ!えええっ!そ、そうなの?(参照:道端見てある記2月号

……ほんとだ、ヒメツルソバ……ヒマラヤ原産。あ、あ、あれってこの近所のあっちこっちではびこってんで。種でも増えるし、茎からも根っこ出して……へたすりゃコンクリートの上でもちょびっとだけ土があったら生えてるし……。
どうやらどうやら、これ以上帰化植物を増やさないためには、ケナフだけ気にしててもダメなようだな。ガーデニングとか何とかが流行ってて、誰でも簡単に珍しい花を庭に植える……。
そんなところからもどんどんと外来植物の帰化が始まっている。
えええぇ〜〜〜!そ、そ、そういえばアロエなんかほかしても勝手に生えて花まで咲いてるし、トラデスカンチアも抜いても抜いても庭いっぱいに生えてくるし、実家の庭は植木の足下一面にブライダルベールがはびこってるし、ディモルフォセカも一株しかなかったのにいっぱいに増えてるし、ランタナも種が落ちてはいっぱい芽が出てきてるし、………園芸植物って、ほとんどが以来植物じゃん!
えええぇ〜〜〜!どないしたらええのぉ。お花のない生活なんて、、、そんな潤いのない……いやじゃ〜〜考えられへん〜〜!!!
それこそ、それをどう管理するかって、それこそ植物を扱う人間の責任って訳だな。
……抜いちまえ!
い、い、いやじゃ〜〜やだよぉ〜〜!だって、だって、だって、グラウンドカバーに最適なんよ、あれ。絨毯みたいに広がってかわいいし。それに、それに、あれを抜いちゃったら、むき出しの土に野良猫がウ○チをする!それだけはぜ〜〜〜ったい、いやじゃ〜〜!
ふっふっふっ環境に優しい人間になるんだろぉ?そんなわがまま言ってていいのかなぁ?
ふぇ〜〜んふぇ〜〜ん、いやじゃぁ〜〜〜。絶対これ以上はびこらないようにするもん。ぜんぶぬいちゃうのはいやじゃ〜〜!
よしよし、泣くな……ま、そういう管理が第一歩ってとこだな。
ともかく、あれとなりの敷地まではびこってるぜ。
環境がどうのこうのと言うより、近所迷惑なんじゃないの?

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