少女ヘジャル

◎概要

タイトル 少女ヘジャル      原題:Hejar / Buyuk adam kucuk ask
監督・製作年 ハンダン・イペクチ   製作年:2001
放映時間など 120分
舞台となる国 トルコ共和国   Republic of Turkey
 在日本大使館のHP
 外務省ホームページ(各国インデックス・トルコ)
空間的移動など 1都市(イスタンブール)とクルド人居住地区  
アクティビティの
ポイント
○トルコにおけるクルド人の様子
感想一言 時代背景は1998年で、トルコ政府軍とクルド人反政府ゲリラとの対立が最も過激な時期だったそうだ。この映画は警官のクルド人への扱い方が残虐すぎるという理由などで、トルコでは一時上映禁止になったが、再び上映を許可されて10万人を動員するヒット作という
いわば社会派の問題作ではあるが、この映画の魅力は少女を囲む俳優陣の確かな演技力とリアリズムに徹した映像に支えられている。単なる問題告発に留まらない質を持つ映画を作り上げたトルコ映画界の底力を感じる。
なお「ヘジャル」とはクルド語で「抑圧された人」の意味。
配給会社 アニープラネットの公式サイト
公式サイト アニープラネットの公式サイト 少女ヘジャル
 注)ストーリーや登場人物などについては、上記の公式サイトかミニパラ を参照してください。

◎アクティビティ

Q1: トルコの位置を地図で確かめよう。
A1: 下の地図に周囲の国の名前や、海洋の名称を記入してみよう。

 

Q2: 面積などをトルコと日本で比較してみよう。

A2: 比較表を作成してみました。

  トルコ共和国 日 本
面積 775千キロ平米 377千キロ平米
人口 7133万人(2003) 1億2765万人(2003)
首都 アンカラ(320.8万人)(2001) 東京(区部人口808万人)
(2003)
緯度 アンカラ 北緯39度55分
(東京より少し北)
札幌 北緯43度03分
東京 北緯35度41分
那覇 北緯26度12分
月平均気温 イスタンブール 1月 6.0度
        7月23.5度
東京 1月 5.8度
   7月25.4度
年間降雨量 イスタンブール 691.2mm 東京 1466.7mm
国の周囲 ヨーロッパ側では、ギリシャ、ブルガリアと、アジア側ではグルジア、アルメニア、イラン、イラク、シリアと接する。 海に囲まれた島国
国 土 アジア大陸とヨーロッパ大陸の境界であるダーダネルス海峡の両側にあたる。地中海に面した地域は地中海性気候、アナトリア内陸部は乾燥気候など、変化に富んでいる。 アジア大陸の東縁の島国
気候は南部が温帯、北部は冷帯
言 語 トルコ語(公用語)90%、クルド語7% 日本語
宗 教 イスラム教(スンナ派)99%、キリスト教、ユダヤ教 仏教、神道、キリスト教

Q3: クルド人の住んでいる国はどこか。また主な居住地域を地図に示してみよう。

A3: トルコ、アルメニア、イラン、イラク、シリアにまたがる地域で、総人口は2500万人を超えるといわれる。(池上彰著「ニュースの地図帳」講談社P26-27 などの地図を参照のこと)
特にイラク戦争後は、イラク国内のクルド人の活動が活発化しており、そのことがトルコ国内のクルド人の独立運動を刺激することに、トルコ政府は大きな懸念をもっているようだ。

Q4: トルコ人である老判事とクルド人であるヘジャルの行動を比較してみよう。

A4: 比較表を作成しました。
  
  元判事(ルファト) 少女ヘジャル
民族 トルコ人 クルド人
話せる言語 トルコ語 クルド語
年齢 75歳 5歳
家族構成

一人暮らし。トルコ人の妻とは死別。1人息子は軍人で既に死亡? 家政婦を1人雇っているが、彼女がクルド人であることを知らなかった。

両親は、トルコへのクルド人の抵抗運動のあおりで死亡。ヘジャルはおじに引き取られ、さらに住宅事情から、老判事の向いの部屋に住む従兄弟・弁護士夫婦のところへ預けられる。
住居 イスタンブールのマンションの2階か3階にある部屋。広いリビングがあり、他に書斎などがある。日本で言えば4LDK以上。
一人暮らしなので、このまま暮らし続けるか、老人ホームに入るか迷っている。
戦火に追われ、叔父の友人の家で暮らす。場所は丘陵にあるクルド人の居住地区で、道路が整備されておらず、近くに商店などもない。1部屋に親戚のクルド人の子ども14人と一緒に暮らしていた。
レストランでの食物 「脂身をとった肉」と指定して注文。(ヨーロッパの健康志向の影響を受けているのか、トルコ料理であるシシカバブーはあえて注文しない。)
シシカバブー(トルコの代表的な肉料理。元判事が注文した。)

Q5 なぜ元判事は、当初ヘジャルと家政婦がクルド語を話すのを禁じていたか。

A5:

クルド語を使用すると罰せられた。

Q6: 元判事はヘジャルの叔父を訪ねてクルド人の居住地区へ行ったが、どんな印象を持ったか。隣接地区に建設されていたニュータウンと比較しながら考えよう

A6:

隣接地区のニュータウンとクルド人の居住地区の比較表を作りました。

  隣接地区のニュータウン クルド人居住地区
地区の入口 特にない(映像としてはないが、通常の住宅地なので、そう推測される。)

監視所があり、係員(警官?)に身分証明書を提示しないと地区内に入れない。
建物 10階建てくらいの中高層の集合住宅が10棟ほど。計画的に配置されていて、建てられてから間もない感じ。
木造平屋建ての住宅が点在。
ヘジャルの叔父が間借りしている家は3LDKぐらいか。ここに10人以上が暮らすのは厳しい。
土地の造成 集合住宅、道路、排水路等とともに計画的に造成されている感じ。

自然地形のままの丘陵で、裸地状態。

道路や排水路の整備
計画的に十分な道路と排水路が整備されている様子。街路樹なども整備されている。

道路は未整備。排水路も未整備で、雨が降ると小さな川や池ができそうで不衛生。

今後の整備

計画的に整備されているようなので、特に問題はないと思われる。

都市が拡大していけば、ニュータウン建設用地になりそう。その場合は立ち退きを迫られるだろう。


Q7: なぜ元判事は、自らクルド語を学ぼうと思ったのか。

A7:

(想像だか)ヘジャルの叔父の家を訪ねて、クルド人の窮状を始めて知った。自分と同年代でもあるヘジャルの叔父の負担を軽くするためにも、ヘジャルを引き取って育てたいと思い、そのためにもクルド語を学ぶ必要があると思った。
 また、自分が今までクルド人に対して無関心であったことを恥じ、クルド語を禁じられているためトルコ語を話していたヘジャルの叔父や家政婦のことを思い、彼らと人間として付き合っていくためにも、自分がクルド語を学ぶ必要があると思った。

Q8: ヘジャルは、クルド人の叔父の所か、豊かな生活ができる元判事の所か、いずれかで生活することを選択できた。ヘジャルはどちらを選択したか。またその理由を考えよ。

A8:

クルド人の叔父の所を選択した。ヘジャルは、幼いとはいえ元判事の所の方が豊かな生活ができることは分っていた。しかし元判事の所で生活するには、トルコ人として学校へ行き、トルコ語を使って生活していくことになる。
豊かさよりもクルド人としての生活・民族の誇りの方を選んだ。

Q9: この映画は上映禁止になった後、裁判によって再び上映を認められたが、上映が認められた理由についてトルコの国内外の事情を考慮しつつ考えてみよう。

A9:

トルコは、EUへの参加を目指している。EUへの参加条件の一つとして、国内に人権問題などがないこと、言論の自由が保証されていることがあげられる。映画の上映禁止は、言論の自由を侵しているし、またクルド問題の解決の難しさを認めることにつながる。



2004.07.23 東京都写真美術館ホール(恵比寿)
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