コーカサスの虜

◎概要

タイトル コーカサスの虜     原題:
監 督 セルゲイ・ボドロフ(ロシア)  
製作年:放映時間 製作年:1996年   放映時間:95分
舞台となる国 ロシア連邦   Russian Federation
 在日大使館のHP
 外務省ホームページ(各国インデックス・ロシア)
空間的移動など 1点型:ロシア・カフカス(コーカサス)地方
アクティビティの
ポイント
○カフカス地方の生活の様子
○チェチェン問題
感想一言 トルストイの同名短編とその他の小説の内容を組み合わせて、現代のチェチェン紛争に置き換えたもの。2人のロシア人捕虜とコーカサスの人々との交流と戦争の悲劇を描く。トルストイの時代から100年以上もたつが何ひとつも変わっていない。
配給会社 アップリンク
公式サイト uplinkのコーカサスの虜のページ
 注)ストーリーや登場人物などについては、上記の公式サイトを参照してください。

◎アクティビティ

Q1: ロシアの位置を地図で確かめよう。

A1: 下の地図に周囲の国の名前や、海洋の名称を記入してみよう。

 

Q2: 面積などをロシアと日本で比較してみよう。

A2: 比較表を作成してみました。

  ロシア連邦 日 本
面積 17,075千キロ平米 377千キロ平米
人口 14,326万人(2003) 1億2765万人(2003)
首都 モスクワ(830万人、1998年) 東京(区部人口808万人、2003年)
緯度 モスクワ 北緯55度45分
(札幌よりもかなり北)
札幌 北緯43度03分
東京 北緯35度41分
那覇 北緯26度12分
月平均気温 モスクワ   1月-7.5度
       7月18.4度
東京 1月 5.8度
   7月25.4度
年間降雨量 モスクワ 705.3mm 東京 1466.7mm
国の周囲 北は北極海、東はベーリング海峡(対岸はアラスカ)、オホーツク海、日本海(対岸は日本)、太平洋に臨み、南は北朝鮮、中国、モンゴル、カザフスタン、アゼルバイジャン、グルジア、西は、ウクライナ、ベラルーシ、ラトビア、エストには、フィンランド、ノルウェーなど多数の国と接している。 海に囲まれた島国
国 土 大きく3つに分けられる。西部:東経約60度にあるウラル山脈まで。中央部:ウラル山脈から中央シベリア高原まで。東部:中央シベリア高原から極東地域。 アジア大陸の東縁の島国
気候は南部が温帯、北部は冷帯
言 語 ロシア語、タタール語、ウクライナ語、その他多数の民族語 日本語
宗 教 東方正教(ロシア正教)、ウラル地方とカフカス(コーカサス)地方はイスラム教 仏教、神道、キリスト教

Q3: 「コーカサス」は、現在教科書などではロシア語読みの「カフカス」と表記されています。コーカサス(カフカス)とはどんな地域ですか。
A3: 黒海とカスピ海に挟まれた地域で、ロシア南西部、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンからなる。中央部をカフカス山脈が通る。200以上と言われるほど少数民族が多く居住している。

またカスピ海沿岸のアゼルバイジャンのバクー油田からパイプラインが、黒海沿岸の港湾(ヨーロッパなどに輸出)やロシア内陸部に建設されており、さらに地中海まで伸びるパイプラインの建設予定もある。

チェチェンは、バクーからのパイプラインが、黒海向けとロシア向けに分れる分岐点にあり、ヨーロッパ及びロシアへの石油エネルギー供給の拠点として重要な地点である。このことが、ロシアがチェチェンの独立を容認できない大きな理由となっている。

Q4: コーカサスの集落はどのようなものでしたか。また家の造りはどんなものでしたか。
A4: 集落は、丘陵部の頂上部に形成されていて、200〜300ぐらいの家屋が密集していた。地上から見ると山上にある要塞のようで、敵から防御することを重点に作られている。歴史的にみても、モンゴルやティムールなどの遊牧騎馬民族の進出などをはじめ外敵が多く、こうした集落が形成されたのだろう。
ただし乾燥気味のためか丘陵部には木が少なく、上空からは建物が丸見えで、空爆には全くの無防備である。近年のチェチェン紛争においてはロシア軍の空爆により、数多くの集落が破壊されたというが、それは容易だったのではないかと思う。
家屋の造りは石造りで、外壁は平べったい石を重ねて、その間をコンクリートなどで固めたもの。内部の壁(捕虜が入れられた地下の部屋など)にはレンガも使用されていた。家畜などの放牧は、周辺の丘陵地などで行っていた。

Q5: ロシア人の捕虜が脱走しようとして地下室の壁を壊したところ、その奥に隠し部屋があり、ワインやウオッカなどの酒が隠されていました。誰が、どうして酒を隠していたのですか。
A5: この集落はイスラム教徒であるが、イスラム教では飲酒を禁じている。このため、考えられる1番目としては、この人々が以前の宗教からイスラム教に改宗する際に、密かに酒を隠しておいたことが考えられる。2番目としては、今の人々(イスラム教徒)がこの地に居住する前に、イスラム教徒ではない先住者がいて、この先住者がイスラム教徒が来る直前に隠したとも考えられる。
いずれにせよ、酒を隠したまま忘れ去られていたのであるが、旧家を立て壊したときに古い酒が見つかるという例はイスラム圏ではよくあるようだ。

Q6: ロシア人の兵士が酒を買うのに代金としてピストルを置いていきました。これはどんなことを意味していますか。
A6: 旧ソ連の崩壊後、財政難に陥ったロシアでは軍人への給与支払が滞るなど軍の待遇が低下し、その結果軍の士気も低下した。そのため兵器の管理がずさんになり、武器を売って金を得ようとするものが多いことを示したシーンである。こうした武器の流出は、海外にも及んでおり、国際的なテロリストの手に渡っている可能性も指摘されている。特に核兵器などの大量破壊兵器の流出問題は、国際的な関心事となっている。

Q7: コーカサスの人は若い兵士を逃がしますが、その後に若い兵士はヘリコプター4台が集落のほうへ向かうのをみます。これは何を意味していますか。
A7: ヘリコプターは、ロシア軍のもの。軍の幹部が射殺されたことへの報復を行った。これは、コーカサスの人が兵士を逃がし、憎しみの連鎖を起こさないようにしたことと対照的な対応である。


■その他
 40人収容の小さな映画館(学校の教室程度の大きさ)でみたのだが、DVDをプロジェクターで映写していた。画面サイズが小さいこともあるが、映像的には問題なし。
 このようにDVDとプロジェクターで映写できれば、地方でもフィルムの貸し出しの手配や、映写技師の資格を持った人を探さなくても立派な映画会が開催できる(ただし著作権の関係で有料化はダメだと思う)。ちなみに「コーカサスの虜」のDVDは2940円(税込み。配給会社のHP参照)。

 また映画を見た後、原作も読んでおこうと思い本を探しましたが、トルストイは最近出版されていないらしく、ひと苦労しました。練馬図書館にあるのをHPからみつけて借りにいったのですが、古い本なので地下の書庫から係りの人が出してくれました。子ども向けに書かれたものでした。


2004.11.19 アップリンクX(渋谷)
Top Pageへ 外国映画紹介とアクティビティ教材に戻る