風がふくまま

◎概要

タイトル 風がふくまま  原題:
監 督 アッパス・キアロスタミ(イラン)  
製作年:放映時間 製作年:1999年   放映時間:118分
舞台となる国 イランイスラム共和国  Islamic Republic of Iran
 在日大使館のHP
 外務省ホームページ(各国インデックス・イラン)
空間的移動など 1点型:イラン西部のクルド人系住民の村
アクティビティの
ポイント
○イラン北部のクルド系住民の生活の様子
感想一言 クルド系住民の葬儀を、住民には内緒で映像に収めようと村に訪れた監督。だが、病気のおばあさんがなかなか亡くならず、スケジュールは限界に近づく。
配給会社 ユーロスペース
公式サイト ユーロスペース 高松宮殿下記念世界文化賞受賞記念おめでとう!キアロスタミ!!
 注)ストーリーや登場人物などについては、上記の公式サイトかミニパラ を参照してください。

◎アクティビティ

Q1: イランの位置を地図で確かめよう。

A1: 下の地図に周囲の国の名前や、海洋の名称を記入してみよう。

 

Q2: 面積などをイランと日本で比較してみよう。

A2: 比較表を作成してみました。

  イランイスラム共和国 日 本
面積 1648千キロ平米 377千キロ平米
人口 6892万人(2003) 1億2765万人(2003)
首都 テヘラン(704万人、1998年) 東京(区部人口808万人、2003年)
緯度 テヘラン 北緯35度41分
(東京と全く同じ緯度)
札幌 北緯43度03分
東京 北緯35度41分
那覇 北緯26度12分
月平均気温 テヘラン   1月 2.8度
       7月30.7度
東京 1月 5.8度
   7月25.4度
年間降雨量 テヘラン 219.2mm 東京 1466.7mm
国の周囲 北はカスピ海沿岸でアルメニア、アゼルバイジャン、トクルメニスタン、西はトルコ、イラクと接し、南はペルシャ湾とインド洋に臨む。東はアフガニスタン、パキスタンと接している。 海に囲まれた島国
国 土 北部・南部は山地で森林が多いが、その他は大半が砂漠で乾燥気候。北部のカスピ海沿岸は地中海性気候である。 アジア大陸の東縁の島国
気候は南部が温帯、北部は冷帯
言 語 ペルシャ語(公用語)、英語・フランス語・トルコ語も通用 日本語
宗 教 イスラム教(シーア派)98%、その他ゾロアスター教が少数 仏教、神道、キリスト教

Q3: クルド人の住んでいる国はどこか。また主な居住地域を地図に示してみよう。

A3: トルコ、アルメニア、イラン、イラク、シリアにまたがる地域で、総人口は2500万人を超えるといわれる。(池上彰著「ニュースの地図帳」講談社P26-27 などの地図を参照のこと)
特にイラク戦争後は、イラク国内のクルド人の活動が活発化しており、このことがトルコやイランなど周辺国内のクルド人の活動にどのような影響が生じるか注目されている。
注)トルコのクルド人については少女ヘジャルの項参照
Q4: この村落の家の特徴を述べなさい。
A4: 山岳部の中でも急峻な岩山の頂上部にあり、城壁はないが敵からの防御を優先させた村の造りである。
家は岩山の斜面をくりぬいたり、レンガとセメントのようなもので骨格が作られ、一部は木造となっている。斜面を利用しているので階段が多く迷路のようである。それぞれの家の屋根にあたる部分が、上にある家のテラスになったり、通路になっている。
また地下室のようなものもあり真っ暗なのだが、そこで牛を飼い乳を搾っていた。
村落の中心部には広場があり、そこから多くの家の様子が伺える。

Q5: この村の女性の特徴について述べなさい。
A5: 年配の女性は黒っぽいブルカを着ているが、色々な模様が入っているのが特徴(通常のイスラム教国では模様なしが多いようだ)。必ずしも黒でなくてもよいようで、赤や青を基調とした模様入りの服も多い。髪はスカーフで隠しているが、これもカラフルなもの。
女性は働き者で妊娠中も出産前日まで家事を行い、出産後すぐに復帰していた。また年配で、副業として夕方広場でカフェ(チャイを出す)を開いていた女性がいる。
若い未婚の女性は、よそ者の男性には顔を見せないようである。


■その他

井戸を掘る青年は結局スクリーンには登場せず、その恋人の若い女性は顔を最後まで見せない。この言わば「映像として欠落した箇所」が、妙な感じで刺激してくる。低予算で素人を俳優として使う制約を意識的に逆手にとったというより、開き直った演出と思うが、どうしてこうも効果的なのか。その手があったかと思うと同時に、ちょっとずるい感じもする。
たまたま撮っちゃいましたという感じの「陸ガメ」のシーンも含めて、キアロスタミ監督は世界的な名声を得ても、こんなずるい映画を撮り続けていくのだろう。それが楽しみになってきた。

「映像として欠落した箇所」を、実写から離れてコンピュータ・グラフィクを使ってまでして埋め合わそうとする傾向が強いハリウッド映画と好対照だと思う。
個人的な好みの問題だが、きまじめに「映像として欠落した箇所」を埋めていく映画よりも、キアロスタミ監督のずるい映画がどんどん好きになってきた。


2004.10.15 ユーロスペース(渋谷)
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