オリーブの林をぬけて

◎概要

タイトル オリーブの林をぬけて  原題:
監 督 アッパス・キアロスタミ(イラン)  
製作年:放映時間 製作年:1994年   放映時間:103分
舞台となる国 イランイスラム共和国  Islamic Republic of Iran
 在日大使館のHP
 外務省ホームページ(各国インデックス・イラン)
空間的移動など 1点型:イラン北部の村(大地震に襲われた村)
アクティビティの
ポイント
○イラン北部の村の様子
○大地震後の復興の様子
感想一言 イランの映画なのでなにげなく見にいったが、後で調べたら90年代を代表する名作。
気のきいたラストシーン、美しい映像のラストシーン、名作の多くはこのどちらかだと思っていた。ところがこの映画はこの2つを同時に実現した奇跡のようなラストシーン。しかも低予算で、いとも簡単に撮ったような印象。
この映画のおかげで、映画表現の特性、つまりテレビドラマや舞台劇の表現との違いを私は始めて理解できた。今まで見逃していたことを悔やんだ。
配給会社 ユーロスペース
公式サイト ユーロスペース 高松宮殿下記念世界文化賞受賞記念おめでとう!キアロスタミ!!
 注)ストーリーや登場人物などについては、上記の公式サイトかミニパラ を参照してください。

◎アクティビティ

Q1: イランの位置を地図で確かめよう。

A1: 下の地図に周囲の国の名前や、海洋の名称を記入してみよう。

 

Q2: 面積などをイランと日本で比較してみよう。

A2: 比較表を作成してみました。

  イランイスラム共和国 日 本
面積 1648千キロ平米 377千キロ平米
人口 6892万人(2003) 1億2765万人(2003)
首都 テヘラン(704万人、1998年) 東京(区部人口808万人、2003年)
緯度 テヘラン 北緯35度41分
(東京と全く同じ緯度)
札幌 北緯43度03分
東京 北緯35度41分
那覇 北緯26度12分
月平均気温 テヘラン   1月 2.8度
       7月30.7度
東京 1月 5.8度
   7月25.4度
年間降雨量 テヘラン 219.2mm 東京 1466.7mm
国の周囲 北はカスピ海沿岸でアルメニア、アゼルバイジャン、トクルメニスタン、西はトルコ、イラクと接し、南はペルシャ湾とインド洋に臨む。東はアフガニスタン、パキスタンと接している。 海に囲まれた島国
国 土 北部・南部は山地で森林が多いが、その他は大半が砂漠で乾燥気候。北部のカスピ海沿岸は地中海性気候である。 アジア大陸の東縁の島国
気候は南部が温帯、北部は冷帯
言 語 ペルシャ語(公用語)、英語・フランス語・トルコ語も通用 日本語
宗 教 イスラム教(シーア派)98%、その他ゾロアスター教が少数 仏教、神道、キリスト教

Q3: 大地震で被害を受けたイラン北部の村が舞台です。自然環境について、特に地震で倒壊した家と現在住んでいる家に注目しながら整理しなさい。
A3: 地震で倒壊したこの地方の伝統的な家屋は、岩山の斜面に建てられた石・レンガ(コンクリート)作りの家。
現在の家は道路沿いの木造家屋。道路沿いは埃っぽくて嫌いなようだ。家もコンクリート造りが好みのようで、木造はあくまで仮設住宅という感じ。
イランでも家を建てるということは大変なことのようで、持家がないということが、ホセインの弱みでもあった。

Q4: この映画のタイトルにもなっているオリーブの植生の特徴について述べなさい。
A4: イラン北部の一部は地中海性気候でもあり、オリーブは自生しているようだが、整然とした植林もされていることが、映像からうかがえる。

Q5: イラン人は紅茶好きで、休憩時には必ず紅茶(チャイ)を飲んでいた。このお茶の習慣について調べなさい。
A5: インドでは、紅茶にシナモンやミルクを加えたものをチャイと呼んでいますが、イランでは紅茶をそのまま味わう。お茶と一緒に配っていた飴みたいなものは、未精糖の砂糖ですぐに溶けない塊になっていて、これを先に口に入れてから紅茶を飲む。
映画の中でスタッフに休憩の際は必ずチャイを配っていましたが、砂糖をとる人は半分くらいでした。なおチャイはグラスで飲み、日本のように陶器では飲まないとのこと。熱いチャイの場合はグラスが持てなくなりますから、グラスソーサーを付ける。

(参考)「イラン映画をみにいこう」株式会社ブルース・インターアクションズ
Q6: 映画のなかで、監督はホセイン(夫の役)とタヘレ(妻の役)の台詞に何度もNGをだし、くり返し撮影しているシーンがあります。このシーンは、どんな効果を生んでいると考えられますか。
A6: ホセインは「自分の親戚も25人が死んだ」というのを、監督の指示で「65人」に言い換えている。映画というものがある程度の嘘を許容すると、俳優を目指す彼なりに考えたのではないか。
タヘレは「ホセインさん」と呼ぶようにという監督の指示を、最後まで聞かず「ホセイン」で通した。イランではかつて妻は夫を「さん」付けで呼んでいて、地方ではその風習が残っているらしい。タヘレは勉強好きは少女で、事実でないことを言うことはできなかったのだろう。


■その他

 前にも書いたが、イラン人は絶対に謝らない。そんな日本人には奇妙な会話も楽しみのひとつ。

 なお、故淀川長治氏が「オリーブの林をぬけて」を1994年のナンバーワンと、ベタほめしていた文章をみつけた。映画を心から愛している人しか書けない名文、リンクしておきました。
 淀川長治の銀幕旅行 クローズ・アップ
(キアロスタミ監督の「クローズ・アップ」の批評の中で「オリーブの林をぬけて」に言及)
 この「クローズ・アップ」もラスト・カットが素晴らしい映画だった。


2004.10.01 ユーロスペース(渋谷)
Top Pageへ 外国映画紹介とアクティビティ教材に戻る