午後の五時/ハナのアフガンノート

◎概要

タイトル 午後の五時    英題:At Five in the Afternoon 
監督・製作年 サミラ・マフマルバフ  製作年:2003
放映時間など 105分
舞台となる国 アフガニスタン Afghanistan
 (アフガン戦争後のアフガニスタン)
 外務省ホームページ(各国インデックス・アフガニスタン)
空間的移動など 1都市内  (カブール)
アクティビティの
ポイント
○アフガン戦争後のアフガニスタン(カブール)の様子
○イスラム国(アフガニスタン・イラン)と女性
感想一言 「午後の五時」は、タリバン崩壊後のアフガニスタンで、大統領になるという夢を持った若い女性の物語。イランの女性監督(22歳)によるイスラム国と女性の問題を描いた作品。
(メイキングムービーである「ハナのアフガンノート」は下方を参照)
配給会社 東京テアトル
公式サイト 午後の五時 公式サイト
 注)ストーリーや登場人物などについては、上記の公式サイトかミニパラ を参照してください。

◎アクティビティ

Q1: アフガニスタンの位置を地図で確かめよう。またイランとの位置関係を調べよう。
A1: 地図に周囲の国の名前や、海洋の名称を記入してみよう。



Q2: 面積などアフガニスタンと日本を比較してみよう。

A2: 比較表を作成してみました。

  アフガニスタン 日 本
面積 652千キロ平米 377千キロ平米
人口 2390万人 1億2765万人(2003)
首都 カブール(245万人、1999年) 東京(区部人口808万人、2003年)
緯度 カブール 北緯34度33分
(東京都ほぼ同じ)
札幌 北緯43度03分
東京 北緯35度41分
那覇 北緯26度12分
月平均気温 カブール 1月-2.8度
     7月24.4度
東京 1月 5.8度
   7月25.4度
年間降雨量 カブール 338mm 東京 1466.7mm
国の周囲 海には面していない内陸の国
国境を接している国は、パキスタン、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、中国
海に囲まれた島国
国 土 国土の4分の3は高山地帯。
大半が乾燥気候。
アジア大陸の東縁の島国
気候は南部が温帯、北部は冷帯
言 語 ダリ語(ペルシャ語系)50%、パシュトゥー語35%(以上公用語)、トルコ系諸語11% 日本語
宗 教 イスラム教スンナ派84%、シーア派15% 仏教、神道、キリスト教

Q3: 主人公の女性ノクレの父は、厳格にイスラム教の教えを守っており、その点ではタリバン(原理主義)と考え方が似ています。その特徴をあげなさい。
A3: 1.女性はチャドルで顔を隠すべき
 顔を出している女性を見てしまうと、顔をそむけて「神よ、お許し下さい」という。
2.女性は学校へ行くべきでない
 主人公は父親から隠れて学校に通っている。
3.女性はおしゃれをすべきでない。
 主人公は父親から隠れてハイヒールを履いている。
4.音楽は人を堕落させる。
Q4: 主人公の住処は、タリバン政権下でパキスタンへ逃亡していた人たちなどの多数の帰国者に占領され、転々と移動を繰り返します。どのような場所に住んでいましたか。

A4: 1.(アメリカ軍の攻撃で?)崩れかかった石造りの家
2.放棄されていた旅客機の残骸の中
3.かつての政府などの建物?(中に地雷や爆弾などが残っている恐れがある)
Q5: パキスタンから帰国した青年は4人兄弟で「1人はソ連、1人は内戦、1人はタリバンで死に、自分だけ生き残っている」といいましたが、この意味を考えましょう。
A5: ○ソ連:1979-1988年、ソ連(現在のロシア他)が侵攻し、ゲリラ戦闘が起こる。
○内戦:1988-1998年頃、ソ連が撤退した後に内戦状態になる。
○タリバン:1998-2001年、タリバンが政権を握るが、反対勢力と戦闘が続く。

アフガニスタンの政情不安の歴史を、青年の兄弟の死で象徴的に表現している。
Q6: ノクレと兄嫁は、父に従って住処を探してを転々とした後、カブールを離れて旅にでます。このことはどんなことを象徴していますか。

A6: イスラムの教えを厳格に守ろうとする父(タリバンなどを暗示させる)は、現実の世界に柔軟に対応できなくなっている。しかしイスラム教では女性は親や男性に従うものとされているため、ノクレたちは父の生き方に逆らう意志さえも持っていないように見える。




ハナのアフガンノート

◎概要

タイトル ハナのアフガンノート  英題:Joy of Madness
監督・製作年 ハナ・マフマルバフ  製作年:2003
放映時間など 73分
舞台となる国 アフガニスタン Afghanistan
 (アフガン戦争前のタリバン政権下)
 外務省ホームページ(各国インデックス・アフガニスタン)
空間的移動など 1都市内  (カブールかカンダハルのようである)
アクティビティの
ポイント
○アフガニスタンの人々とイランの映画制作者たちとの対比
○イスラム国の女性の立場(イランの若い女性監督と、タリバン政権下で抑圧されていたアフガニスタンの女性)
感想一言 「午後の五時」のメイキング・ムービーで、サミラ監督がアフガニスタン人の出演者に翻弄されながら、映画制作を進めていく様子がおもしろい。同じイスラム国であってもイランでは女性監督が男性を指揮しながら優れた映画を製作しているのに、隣国のアフガニスタンではタリバン政権下で女性は教育さえ受けることができなかった。
その意味で、「午後の五時」を見た後に見るべきです。
監督は世界最年少でロードショー上映されたイランの12歳の少女。「午後の五時」のサミラ監督の妹で、イランで最も有名な監督の1人モフセン・マフマルバフの娘。
配給会社 東京テアトル
公式サイト ハナのアフガンノート 公式サイト

◎アクティビティ

Q1: 「午後の五時」「ハナのアフガンノート」に出ているアフガニスタンの女性とイランの女性を比較してみよう。
A1: (隣国間であっても、かなり違うものだと思い、試みに作ってみました。
 イスラム教国の女性をひとくくりに表現することは止めたい。)

女性の
年齢
イラン アフガニスタン
22歳 (例)サミラ監督

最初の監督作品が18歳のとき。
「午後の五時」を企画して、アフガン戦争直後のアフガニスタンに来て、映画を撮り始める。エネルギッシュ。
お化粧もしていて、いわゆるオリエント系の美女。
(例)「午後の五時」のノクレ役の女性

学校の教師をしている。夫はタリバンに捕らえられ行方不明。日本人に似た顔立ち。
出演するかどうかで二転三転した態度をとり、サミラ監督をいらだたせる。
(注)アフガニスタン人は政権が安定せず、密告制度などがあったため、素直に自分の意見をいわない傾向があるとのこと。
12歳 (例)ハナ監督

自分でDVカメラを持ち大人に混じって撮影。
タリバン政権下では女性の教育を禁止していたので、義務教育などを受けたことがない。
娯楽は禁じられていたので、映画は見たことがないはず。当然DVカメラなど知らないだろう。



2004.12.21 新文芸座(池袋)
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