■アクティビティの「問い」「回答例」について
本HPの映画紹介の特徴は、アクティビティ教材からヒントを得た「問い」と「回答例」を作成したことです。
これら作成した「問い」「回答例」は学ぶ者の経験・年齢等を考慮して、取捨選択・改良してください。あくまで試案、たたき台です。あえて思い切った「問い」も作ってみました。私は一民間企業人ですから、教師経験や深遠な教育思想に基づいて作成したのものではありません。
ただ「問い」には、「回答できる問い」と「回答できない問い」の2つがあることに気づきました。
さらに「回答できない問い」には、いろいろなケースが想定されるために回答が絞り込めない場合と、生涯問い続けるべき回答不能な問いの場合があると気づきました。「回答例」が空欄のものは、現在の私には「回答できない問い」だったということです。
教育の現場では評点をつけるため「回答できる問い」が必要でしょうが、人生では「回答できない問い」を問い続けることも重要だと思ったりします。
「ひとつの出来事について、いくつもの解釈 −主人公の主観のみに基づく視点− があるからこそ、人生は予想不可能でおもしろいのだ。アインシュタインの相対性理論を信じるならば、真実とはひとつの主題に過ぎない。時間が相対的であるのと同じくらい、真実とは不確かなものである。」
S'bu Nxumalo (サントラCD 「アマンドラ! オリジナルサウンドトラック」のノーツより引用)
■アクティビティを作成できなかった映画
どれも面白い映画です。ただ、室内の撮影が中心などで風景や街並が良くわからなかったため、アクティビティを作れませんでした。
◎2004
| タイトル | 舞台となる国 | 製作年 | アクティビティを作らなかった理由 | |
| 09 /15 |
ある日、突然 公式サイト |
アルゼンチン | 2003 |
突然レズの女性に誘拐された女性の話。印象的な映画だが、白黒映画で風景がよく分からず。 |
| 10 /12 |
クローズ・アップ |
イラン(テヘラン) |
1989 | キアロスタミ監督作品が続いたので。「カンダハル」のマフマルバフ監督(父)も出演。 |
| 10 /21 |
雲 息子への手紙 公式サイト |
南アフリカ、マダカスカル、アルプス他 | 2001 | 世界各地の雲の切り張りのような映画。キャプションがなく場所が分らず。ドヌーブの語りはさすが。 |
| 10 /31 |
ファミリー・ビューイング |
カナダ |
1987 | エゴヤン監督作品が続いたので。ビデオを使いながらシーンを切り替えていく手腕が見事。 |
| 11 /05 |
すべての仔細な事柄 | フランス | 1996 | ガタリなどが作った広大な森の中にあるフランスの精神科クリニックでの毎年患者と職員が行うオペレッタづくりの様子。うらやましい環境だと思った。 |
| 12 /05 |
エイプリルの七面鳥 公式サイト |
アメリカ | 2003 | 母娘のがさつな感じが強調されていた前半は辛かったが、ラストのまとめ方は見事。楽しめます。 |
| 12 /23 |
ブエノスアイレスの夜 公式サイト |
アルゼンチン | 2001 | 軍事政権時代に受けた精神的な傷をかかえる女性の話。俳優の力量に支えられた重厚な映画。 |
| 12 /30 |
ヴェロニカ・ゲリン 公式サイト |
アイルランド | 2003 | 麻薬組織を追求して暗殺された女性記者の実話による映画。彼女の死をきっかけに麻薬取締りが法的にも整備され、犯罪件数が激減したという。 |
| 12 /30 |
アメリカン・スプレンダー 公式サイト |
アメリカ | 2003 | 実在のコミック原作者の話。さえない中年男(私)にはとても共感できる映画。シャリ・スプリンガー・バーマンとロバート・プルチーニ監督。才能を感じる。 |
| 4/ 28 |
マゴニア 公式サイト |
(ロケ地・グルジア) | 2001 | 大人向けのファンタジー。残念ながらグルジアの生活などは写っていない。イスラムの娘の美しいドレスや、露出した傾いた地層など興味深い。 |
| 4/ 29 |
コーラス 公式サイト |
フランス | 2004 | フランスで大ヒット。ジャンルとしては不良少年たちの学園・更正もの。コーラスとソロは文句なく素晴らしい。 |
■参考にした本
◎「アクティビティ教材の開発と実践」月刊地理 552〜585号に連載。
イギリスの中学校用の地理教科書を解説した連載。
本サイトの「問い」「回答例」はこのイギリス地理教科書の「アクティビティ」にヒントを得た。
◎「世界史映画教室」家永知史著 岩波ジュニア新書209(1997) 780円
岩手の本田先生に教えてもらった。ただしハリウッド映画を世界史の教材にするのは、教師の力量に依存しそうだ。
著者は例えば「サウンド・オブ・ミュージック」でその背景を詳述したり、あえて「アラビアのローレンス」などを
選択しないなどの配慮をしている。
芸術や娯楽としての映画のストーリーは、歴史的事実と一致していなくていいはず。
映画を含めてメディアとの関わり方を、どのように子どもに教えるかが問われている。
◎「2004 データブック オブ ザ ワールド」二宮書店(2004) 630円
便利なデータ集。リーズナブルな価格。
あくまで辞書代わりのデータ集であるはず。これらを暗記して受験するなんて信じられない現実である。
◎「映画を見る眼−映像の文体を考える」小栗康平著
日本放送出版協会(2003)560円+消費税 NHKの市民大学講座で2003年6〜7月に放送。
小栗監督の代表作は、「泥の川」「伽や子のために」「死の棘」「眠る男」など
映像論に全く無知であったので、本サイトを立ち上げる前のにわか勉強だったが大変興味深かった。
個人的に20年くらい前に見た「伽や子のために」を、もう一度見たいと思っている。
◎「オリエンタリズム」エドワード・W・サイード著 平凡社(1986) 5400円
東洋と西洋という二項対立型の思考とそこから派生した「オリエンタリズム」という制度を徹底的に批判した名著。
教科書という権威的かつ文献主義的なテクストに頼る教育のあり方に対する批判と読むこともできる。
また地理学説史は、地理学が帝国主義・植民地主義にいかに奉仕したかという点から書き直されるべきだと感じた。
◎「点子ちゃんとアントン」エーリッヒ・ケストナー著 岩波少年文庫 640円
ケストナーさんはスゴイよ、スゴイよ。小説と一緒にアクティビティまで書いてある(ように読める)。
「小学4・5年以上向け」だけど、大人にも面白いよ。40歳を過ぎたぼくが言うのだから間違いないよ。エッヘン。
(今後参考にしたい本)
◎フリクショナル・フィルム読本シリーズ 門間貴志著
「アジア映画にみる日本」「アジア映画にみる日本2」「欧米映画にみる日本」など本からなるシリーズ。
■その他
◎肩の凝らないお薦めテレビ番組
「どうでしょう リターンズ」と「スタートレック・シリーズ」
◎私が受けた高校社会科教育と外国映画
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