槙尾山で、おもしろいドングリをみつけました。“双子”のドングリです(右)。

 このドングリはどのように理解すればいいのでしょうか。理解していただくために、少し堅苦しい話におつきあいください。
 ドングリは、植物学的に言うとブナ科の果実(堅いので「堅果」という)です。
 分類学的に言うと、同じ生物の種類だと考えられる分類学上の単位を「種(しゅ)」といい、似た種を集めたものを「属」、似た属を集めたものを「科」と言います。大阪付近で身近にあるブナ科には、次のようなものがあります。
 ブナ科
    コナラ属
       (常緑性) アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ、アカガシ、イチイガシ、ウバメガシ
       (落葉性) コナラ、ミズナラ、ナラガシワ
    マテバシイ属  シリブカガシ、マテバシイ
    クリ属  クリ
    シイ属  ツブラジイ、スダジイ
    ブナ属  ブナ、イヌブナ
 つまり、私たちが普通ドングリと呼んでいるのは、コナラ属やマテバシイ属の堅果ですが、クリも同じブナ科です。どんぐりは、「おわん」に包まれていますが、この「おわん」(植物学的には「殻斗」と呼びます)は、総苞(注1)が変化したもので、クリのイガは殻斗のトゲということになります。
   (注1) 総苞 ・・・ 花のそばにあり、通常の葉とは違った形態になった葉
 この“双子”のドングリはアカガシのものです。
 アカガシも通常は我々のなじみのある“普通の”ドングリをつけます(右の写真)。 果実の元は花。コナラ属の雌花は、総苞の中に1つの花が咲きます。そして殻斗に包まれた1つの果実になります。
 しかし、これに近い仲間のクリの雌花では、普通は1つの総苞の中には3つの花が咲き、したがってクリのイガの中には、3個(以下)のクリが入っていることになります。

 この双子のドングリは、たまたまアカガシの1つの総苞の中に、2つの花が咲き、結実したのでしょう。それにしても、最初の写真のように、このような双子のドングリが、1つのみならず、複数見つかるというのは、おもしろいことだと思います。

“双子”のドングリ @
 こんな現象は、どんな条件でどのくらいの確率で起こるのか、興味のあるところでしたので、もし、どこかで双子のドングリをみつけたら、ぜひお知らせください、とお願いしていたところ、兵庫県にお住まいの宮国さんから、すばらしい連絡をいただきました。