アオギリ

 太くなっても、いつまでも幹が緑のままなので、アオギリ。 奄美大島以南に自生する木で、よく街路樹や庭木として植えられています。 10月頃、この木は、本来の葉とは違った、茶色い舟形の葉のようなものをたくさんつけます(右上の写真)。 いったいこれは何でしょうか?
 アオギリの漢名は梧桐。 中国の想像の鳥である鳳凰は、この木にしか止まらないと言われています(「鳳凰の尾」を見たい人はこちら)。 鳳凰の本源は、干ばつに悩む古代の華北の人たちに雨の恩恵をもたらす台風であるとされています。 梧桐は、台風が近づくとその大きな葉をゆすり、降雨を予告する霊能を持った木であったのです。
 中国ではこのよく知られた梧桐について、昔から「梧桐一葉落つ」という言葉を、ささいな現象から物事の今後を予想する意味で用いてきました。 ところが日本では、坪内逍遙の戯曲「桐一葉」のように、梧桐がいつのまにか全く違う植物の桐に変わってしまいました。

 花は大阪では7月上旬頃に見られます。 雌花(右中央の写真)と雄花がありますが、特に変わった印象はありません。 ところが受粉を終えた雌花は、しばらくするとめしべの子房の部分が分かれます。 そして分かれたそれぞれの円筒形のものは、秋には中央から左右に開き、まるで葉のような姿になり、種子はその葉のようなものの周囲についています(右下の写真)。
 花は、生殖のために様々に変化した葉の集合体であると理解されています。 メシベも1〜複数枚の葉(これを「心皮」という)がくっついて形成されたものです。 アオギリはこの心皮が種子形成とともに葉の姿に戻るおもしろい植物なのです。