ハグロケバエ

 4月下旬、草むらでこんな虫を見つけました。 体長は1cmあまり。 全身真っ黒、特に大きな複眼のツヤを消したような黒がステキです。
 名前はハグロケバエ、「ハグロ」は翅が黒いことから、しかし、足の付け根などを除くと、むしろ毛は少なそうなのに、「ケバエ」とは?
 毛が少なそうに見えたのは、じつは肉眼レベルの話。少し拡大すると、全身短い毛がびっしり。 目のつや消しのような黒も、短いびっしり生えた毛が光を乱反射させているからでしょう。 でも最近のデジカメってすごいですね。 この短い毛も、写真を画面で拡大して、初めて気づきました。
 ただし、この大きな複眼はオスのみ。 メスの複眼は小さくてかわいいものです。 オスがいっしょうけんめいにメスを探すのでしょう。
 昆虫の羽は4枚が原則ですが、ハエやアブなどのグループは、前翅だけが大きく、後翅は退化し、先のふくらんだ棒状の「平均棍」と呼ばれるものに変化しています。 2枚の翅のみが目立つことから、このようなグループを「双翅目」と呼んでいます。 上の写真には、この平均棍がきれいに写っています(水色の楕円で囲んだ部分)。 この平均棍は、飛ぶ時にバランスをとるのに役立っているといわれているのですが、本当でしょうか?
 ケバエの仲間は、「ハエ」という名はついているものの、私たちが普通のハエのイメージとして持っているイエバやクロバエの仲間とはかなり違っていて、飛び方も弱々しく、双翅目の中では最も原始的なグループであるとされています。 双翅目昆虫の触角はいろいろ変化に富んでいておもしろいのですが、ケバエの仲間の触角は単純で、上の写真のように、節がじゅず状につながっています。
上:胸にも毛

右:飛び立とうと翅を広げたために見えた
  腹部にも毛がいっぱい