花の色の変化

 花の色の移り変わりというと、すぐ思い出されるのは、小野小町の

    花のいろハうつりにけりないたずらに わが身世にふるながめせしまに

 という歌でしょう。
 ああ・・・、いつのまにか桜の花はすっかり色あせて・・・ みのらぬ恋にうち沈み、降り続く雨を眺めるだけで何にも手がつけられず、ぼんやりと暮らしているうちに、花のようだった私の匂い立つ美しさもこんなになってしまって・・・
(素人の訳です。 文学関係の皆様、間違っていたらごめんなさい。)
 この時代で「花」といえばサクラ。 「いろ」は色香の意味を含めているのでしょう。

 花は時間とともに色あせてきます。 でも、ここで取り上げたいのは、時間の経過とともに色彩を変える花についてです。
 いろんなパターンがあります。 時間の経過とともに白から濃い色に変化する花、逆に濃い色から白っぽくなる花、白から濃色へ変化した後に再度白っぽくなる花もあります。 違った色彩になる花もあります。 これらは園芸的に改良される過程で変化するようになった花もあります。

【 白から濃色へ 】
スイフヨウ
 左は朝に撮った写真です。 白い花の傍にあるのは、昨日の花で、しぼんでいますが、色は赤。 右は夏の午後3時頃の写真。 酔ったように赤っぽくなっています。 秋になって温度が下がってくると、この色の変化は起こりにくくなってきます。

ハコネウツギ スイカズラ
 北海道南部から九州にかけての海岸の近くに分布しています。 最初は白ですが、次第に赤が濃くなってきます。

 北海道南部から九州にかけて分布しています。 白から黄色へと変化します。
【 濃色から白へ 】 【 白→濃色→白 】
ソラヌム クレオメ
 園芸的に改良されています。 紫が若い花です。

 白または桃色であったものを、園芸的に改良して色が変化するものを作り出しました。
【 別の色彩に 】
ランタナ ホタルカズラ
 園芸的にいろんな色のものが作られていますが、この色は原種に近く、たくさんの実ができています。

 赤紫から青への変化です。 日本各地の日当たりのよい草原などで見られます。 
 ここで紹介した花は、たまたま近所の公園や庭で見かけたもののみで、こんな花の色の変化をする植物は、まだまだたくさんあります。
 これらの花の色の変化は、花弁内の細胞で起こる化学反応が変化し、色素が変化したためと考えられますが、これらの変化に生態的な意味はあるのでしょうか?
 Weisst(1991)は、受粉に適した時期の花とそうでない花を、色の違いで昆虫たちに教えているのだという説を発表しています。 受粉に適していない花の存在も、花がたくさんあることで昆虫たちを呼び寄せるのに役立っているというわけです。 ここには写真を載せていませんが、ベニバナオイルを採るベニバナも、刺激を受けると色が濃くなります。 昆虫が花に止まることが刺激を受けることになっていて、受粉を終えた花ということを昆虫に知らせているのでしょう。
 でも、全ての花の色彩変化を上のような理由で説明するには無理があります。 特に園芸的に改良されたものには、人の目を楽しませることのみに役立っている花も多いことでしょう。