春よ来い
春の気配を感じ、いろんな花や虫たちに会える季節が近づいたんだなあと考えると、体がウズウズしてきます。
私の住むあたりでは、2月中旬になると、日だまりでオオイヌノフグリが咲き出します。そして3月に向かって、日ごとに花が多くなってきます。
どこにでもあるありふれた花ですが、早春にこの花を見つけたときは、本当に嬉しくなってしまいます。
新古今和歌集の撰者の一人に、藤原家隆という人がいます。
右は、大阪市天王寺区夕陽丘町に眠る家隆の塚の写真ですが、彼の作に、
花をのみ待つらん人に山里の
雪間の草の春を見せばや
という歌があります。
桜の花だけが花だと思っている人に、春をいっぱい詰め込んだこの野の花を見せてあげたい、というこの歌が、私は大好きです。