ヘビイチゴ |
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| いちめんのヘビイチゴ、なかなか美しいものです。 でも、根拠は知りませんが、毒があるという噂があって、触れるのさえ恐れる人がいます。 しかし、スカスカで決して美味しくはないですから、これをたくさん食べようという人はいないでしょうが、毒は無いようですよ。 このヘビイチゴの花から実への変化を追いかけてみましょう。 |
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| これが花。 花弁は5枚。 その間に見えるのが5枚のガクで、先がとがっています。 この仲間の特徴として、その外側に「副ガク(外ガク)」と呼ばれるものがあり、先は丸く、数カ所の切れ込みがあります。 大きさは、ガクより副ガクの方が大きいのが、写真でも分かっていただけるでしょう。 写真でオシベは分かりますよね。 では、メシベは? 花の中央付近には、毛がいっぱい生えたように見える区域がありますが、多くの花で見られるような、「これがメシベだ」といえる一本のメシベは見あたりません。 下の写真は、花弁が散った後の花のアップです。 花粉を飛ばし終えたオシベの葯は茶色くなっています。 副ガクは水平に開いたままですが、ガクは、これから果実になろうとする部分を包み込んで保護するように、立ち上がってきています。 メシベは? 球形の部分から、毛がいっぱい生えているように見えるだけです。 |
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衝撃の事実をお知らせしましょう! じつは、この“毛”の一本一本がメシベなのです。 球形の部分の表面にメシベがたくさんついている、言い換えれば、球形の部分が無いと、メシベをこんなにたくさん付けられない、ということになります。 このメシベをたくさんつけている部分を、「花托」と呼んでいます。 そしてその花托の表面に並んだたくさんのメシベのそれぞれの付け根の子房の部分が、果実になります。 つまり、花托の表面に、果実がたくさんくっついた状態になります。 |
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ヘビイチゴはバラ科に属しますが、バラ科には、このように複数のメシベを持つ植物がたくさんあります。 果実が成長する過程では、この“果実の集団”は、ガクによって、いったんは完全に包み込まれます。 その中で、果実は、そして花托も、大きく成長していきます。 右上の写真は、成長が進んで赤く色づき、大きくなった花托とその表面の果実の集団が、保護していたガクの間から姿を見せたところです。 それぞれの果実には、メシベの花柱が、糸状に残っています。 右下の写真では、さらに花托が大きくなり、果実と果実の間に隙間ができています。 復習しながら、用語を紹介しておきます。 右下の写真は、1つの果実ではありません。 花托の表面にたくさんの果実がバラバラとくっついている状態が写っています。 このような状態を、「分離複果」と呼んでいます。 でも、右下の写真に写っているのが1つの果実のように思いますよね。 ですから、これを「偽果」または「仮果」と呼んでいます。 偽果(仮果)には、いくつかのパターンがありますので、この場合は特に「イチゴ状果」と呼ぶこともあります。 本当の果実は、果肉がほとんど無い「痩果」です。 私たちが食べているイチゴは、このヘビイチゴと同じつくりで、表面のゴマのようなものが本当の果実で、美味しいのは発達した花托ということになります。 |
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