ヒペリカム(Hypericum) 最近は園芸植物の種類が増加の一途をたどっています。 生活にゆとりができて花に関心が向いてきたこと、国際化で外国からの新しい種類が次々と導入されてきたこと、遺伝子操作の技術が進み、品種改良がスピードアップしたことなどが、その理由でしょう。 「美しいね」で済ませばいいのでしょうが、私などは珍しい植物を見れば、どうしてもその植物のことを知りたくなってしまいます。 でも、名前の分からない植物について調べることは容易ではありません。 新しく導入された植物は図鑑にも載っていません。 新しいことはインターネットのホームページで調べるのがいいのでしょうが、名前が分からないことには検索もできません。 知識を総動員して、見当をつけて、検索するよりしかたがありません。 |
| 家内がいただいた花束に、右の写真のような植物が入っていました。 この植物は今まで何度か見たことはあるのですが、我が家の花瓶に入ったのを機会に、調べてみることにしました。 一般に、果実は花より特徴が少なく、調べるのは難しいものです。 しかし、この植物では、まず、ガクが瓦を重ねたようになっているところに目が止まりました。 こんなガクの並び方はあまりありません。 それに、葉は対生で鋸歯は無く、付け根に近いところで幅が最も広くなっています。 オトギリソウ科の、それもオトギリソウの仲間(Hypericum属)を予想しました。 日本のHypericum属の果実は、さく果(水分は少なく裂けて種子を散布する)です。 でも、ガクと葉の様子は、Hypericum属のイメージです。 |
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| Hypericum属は、オトギリソウ、コオトギリ、サワオトギリ、コケオトギリ、トモエソウなど、日本に多くの種類が野生しています。 また、帰化植物で、花弁の縁に黒点があるセイヨウオトギリは、「門を出て」の「5月の帰化植物」で紹介しています。 庭などによく植えられるキンシバイ、ビョウヤナギなども、この仲間です。 |
| オトギリソウ科の葉には、通常、油点または腺があります。 さっそくルーペで葉を観察すると、右の写真のように、葉一面に明るい油点(明点)が散らばっていました。 オトギリソウ科には黒点を持つものもありますが、この植物には無いようです。 もう一つ、気になったのは果実の形です。 オトギリソウ科の果実は、通常は1室。 時には3〜5室になりますが、いずれも不完全です。 この植物の果実は、外観からすると、3室になっているようです。 果実の断面を作ってみました。 細かい若い種子がびっしり詰まっていました。 分かりにくいので、この種子を少し取り除いて写したのが、下の写真です。 不完全な3室になっていることが、よく分かります。 |
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| さっそくインターネットで、「 Hypericum 」で検索すると、ちゃんとありました。 以下はインターネットで調べた内容です。 この植物は、Hypericum inodorum か、Hypericum androsaemum のどちらかでしょう。 たぶん前者だと思うのですが、前者は、後者と Hypericum hircinum の自然雑種と言われているようです。 ちなみに、H. androsaemum は、ヨーロッパ原産で、コボウズオトギリ(小坊主弟切)とも呼ばれているようです。 |