ジョウカイボン

 このジョウカイボン、他の虫を補食する、わりとどう猛な昆虫です。時々見かける昆虫ですが、幼虫の生活がいまだに全く分かっていないという、不思議な昆虫でもあります。
 名前の由来は、一説には平清盛の法名「浄海坊」からだと言われています。 以前、ジョウカイボンはカミキリモドキと混同されており、カミキリモドキが持つカンタリジンは皮膚に付くと火傷のような炎症を起こすことから、熱病で苦しんだ平清盛の名前に結びつけた、というものです。
 最近、昆虫の分布を、日本列島形成の歴史と関連づけて論じられることが多くなってきました。 少し古くは、大阪市自然史博物館におられた日浦勇先生のギフチョウとヒメギフチョウの研究(蒼樹書房「蝶の来た道」)、最近では、大阪府高槻市にある生命史研究館を中心としたオサムシの分子系統学的研究などがあります。 このジョウカイボンも、今坂正一先生の研究によれば、日本列島の歴史と関連して、中国地方西部と九州に分布するのはニシジョウカイボンという別種のようです。 またその他の地域に生活するジョウカイボンも、産地でかなりタイプが異なるようです。
 インターネットで検索すると、あちこちのホームページでジョウカイボンの写真が載せられていますので、見比べてみてはいかがでしょうか。 なお、上の写真は大阪府の高槻市でS59.6.3.に撮ったものです。

 ところで、下は大阪府の槙尾山で H15.5.10.に撮ったもので、ジョウカイボンと思い込み、このページのトップに置いていた写真です。 ところが、上記の今坂正一先生から、これはキ ンイロジョウカイの本州・四国亜種 (Themus episcopalis purpureoaeneus Yajima et Nakane)のようだとのご指摘をいただきました。 もう一度図鑑などで調べなおすと、確かにキンイロジョウカイのようです。 キンイロジョウカイは大阪府辺りにそんなにいないと勝手に思い込み、みんなジョウカイボンだと思っていたのですが、改めて今まで撮った写真を調べなおしてみると、むしろジョウカイボンよりもキンイロジョウカイの方が多いようです。 ご指摘くださった今坂正一先生にお礼申し上げます(H19.7.7.)。