頭部を器用に動かし(動きが速くボケてます)
熱心に巣材にする泥を丸めている
オオカバフスジドロバチ



カリバチ(狩り蜂)の食物

 ここでは、アナバチ、ドロバチ、ベッコウバチなどの仲間で、ガの幼虫やクモなどの狩りをする単独性の蜂について、お話しします。
 これらのカリバチは、餌の取り方や巣の作り方など、“個性”に富んでいて(左の写真)、ファーブルの昆虫記にも多くのページが割かれています。
 私も公園や林の中で彼らによく出会いますが、目にする多くの場合は、獲物を探して木の葉の茂みや草原を熱心に飛び回っている姿です(もちろん、私のカメラでは写真に記録することはできません)。
 でも、蜜を求めて花に来ている姿もよく見かけます(下の写真)。

ヤブガラシの花に来たクロアナバチ


ヤブガラシの花の蜜をなめるヒメハラナガツチバチの雌

 どうもいつの間にか、頭のどこかで「カリバチは狩りをするから肉食」という先入観が形成されていたようです。 最初の頃は、カリバチが蜜をなめることに不思議な気がしていました。 でも考えてみると、糖分は、動物にとって無理なくエネルギー源にできる物質です。 そして、カリバチが捉えた幼虫などをどうするのか見ていると、ほとんどの場合は、針で毒を注入して麻痺させた獲物は巣に運びます。 つまり、カリバチが狩りをするのは、多くの場合は幼虫の餌とするためで、自身の食事は主に花の蜜に頼っているのです。 
 でも、カリバチの成虫も、時には捉えた獲物を自分で食べているようです。 岩田久二雄著「ハチの生活」(岩波科学の本11)によれば、例えばトックリバチの壷は、土と胃袋からはき出した液体とを混ぜて作りますが、この壷が水に強いのは、食べた幼虫の成分が影響しているからだと書かれています。 ちなみにこの本は、1974年に第1刷が発行されていますが、私が自然観察に関心を持つことに大きな影響を与えてくれた1冊です。
 社会生活をするようになったアシナガバチやスズメバチの仲間では、捕らえた獲物をその場で殺します。 殺した獲物の肉は、噛みちぎり、肉団子にして巣に持ち帰ります。 そして、そのほとんどは、やはり幼虫の餌になるのです。