コウヤマキ

 コウヤマキ(「高野山の槇」の意味でしょう)はよくお墓に供えられています(写真右:堺市鉢ヶ峰公園墓地にて撮影)。 この木が崇められたために、庭木や生け垣に植栽されているマキ科のマキ(これが本来の槇)は、イヌマキ(役に立たない槇といった意味でしょう)と呼ばれるようになってしまいました。
 ところで、この写真を見て、コウヤマキの一枚の葉はどれか分かりますか? バカな質問をするんじゃない! 見れば分かるじゃないか、とおっしゃるかもしれませんが、そう簡単ではないのです。 答はこのページの後ろでお教えしますが、いちど考えてみてください。
 コウヤマキは花屋さんで売っているものしか見たことがないという人のために、まずは木の姿を紹介しましょう。 庭木にしたりもしますが、かなりの大木になります。 左の写真は、槙尾山施福寺の境内にあるコウヤマキです。 この樹皮は「まき肌」として、木造船や桶を作る時に、木のつなぎ目に挟み、水漏れを防ぐために用いられます。
 5月上旬、施福寺にある木の下には、たくさんの花粉を飛ばしてしまった雄花と球果が落ちていました(右の写真)。この球果は、2年かけて成熟したものです。

 さて、最初の問題の答です。 1枚の葉らしきものの断面をつくり、拡大してみると、驚くなかれ、2枚の葉が合生しして1枚のように見えているのだということが、右下の写真から理解していただけると思います。
 アカマツやクロマツは、2枚の葉がセットになっています(このセットを1枚の葉だと思っている人はいませんか?)。 この2枚の葉がもっとしっかりくっついたものがコウヤマキの葉だと考えると、理解しやすいのではないでしょうか。