マメヅタゼンマイ

 マメヅタは、マメのような丸い葉が岩の上などをおおうシダの仲間です。
 シダといえば、葉の裏に胞子をつけるイメージがありますが、マメヅタでは、胞子を付ける葉と付けない葉が、はっきりと分かれています。
 胞子を付けない葉は、岩や地面にくっついていて、マメヅタでは年中見ることができます。光合成で栄養分を作るための葉ということで、「栄養葉」と呼ばれています。
 これに対して、胞子を付ける葉は、「胞子葉」と呼ばれ、ある時期にしか見ることができません。マメヅタの胞子葉は、細長く、空中に持ち上がっていて、葉の裏に形成される胞子が風に乗って飛びやすくなっています。
H15.9.28. 槙尾山施福寺境内にて撮影
 胞子葉と栄養葉に分かれているシダは、マメヅタに限りません。他にもたくさんあります。そのうちのいくつかを紹介しましょう。 下の2枚の写真は、左がシシガシラ、右がクジャクシダです。いずれも細く高く持ち上がっている方が胞子葉です。
 そして、左がゼンマイです。 まだ葉が展開する前の、その名前の元になったゼンマイ状のものを食べる人は多いのですが、葉を展開してしまった姿を見て、ゼンマイだと分からない人も多いようです。
 左下の写真の撮影は6月上旬。 山菜採りの時期も終わり、葉はすっかり展開していますが、中央の茶色の部分が胞子葉です。
 もちろん、展開する前のゼンマイ状のものにも2種類あるのですが、市場に並んでいるのは、栄養葉のものだけです。

 胞子葉の出る時期は、シダの種類によって違っています。マメヅタでは秋でしたが、ゼンマイでは、このように春になります。
 5月上旬、左のようなものを見つけました。 葉は展開したばかりで、まだ赤みが残っていますが、ゼンマイの栄養葉の一部に胞子がついて、胞子葉のようになってしまった奇形です。
 異常は、正常を理解するためのヒントを与えてくれます。 この写真は、胞子葉と栄養葉の関係を示唆してくれているように思います。