岩尾根とアカマツ・ツガと

マツグミの花

 私の家から車で30分くらいのところに、槙尾山があります。ここには、西国三十三ヶ所観音巡礼第4番札所の施福寺があり、参拝者が多いのですが、岩が多い山でもあります(右の写真)。
 岩尾根は、降った雨も流れてしまい、植物にとっては住みにくい環境です。進化の進んだ被子植物は、条件のいいところではたくましい生命力を発揮するのですが、逆境には弱い植物です。被子植物の生えることのできない岩尾根には、槙尾山では裸子植物のアカマツやツガを見ることができます。もちろんそのような場所では、これらの植物もスクスクと育つことはできません。幹の太さの割には低い、特にアカマツは盆栽のような姿になります。
 マツグミは、針葉樹に寄生する植物です。槙尾山ではアカマツにもツガにも寄生しています。普通は高木の頂付近に寄生していますので、なかなか気がつきません。落花の時期にその下を通って気づき、上を見上げても存在を確認することさえ容易ではありません。しかし、寄生している木が高くなることができなかったら・・・。そうです。槙尾山には、マツグミを手に取って見ることができる場所があります。
槙尾山の岩場の一つ
 上部は蔵岩と呼ばれている。 
上:ツガの球果の“赤ちゃん”。なか
 なか美しい。
左:ツガに寄生するマツグミ
マツグミの花 (撮影:H14.7.27.)
 マツグミはマツやツガなどの幹に根を食い込ませ、養分を奪います(右の写真:赤っぽいのがマツグミの幹)。しかし、自身も光合成をしますので、栄養満点で、上の写真のように、たくさんの花をつけます。そしてたくさんの実ができます(右下)。我々を楽しませてくれる木です。
 しかし、マツグミが子孫を増やすためには、鳥にこの実を食べてもらい、種子を糞といっしょに針葉樹の手頃な枝の上に落としてもらわなければなりません。その確率は低いでしょう。だからこそ、いっぱい花を咲かせて、いっぱい実をつけなければならないのです。


 【 「付近散歩−槙尾山から粉河寺へ」はこちらからどうぞ 】
マツグミの実 (撮影:H15.5.3.)

ツガの枝に食い込むマツグミ
マツグミ

ツガ