木彫りのバラ

 冬、公園で右の写真のようなものを拾いました。 まるで木彫りのバラのようです。
 いったいこれは何でしょうか?


 じつは、これはヒマラヤスギ(英名 Himalayan cedar = ヒマラヤシーダ、ヒマラヤシダー)のコーン(球果)に関係するのです。
 上は、平成18年9月10日に撮ったヒマラヤスギの写真です。 たくさんのコーンができています。
 そして右は平成15年の12月3日に撮った写真。 ヒマラヤスギの雄花です。 ヒマラヤスギはこの時期に花を咲かせます。 雌花も咲いているはずなのですが、小さくて分かりませんでした。
 そしてこのヒマラヤスギの別の枝には、茶色くなったコーンがついています(左下の写真)。 昨年の雌花が受粉し、一年かけて成長したコーンです。
 でも、このコーン、上半分がありません。 樹の下を見ると、右下の写真のようなものが、たくさん散らばっています。 これはコーンの鱗片です。
 ヒマラヤスギの種子はコーンの鱗片の間にありますが、種子が成熟し、散布されるときには、鱗片もいっしょにバラバラになるのです。 そしてそのあとには、コーンの中心にあった軸だけが残ります(左下の写真)。
 もうお分かりでしょうか? 最初に紹介した“木彫りのバラ”は、種子散布の時に取れてしまう、ヒマラヤスギのコーンの最上部なのです。 右下は“木彫りのバラ”を裏から撮ったものですが、左下の写真の軸のささっていた穴が、ちゃんと空いています。
 この“木彫りのバラ”、「シダーローズ」という名前で、ドライフラワーとして販売されていることを、最近知りました。 コーンをつけるような大きなヒマラヤスギの根元にはたくさん落ちているのに・・・
(最終更新:H19.3.24.)