マツボックリの年齢は?

 マツボックリは学問的には毬果といいます。「毬」という漢字が難しいので、「球果」と書いたりもします。「果」という漢字を使っていますが、マツは裸子植物ですので、もちろん果実ではありません。 果実でないものに「果」という漢字を使うのに抵抗を感じる人は、コーン(cone)と呼んだりしています。 球果の詳しい構造はここでは略しますが、とにかく、たくさんの鱗片がくっつき合っていて、その間で種子が育ちます。
 松林にはいると、マツボックリは年中転がっているようですが、花が咲いてから、いったいどれくらいの期間で種子を飛ばすのでしょうか。 なお、以下の内容は、アカマツでもクロマツでもほとんど同じですので、単に「マツ」として話を進めていきます。 
 右上の写真1は、平成16年4月25日に撮ったマツの花の写真です。 この頃が花の時期。 雌花と雄花を見ることができます。雌花は最初から球果の形をしています。 マツボックリの成長はここからスタートします。
 右の写真2は、同年5月15日の写真。 3っつの状態のマツボックリが写っています。 いちばん上が今年の、成長を始めたばかりのマツボックリ、その次が、昨年の春から成長を始めたマツボックリ、つまり1年後の姿です。 大きさからしても、成長途中にあることが分かります。 そして3段目が2年目の姿。 もう既に鱗片は開いて、その間にあった種子は飛び去っています。 じつは種子が成熟するのはその前年の10月ですので、マツは受粉してから1年半でマツボックリが開いて、種子を飛ばし始め、種子が飛んだ後も、マツボックリはしばらく木についたまま、ということになります。
 写真3は、同年12月29日の写真。 この春にできたマツボックリは、まだあまり大きくなっていません。 冬を越してから、本格的な成長を始めるようです。

 以上の話は、初めに書いたように、アカマツでもクロマツでもほぼ同じです。 しかし同じマツ科でも属が違えば(植物の分類については、「“双子”のドングリ」のページを見てください)、上の話は違ってきます。 比較のため、ヒマラヤスギを見てみましょう。
 ヒマラヤスギの場合は、“ヒマラヤスギポックリ”とは言い難いので、コーンと呼ぶことにします。 ヒマラヤスギもよく公園などに植えられています。刈り込まれる場合が多いのでコーンは見る機会が少ないのですが、広い場所でのびのびと育てられたヒマラヤスギは樹形も美しく、大きくなればコーンを付けます。
 右の写真4は、平成16年7月3日に写したものですが、上のマツのようにいろんな状態のコーンが見られないことを理解していただけると思います。 つまり、ヒマラヤスギのコーンは、1年で成長してしまうのです。 ヒマラヤスギのコーンは、マツのそれより、かなり大きなものです。 大きなものほど成長に時間がかかるとは限らない、ということになります。

【関連項目】
 クロマツの葉(どれが1枚の葉?)
     
写真1
写真2
写真4
← 雌花
   をクリックすると、
   別ウインドウに拡大表示
   します。
  
↑雄花
← 2年たったもの  
  をクリックすると、別ウ
  インドウに拡大表示します。
  
1年たったマツボックリ →
今年できたマツボックリ →
写真3