ルリタテハの占有行動

 ルリタテハは飛翔力のある蝶で、普段はいったん飛び立つと、速い速度ではるか彼方に行ってしまいます。ところが、8月中旬、時刻は午後5時45分、あたりが薄暗くなりかけた頃、泉北ニュータウンにある公園で、次のようなことがありました。
 遊歩道にルリタテハが翅を広げて止まっていました。 近づくと飛び立ちましたが、あたりをぐるりと一周すると、初めにいたすぐ近くのササの葉に止まりました。 観察していると、飛んでいる他の昆虫などがいると、けんめいに追いかけて遠ざけ、また元の場所付近に戻ります。 これが「占有行動」と呼ばれる行動です。
 戻ってすぐは翅を閉じていますが(左の写真)、すぐ翅を水平に開きます。 翅の表の模様を見せているのでしょうか? それとも、この方がすぐに飛び立つことができるのでしょうか?
 ちなみに、ルリタテハの翅の裏は、模様は複雑ですが、色調は地味です。 ルリタテハもクヌギなどの樹液を好むチョウですが、翅を閉じて樹液を吸っていると、保護色となり、たいへん目立ちにくくなります。
 占有行動のことを知っていると、安心して写真を撮ることができます。 近づき過ぎて飛び立たれてしまっても、その場所を少し離れると、すぐ戻ってきます。 そんなことを何度か繰り返していると、ルリタテハも私の姿やカメラに慣れてくるのでしょうか、すぐ近くまで近づくことができます。 そのようにして撮ったのが、下の写真です。 「スクランブル発進、いつでもO.K.!」という緊張感さえ感じることのできる表情をしています。





 占有行動はオオムラサキやゼフィルスの仲間などでも見られますが、ルリタテハの場合は、夕方に限って観察することができます。 占有行動にどのような意味があるのか、また、夕方にどのような意味があるのか、いろいろ考えられるところですが、興味が湧きます。