ソテツの“実”
田端義夫さんのヒット曲に、♪赤い蘇鉄の実も熟れる頃、・・・という歌がありました。 古いな〜 (^_^;) しかし、そもそもソテツは裸子植物で、実はつけません。 あれは種子なのです。
ソテツは雌雄異株です。 10月になると、雌株の茎の頂には、右上の写真のような、球形のものが見られます。 少し壊して中をのぞいてみると、歌にある赤い種子を見ることができます(右中央の写真)。 種子は葉のようなものについていて、これを1枚取り出して写したのが、右下の写真です。
陸上の植物は、シダ植物→裸子植物→被子植物 と進化しましたが、このソテツを見ていると、シダ植物と被子植物の途中がよく分かります。
花は生殖のために変化した葉が寄り集まって作られたものだとされています。
マメヅタとゼンマイのページでは、通常の光合成をするための葉と、生殖のための葉が分化したシダがあることを書きました。 また、
サンショウモのページでは、シダにも大胞子と小胞子の2種類の胞子を持つものがあることを紹介しました。 大胞子を付ける葉(大胞子葉)がメシベに、小胞子を付ける葉(小胞子葉)がオシベに進化するわけです。