ヤブムラサキの花

 秋になると、園芸店でよく“ムラサキシキブ”の鉢植えが売られています。かわいい光沢のある実をたくさんつけたこの鉢植えは、名前の良さもあり、人気があるようです。
 しかし、この鉢植えの“ムラサキシキブ”は、植物学的には「コムラサキ」という植物で、ほんとうの「ムラサキシキブ」はもっと上に向かってしっかり伸びる木のイメージです。実の付き方も詳しく見ると少し違います。

 槙尾山などに多いヤブムラサキは、ムラサキシキブに似て、全体的に毛が多い感じです。
 花はみんなよく似ていますが、写真はヤブムラサキの花です。小さい花で、実ほど関心を引きませんが、拡大して撮ると、なかなか美しいものです。
 写真の中央下のオシベの先に注目してください。穴があいているのが分かっていただけると思います。花粉はここから出ます。
 オシベの葯(やく)からの花粉の出し方(葯の開裂)は、植物の種類によってさまざまですが、多くは葯が縦に裂けるパターン(「縦裂」と呼びます)です。
 ヤブムラサキのこのようなパターンは、「孔開」と呼ばれています。
 ルーペでさまざまな植物のオシベを見ていると、おもしろいパターンを発見できるかもしれませんよ。