ゾウムシ

 5月下旬、大阪府堺市(逆瀬川)で、ノアザミにいるゴボウゾウムシ(ゾウムシ科)を見つけました。
 ゾウムシとは、狭義の分類的にはゾウムシ科やオサゾウムシ科などに分類され、象の鼻のように、口先(吻)が長く伸びた甲虫です。 この長く伸びた口吻で植物組織を穿孔し、そこに産卵します。 幼虫・成虫共に植物食です。 種類はたいへん多いのですが、小さな種類が多く、注意しないと見落としてしまいます。 しかし一方で、少し拡大してみると、そのユニークな形態に惹かれる人も多いようです。
 でも、なぜノアザミに“ゴボウ”ゾウムシがいたのでしょうか。
 じつは、ゴボウ( Arctium lappa )はアザミの仲間( Cirsium属 )と同じキク科に属し、花の様子も似ています。 畑でゴボウを作っていても、花の咲く頃までゴボウを収穫せずに置いておくことはまず無いでしょうから、花を見た人は少ないでしょう。 ちょうど高石市取石でゴボウの花を見つけましたので、下に紹介しておきます(H18.6.7.撮影)。
 アザミの根も、ゴボウに似ています。 ちなみに、観光地なとで「やまごぼう」として売られているのは、モリアザミ(“森アザミ”ではなく、“銛アザミ”)の根です。 なお、和名でヤマゴボウという植物がありますが、こちらはヤマゴボウ科に属し、有毒ですので、くれぐれもお間違いの無きように!

 ゾウムシをもう1種、春のゾウムシに続いて秋のゾウムシを紹介しましょう。 ゾウムシは、どの植物に産卵するかで、出現の時期が違います。 ここで紹介するのは、クヌギの果実(ドングリ)に産卵するクヌギシギゾウムシです。 クヌギの殻斗を貫いて、ドングリの下側の柔らかい部分を穿孔しますので、口吻はゴボウゾウムシより長くなります。 「シギ」とは、シギ(鴫)という鳥の長いクチバシに似ていることからでしょう。
 下の2枚の写真は、いずれも大阪府堺市の泉北ニュータウン内の槇塚公園で、H18.9.17.に写したものです。 この日は、クヌギの下に生えているササの葉の上など、あちこちでクヌギシギゾウムシの交尾が見られました。

クヌギの堅果の上のクヌギシギゾウムシ(交尾中の個体を正面から撮っています)
 下の写真は、クヌギの枝にいた交尾中の個体です。 上が雄で、少し小型です。 長い口吻に、長い触角を穿孔時に収納するスリットがあるのがよく分かります。
 クヌギの果実に穿孔し、産卵するのは雌のみだと思うのですが、雄の口吻も雌と同じというのが、私にはおもしろく感じられました。