『アメリカの環境スクール』
(大修館書店刊 1998年1月)
「環境スクール」とは、環境問題に取り組むための実務家の養成を主な目的とするアメリカの学際的教育機関です。アメリカでは、ビジネススクールやロースクールのように、専門職系大学院(professional school)と位置づけられています。林学や資源管理の教育機関としては長い歴史を持つものも多く、また近年、地球環境問題の顕在化の中で新設も相次いでいますが、これまで日本ではほとんど知られていませんでした。執筆は、環境経済学や企業の環境管理を中心に、実際に環境スクールで学んだ経験に基づいて行っています。
★目次の主要項目
◆序章 「環境と経済」を学びたい!
大学での「消化不良感」
放送大学の素晴らしさと限界
「環境と経済」への興味がふくらむ
留学への挑戦を決意
◆1章 環境スクールとの出会い
1・1 二回の挫折
1・2 見学旅行で実地見聞
1・3 三度目の挑戦で奨学金を獲得
1・4 七面倒くさい出願作業
1・5 悩んだ末に行き先を選択
◆2章 三つの環境スクール
2・1 よく似た三つの環境スクール
2・2 エール大学の林学環境学スクール
実務教育重視の環境学修士(Master of Environmental Studies)
「自由自在」な森林科学修士(Master of Forest Science)
伝統ある林学修士(Master of Forestry)
一石二鳥の合同学位課程(Joint Degree Program)
2・3 ミシガン大学の天然資源・環境スクール
2・4 デューク大学のニコラス環境スクール
◆3章 まず「森の訓練」三週間
3・1 「まず森に入るべし」
3・2 渡 米
3・3 森を測量して地図づくり------「地形計測と地図作成」
3・4 草の根分けてサンショウウオを数える------「生態系の計測」
3・5 木の葉を見て植物を見分ける------「植物種の識別」
◆4章 講義開始前の不安
4・1 恐いところに来てしまった
4・2 突然の「改革」発表
4・3 アドバイザーの先生が違う!
4・4 森林科学修士課程に進むことが確定
◆5章 TAがいれば恐くない(九三年秋学期)
5・1 履修はもはや常識----天然資源経済学
5・2 ソフトを操って環境政策を決定----資源管理のための数量的方法
5・3 録音しないと聞き取れなかった----水文学と水資源管理
5・4 教科書二冊を駆け抜ける----計量経済学と統計学
5・5 新しい試み----世界人口と環境問題
★コラム おおらかなアメリカ式の採点
◆6章 スクール外の講義を活用(九四年春学期)
6・1 修士プロジェクトのテーマ選定に活用----環境経済学
「最適な汚染量」がある!?
当初の研究計画を修正
6・2 利害の錯綜する環境政策の決定----水資源システムと政策
6・3 マトリックスも恐くなくなる----計量経済学(Econometrics) 9
6・4 わかりやすさに驚く----マクロ経済分析(Macroeconomic Analysis) 9
◆7章 講義以外の「学生生活」
7・1 三ヵ月の夏休み!
インターンシップ
修士プロジェクトのためのデータ収集
7・2 使い捨て文化の中でリサイクルも推進
7・3 クラスメートが「人口・消費・環境に関する会議」を開催
7・4 多彩な見学旅行
7・5 校内誌『ザ・ログ』にみるFESの行事
◆8章 「企業の環境管理」プログラム
8・1 IEMプログラム創設------「企業は悪者」の認識が変わった
8・2 「産業エコロジー」を重視
8・3 IEM改善要請も行った学生グループ----IEM研究会
8・4 エキスパートの連続講演や環境戦略の役割演技ゲームも開催
8・5 足りない「市場開拓」
8・6 企業の役員クラスのための短期コース
◆9章 未知の分野にも(九四年秋学期)
9・1 政策論議も数値計算も大いに楽しむ----廃棄物管理の諸側面
9・2 修士プロジェクト論文のリハーサルに活用----企業の汚染予防への取り組み
9・3 環境リスクの理解に重要----環境疫学(Environmental Epidemiology)
9・4 はじめてわかった!----ミクロ経済学理論と政策
9・5 これは難しい----環境と天然資源についてのワークショップ
◆10章 修士プロジェクトへ結実(九五年春学期)
10・1 思い切った挑戦に辛勝!----数理経済学U(Mathematical Economics II)
10・2 環境--行政・企業の管理(The Environment: Public & Private Management)
10・3 文明・文化の問題を論じた---- 社会理論と環境
10・4 温暖化で名高いノードハウス教授は名教師----マクロ経済学
10・5 自分にしては上出来----
資源経済学の修士プロジェクト(中西準子・横浜国立大教授のホームページで紹介いただきました。)10・6 収穫大きかった二年間
★コラム 私の修士プロジェクト論文の概要
◆11章 環境スクールは役に立つか
11・1 卒業生たちの意見
「ほんとうにいい学校」----クリスティン(アメリカ)
「講義も、図書館も、クラスメートもすばらしい」----リコ(ブラジル)
「学生はお客」に好感------ヘンリック(デンマーク)
IEMに「理論と実務のジレンマ」を感じた------マイク(アメリカ)
「多くの点で不満」------アイシャ(アメリカ)
エールで得た知識・経験・人脈を活用------阿部洋輔さん
11・2 卒業生の進路
11・3 コーホン・スクール長に聞く
卒業生はどう社会に貢献できるか
F&ES改革の背景
環境学部・環境スクールの新設が相次ぐ
FESは「林学」を堅持
11・4 環境スクールは役に立つか
◆終章 みんなにやさしいシステム
文科系・理科系を問わず、社会人が入学しやすい職業大学院
ステップバイステップの講義体系
TAとオフィスアワーがあれば恐いものはない!
根底にある「学生はお客」の意識
知的創造力の源泉
◆巻末資料
【資料1】 エール大学林学環境学スクール(FES) 1997-1998年度 講義題目一覧
【資料2】 環境スクール入学のための条件
【資料3】 FES入学者に想定されるアメリカの大学での講義履修例
【資料4】 3つの環境スクールの連絡先
【資料5】主な大学の環境学部のインターネット・ホームページ・アドレス
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